2020-4-13
AI世代のArea Detector CT
「Aquilion ONE / PRISM Edition」
Aquilion ONE / PRISM Editionは,ディープラーニングを応用した画像再構成技術“AiCE(エース)”,新たなDual Energy技術を搭載した新世代のArea Detector CT(ADCT)である。2019年の北米放射線学会(RSNA)の機器展示で初めてお披露目され,国内でも2020年1月から販売が開始された。
新しいDual Energy技術である“Spectral Imaging System”は,1回転で高低2つの管電圧を高速で切り替えて撮影するrapid kV switching法でdual energy撮影を行う。従来,rapid kV switching法では,エネルギー分離能が不十分なこと,管電流を変調させるAEC(Auto Exposure Control)が使用できないことが課題だった。Aquilion ONE / PRISM Editionでは高kVと低kVのスイッチングサイクルを最適化し,ディープラーニングを用いた新たな画像再構成技術によって,時相差のないrapid kV switchingとAEC連動を可能にした。同社がこれまでAiCEなどで培ってきたdeep learning reconstruction(DLR)の技術を応用し,スイッチングギャップの推定と補完,低kVでのノイズ低減などで質の高いDECTデータを提供できる。1回転160mmでのDECTが可能であり,また,医用画像ワークステション「Vitrea」に搭載された“Spectral Analysis”で,仮想単色X線画像,ヨードマップ,実効原子番号・電子密度画像などの解析が可能になっている。
また,AiCE(Advanced intelligent Clear-IQ Engine)は,ディープラーニング技術を応用した画像再構成技術として開発され,他社に先駆けてAquilion Precisionに搭載された。現在は,超高精細CTの「Aquilion Precision」,ADCTの最上位機種「Aquilion ONE / PRISM Edition」のほか,再構成ユニットの省スペース化を図った“Advanced intelligent Clear-IQ Engine-integrated(AiCE-i)”が,「Aquilion Prime SP / i Edition」「Aquilion Lightning / Helios i Edition」に搭載されている。AiCEでは,教師画像にMBIR(FIRST)を応用したデータを用いており,分解能を最大限に向上しながら高いノイズ低減効果が得られる。
(文責・編集部)
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