2020-4-23
被ばく線量管理システム「DOSE MANAGER」
富士フイルムメディカルの被ばく線量管理システム「DOSE MANAGER」は,医療機器から出力されるX線照射情報を一元管理し,検査における被ばく線量の最適化,患者への情報提供,被ばく線量情報の解析などを可能にする。2020年4月からの新たな法令に対応した線量管理が行えることはもちろんだが,CT,血管撮影装置,核医学だけでなくX線管球を搭載したモダリティをすべてカバーし,入射皮膚線量や“WAZA-ARI”とも連携して患者の“被ばく線量”をデータ化し,さまざまな線量情報を集約することで患者の被ばく線量を推定して一元管理し,医療現場での安心・安全な放射線検査の遂行を支援するシステムである。
DOSE MANAGERでは,1) 被ばく線量情報の自動収集として,撮影装置からのDICOM Radiation Dose Structured Report(RDSR)の受信,PACSに保存されたRDSRのQ/Rによる自動取得,MPPS(Modality Performed Procedure Step)など医療機器からの照射情報の取得管理が行える。
2) 被ばく線量データベースの構築では,RISと連携し医療情報(患者基本情報や身長,体重など)と照射情報の一元管理,施設独自の線量データベース(DB)の構築とそれを用いた臨床・研究への活用,DBで管理された照射情報からの患者ダメージ(被ばく線量)の算出などを可能にする。
3) 被ばく線量情報の活用では,検査単位でのDose Report(被ばく線量レポート)の作成,施設ごと・検査種別ごとの柔軟なReportフォームのカスタマイズ,作成した被ばく線量情報のRISや電子カルテシステムへの送信(XML形式),Japan-DIR(Dose Index Registry)構築プロジェクトへの参画などが可能となっている。
DOSE MANAGERはWebブラウザで参照が可能であり,院内の電子カルテやRIS,PACSなどの端末から診療放射線安全管理にかかわるスタッフが必要な被ばく線量データを素早く簡単に確認できる。被ばく線量情報の記録や管理にとどまらず,患者への的確な情報提供のためのシステムとして活用できる。
(文責・編集部)
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