2020-4-27
CBCT画像からワンクリックで血管を選択
●塞栓部位へのアプローチを容易かつ短時間でシミュレーションできる“Embo ASSIST”
GEの血管撮影装置は,ハイブリッド手術室用の「Discovery IGS 7」シリーズをはじめ,「Innova IGS 6」バイプレーンシリーズ,「Innova IGS 5」シングルプレーンシリーズの3シリーズがラインアップされ,目的に応じたサイズのFPDを用意している。これらの装置には,“ASSIST”と呼ばれるインターベンション支援アプリケーションが搭載される。その中でも注目すべきなのが,人工知能(AI)技術を用いたEmbo ASSISTだ。
最新アプリケーションのEmbo ASSISTは,画像処理ワークステーション「Advantage Workstation」のオプションとして提供される。GEのAIブランドである“Edison”のアプリケーションであり,AI開発環境の“Edison Platform”で開発された。血管塞栓術などのインターベンションにおいて,任意の血管上にカーソルを置くことで,そのカーソル位置と連続性のある血管のみにラインがリアルタイムに表示される“Virtual Injection”により,治療すべき血管を仮想的に視覚化し,塞栓部位へのアプローチをシミュレーションして手技を支援する。
例えば,脳動静脈奇形の塞栓術では,まずは血管撮影装置でコーンビームCT(CBCT)を撮影し,feeder,nidus,drainerを高精細に画像化した上で,Virtual Injectionを用いて血管走行を詳細に確認する。塞栓すべき血管は容易にターゲット化でき,かつ複数のターゲットを個々に保存することも可能である。手技中には,ターゲット化した血管を3Dロードマップとして,正面・側面の透視画像と重ね合わせて立体的な構造を確認しながら,デバイスを進められる。さらに,塞栓後には術前3D-DSA画像ならびに術後の塞栓物質をフュージョン治療することにより,治療の評価を行うことができる。
従来は複雑な血管構造を把握するために透視時間が長引き,かつ複数回の撮影を行っていため,被ばく線量や造影剤量の増大が課題となっていた。また,3D画像においても複雑な血管構造の解析処理に時間がかかっていた。Embo ASSISTはこれらの問題を改善し,速やかで高精度な治療を可能にする。
(文責・編集部)
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