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医用画像博覧会 2020 インフォコム - ヘルスケアIT 被ばく線量管理・記録など放射線部門の環境変化に対応し進化を続ける「iRad」シリーズ

2020-4-13

「iRad-RS」は専用サーバ不要で被ばく線量管理・記録が可能

「iRad-RS」は専用サーバ不要で
被ばく線量管理・記録が可能

●検像のリーディングカンパニーとして使い勝手と機能を追究した「iRad-QA」

放射線部門のシステムをトータルで手がけるインフォコムにとって,2020年の大きなトピックとなるのが,検像システムiRad-QAのリニューアルである。iRad-QAは,画像のシリーズの並べ替えやDICOMタグの編集,ウインドウレベル・ウインドウ幅の調整,CD・DVDの画像出入力などの機能を有している。放射線情報システム(RIS)の「iRad-RS」ともシームレスに連携し,画像データに不備があった場合も,速やかに再撮影の指示を行える。GUIにも工夫が施されており,リストにサムネイル画像を表示し容易に画像を確認できるようにして,検像作業の効率化を図れる。さらに,オプションで提供される“QA Anywhere”を導入することで,サーバ・クライアント型の検像システムとして運用することが可能だ。これにより,放射線部門内の各所にクライアントを設置したり,RIS端末をクライアントにしたりして検像作業を行える。RIS端末からの検像作業ができるようになるため,放射線部門全体の業務効率化にもつながる。
今回のバージョンアップでは,これらの優れた特長に加え,機能強化が図られた。その一つとして,QA Anywhereでは,指定した検像専用端末だけでなく,全検像専用端末の検像情報を一覧で参照できるようになった。また,画像の未転送を防ぐためにiRad-RSとの連携もさらに一歩進んでいる。これらの機能強化によって,検査の未転送を防ぎ,確実な検像業務を支援する。

●専用サーバ不要で被ばく線量管理・記録を行えるiRad-RS

2020年4月1日の「医療法施行規則の一部を改正する省令」の施行に伴い,医療機関では被ばく線量の管理・記録が義務化された。これを受けて,医療機関ではITを活用した被ばく線量管理・記録の需要が高まっている。インフォコムのiRad-RSもオプションで被ばく線量記録機能を提供しており,専用サーバを導入することなく容易に運用できる。PACSに保管された画像やモダリティの撮影画像からDICOM RDSR(Radiation Dose Structured Report)を取得して,iRad-RSの患者情報・検査情報とひも付けし,一元的に被ばく線量情報を管理。蓄積されたデータを書き出して,Excelなどで統計処理を行い,診断参考レベル(DRLs)などと比較するといった分析も可能だ。被ばく線量管理・記録の義務化の対象となっている核医学検査にも対応し,放射性医薬品の減衰計算により投与時の放射線量を記録できる。
iRad-RSは,電子カルテ・オーダリングシステムとシームレスに連携し,オーダの受付・情報登録から検査実施,会計情報の送信といった一連の放射線部門業務のワークフローの管理が可能。画面のレイアウトは,施設や利用者のニーズに応じてカスタマイズ可能で,優れた操作性を実現している。また,各種のデータを容易に二次利用できる“データピックアップツール”を搭載。さらに,核医学検査における放射性医薬品の発注から受け入れ,廃棄,法定帳票の出力までの一連のワークフロー,ミルキングなどの管理にも対応している。このほか,勤怠管理や部門ポータル,モダリティの点検管理・不具合記録,国立病院向けの共通統計出力などの機能で放射線部門の業務をサポートする。

「iRad-RS」は施設やユーザーのニーズに応じてレイアウトのカスタマイズが可能

「iRad-RS」は施設やユーザーのニーズに応じてレイアウトのカスタマイズが可能

 

●読影率集計や既読管理機能を搭載した「iRad-RW」

放射線レポーティングシステムのiRad-RWは,放射線科医の読影業務の効率化を図るための機能が用意されている。さらに,放射線科の読影業務を可視化し医療機関経営に寄与する機能や,昨今社会的な問題にもなっているレポートの見落としを防ぐ機能を採用。医療安全など,放射線部門内にとどまらず医療機関全体にメリットをもたらすシステムとなっている。
経営に寄与する機能としては,読影率の集計が挙げられる。画像診断管理加算2の施設基準では8割以上のレポートが翌診療日までに主治医に報告されることを要件としているが,iRad-RWは翌日までの読影率を容易に集計でき,施設基準をクリアするための業務管理を支援する。さらに,検査前の指示内容なども記録できるので,放射線科医の指示の下に画像を管理していることが要件となる画像診断管理加算3の算定にも有用である。
また,レポートの見落としを防ぐための既読管理機能として,院内にWeb配信するレポートに既読ボタンを設けている。検査の依頼医が電子カルテなどの画面からiRad-RWのレポートを展開し,内容を確認後に既読ボタンをクリックすることで,その操作を行った人物や時間の情報を記録。確実にレポートを参照していることをチェックできる。
このほか,iRad-RWは放射線科医のニーズに応じてレイアウト変更ができることに加え,シェーマをはじめとしたテンプレートなどのレポート作成支援ツールも用意されていて,放射線科医の負担を軽減する。さらに,各種の検索が可能な症例データベース機能を搭載しているのも特長である。

既読ボタンを設けて見落としを防止する「iRad-RW」

既読ボタンを設けて見落としを防止する「iRad-RW」

 

シェーマなどのテンプレートを豊富に用意してレポート作成を省力化

シェーマなどのテンプレートを豊富に用意してレポート作成を省力化

 

●放射線治療におけるチーム医療を考慮し情報共有のための機能を充実させた「iRad-RT」

放射線治療用RISのiRad-RTは,放射線治療医をはじめ,医学物理士,診療放射線技師,看護師,事務員などの多職種によるチーム医療を意識して開発されている。ポータル画面では,治療の状況や有害事象,画像,メモなどを一覧表示。各職種が速やかに参照して,情報を共有できるよう,見読性の高い画面レイアウト設計となっている。職種ごとに使用する機能が異なる放射線治療の現場を考慮し,ワークリストから治療計画CTの撮影オーダ発行や治療情報管理の画面などを必要に応じて展開できる。入力などの操作性にも優れており,ウィザード形式で治療情報管理登録や照射オーダの一括登録を行える。
また,iRad-RTは患者の顔写真を配置できるため,治療時に治療室の端末で顔写真による患者認証を行うことで,取り違えを防止。照射前には,画面上で体位や固定具などを参照しながら準備を進められるため,安全・安心の治療環境を構築できる。これに加え,“QA/QC管理機能”も搭載しており,高精度の治療を支援する。

多職種での情報共有を促進する「iRad-RT」

多職種での情報共有を促進する「iRad-RT」

 

●治療データの有効活用を可能する放射線治療ビューワ「RT Image Viewer」

インフォコムでは,放射線治療専用のビューワもラインアップしている。放射線治療ビューワRT Image Viewerは,iRad-RTとも連携し,DICOM RT形式の放射線治療データを保管することが可能。RT Image,RT Plan,RT Structure Set,RT Doseデータを扱え,外部照射だけでなく小線源治療にも対応する。DICIOM RT形式に対応していることから,治療装置,治療計画システムの更新にも柔軟に対応できる。ビューワの機能としては,ウインドウレベルとウインドウ幅の変更,スタック,ズームなどが行えるほか,DVH(Dose Volume Histogram)グラフ,MPR,Beam's eye View表示が可能である。また,iRad-RTとの連携により,画像診断用のPACS内のDICOM画像やデジタルカメラのJPEG画像なども参照できる。
このほか,他施設への紹介用のCD・DVDを出力することが可能。紹介先の施設は,メディアに収録されたビューワソフトウエアを用いてデータの閲覧が可能である。

DICOM RT形式対応の放射線治療ビューワ「RT Image Viewer」

DICOM RT形式対応の放射線治療ビューワ「RT Image Viewer」

 

(文責・編集部)

 
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社名:インフォコム株式会社 ヘルスケア事業本部放射線システム営業部
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