2020-4-13
2D/3D/4D表示が可能な
xMATRIXトランスデューサ「XL14-3」
フィリップスが,ユニバーサル・プレミアムと位置づける「EPIQ Elite」は,全身のさまざまな領域で最高の画質を提供する超音波画像診断装置として,2019年2月に発売された。24インチのHD MAXディスプレイを採用し,ビームフォーミング技術“nSIGHTイメージング”や次世代画像処理技術“XRES Pro”により,高解像度かつリアルタイム性の高い画像を描出する。ハイスペックなハードウエアだけでなく,臨床に有用な機能を搭載可能で,エラストグラフィの“ElastPQ/ElastQ”やフュージョン技術“PercuNav”などの肝臓向け機能,乳腺向けの“AI Breast”,心臓のストレイン解析“AutoStrain”など,各領域向けにソリューションが提供されている。
そして,2019年12月よりEPIQ Eliteに搭載可能なxMATRIXトランスデューサ「XL14-3」が販売開始となり,血管領域向けの機能強化が図られた。XL14-3は,5万6000個以上の素子が配列されたリニアマトリックスプローブで,高画質でリアルタイム性の高い2D/3D/4Dの画像を提供することが可能だ。
2D表示は,5万6000個以上の素子からなるxMATRIXにより,超薄型のスライスを実現。リアルタイム2断面表示では,血管の直交2断面イメージをフル解像度で完全に同期した状態で表示し,プローブを動かすことなく,トラックボール操作だけで表示する箇所を変えて観察することができる。直交2断面におけるカラードプラでの表示も可能だ。従来の1断面表示と比べて,同じ時間の観察で2倍の臨床情報を取得できることになり,頸動脈プラークなどをより迅速かつ詳細に評価することができる。3Dボリュームレンダリング画像や,時間軸を加えた4D表示,さらにパワードプラデータからCTAのような血管ボリューム画像を4Dで表示することもできる。
表示の切り替えやレイアウトの変更は,タッチパネルコンソールで直感的に操作することができる。3Dボリュームデータは,トラックボールやタッチパネル操作で自由に回転させて多方向から観察することも可能だ。XL14-3を用いた血管評価では,従来と比べて,多角的かつ多くの情報を迅速に取得できるため,現在は頸動脈プラークの評価法として多用されているMRIプラークイメージングに代わり,より素早く脳卒中リスクを評価できる可能性がある。また,他モダリティの検査を省略することができれば,医療コストの低減にもつながる。検査の短時間化によるスループット向上や,3D/4Dのわかりやすい画像が患者とのコミュニケーションツールにもなりうると期待される。
(文責・編集部)
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