2020-4-28
PET・CTの性能に影響するすべての部品を見直し
最先端技術が投入された「Biograph Vision」
●「Biograph Vision」は業界トップクラスのTOF時間分解能を実現
シーメンスは2018年11月,満を持して半導体検出器搭載のPET・CT「Biograph Vision」を発表した。PET・CTの性能に影響する部品のすべてを見直し,最先端の技術を投入。その象徴とも言えるのが,シリコン光電子増倍素子(Silicon Photomultiplier:SiPM)の半導体検出器である。これまでのPETの検出器には,光電子増倍管(PMT)が用いられてきたが,半導体検出器の開発により光検出効率が飛躍的に向上。電子回路の再設計などによって,214psという業界トップクラスのTOF時間分解能を実現した。さらに,TOFゲインは従来の2.5倍から6.2倍となり,SNRも大幅に向上する。また,高い検出感度を持つ半導体検出器の特長を生かして,撮像時間を短縮することで,被ばく低減も図れる。
加えて,LSOシンチレータも新たに設計された。クリスタルのサイズを従来装置の4.0mm×4.0mm×20mmから小型化。3.2mm×3.2mm×20mmとなったことで,高い空間分解能を得られる。
これらの新たな技術に加え,“FlowMotion”と呼ばれる速度可変型寝台連続移動技術を採用。リニアモータ駆動によりスムーズに動く寝台によって,1つの撮像プロトコルで複数の撮像を行える。FlowMotionは,撮像範囲をミリ単位で設定できるほか,部位ごとに画像収集モードを設定した全身撮影も可能。これにより,不要な撮像をなくすことができ,検査のスループット向上に寄与する。さらに,撮像モードとして,寝台を連続的に動作させ複数回往復させながら撮像を行い,連続収集したデータを動画像のようにして表示する“Whole Body Dynamic”も可能である。Whole Body Dynamicにより,生理的集積の動きを可視化することができ,診断精度の向上を図れる。
このほかにも,Biograph Visionは,78cmという広いガントリ開口径を確保。また,ガントリの長さは132mmの短い設計になっている。これにより 被検者の心理的な不安を軽減できる。
(文責・編集部)
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