2020-4-13
3D-SHAPERの解析結果画面例
●DXA測定データを基に定量解析を可能とするDXA三次元画像解析ソフトウエア「3D-SHAPER」
東洋メディック社は,dual X-ray absorptiometry(DXA)法による骨密度測定データから,骨粗鬆症治療に役立つより有効なデータを得るためのソフトウエアとして,GALGO MEDICAL社(スペイン)の3D-SHAPERの提供を開始した。現在,骨粗鬆症の診断は,DXA法を用いた骨密度診断測定がゴールドスタンダードとされている。しかし,DXA法は2Dデータのため,求められるのは面密度(g/cm2)のみであり,海綿骨と皮質骨を区別して解析することもできない。そこで,より詳細な構造のパラメータを取得するために定量的CT(QCT)が用いられるが,CTではDXA法の骨密度診断測定装置と比較して被ばく線量が多くなるほか,検査枠などの都合により骨粗鬆症に対してクリニカルルーチンでCT撮影をするのは困難である。
一方,3D-SHAPERは,DXA法で撮影された大腿骨2D画像から3D統計的モデルを用いて患者固有の3Dモデルを作成し,定量的CT(QCT)ライクの解析を行うことができる。海綿骨と皮質骨を区別して解析することが可能であり,皮質骨面積密度(g/cm2)はもとより,海綿骨体積密度(g/cm3)や全骨体積密度(g/cm3)などの解析も可能である。得られた結果について,海外ではすでに後ろ向きの検証が多数行われており,3D-SHAPER の解析結果はQCTと同等の精度が得られることが報告されている。また,これらの解析結果が,追加の検査やX線被ばくもなく得られることも大きなメリットである。
3D-SHAPERのアクセスユニットは3D-SHAPERソフトウエアをインストールしたミニPCとバックアップの外付けストレージで構成されており,ミニPCはLANケーブルによってDXA-PCと接続している。ホロジック社のX線骨密度測定装置「Horizon」などのデータを解析可能で,ソフトウエアがDXA法による大腿骨測定を監視して,2D解析終了後に自動的に3Dでの解析を開始する。通常の診療にて大腿骨の測定を行うだけで,自動的に解析結果が蓄積されるため,臨床研究に適したソフトウエアとなっている。
(文責・編集部)
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社名:東洋メディック株式会社
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