2016-7-15
東芝メディカルシステムズブース
東芝メディカルシステムズは,電子カルテやPACSなどの大中規模向けの病院ソリューション,電子カルテ・医事システムの診療所ソリューション,健診ソリューション,地域連携ソリューションを中心にヘルスケアITに対して総合的に提供できることをアピールした。また,正面の大型ディスプレイでは自治医科大学と共同研究を進めている人工知能を利用した診療支援システムを紹介したほか,ブース内で行われるプレゼンテーションをネット中継するライブストリーミングも行われた。
病院ソリューションでは,大中規模病院向け電子カルテシステム「HAPPY ACTIS」と医事会計システム「HAPPY RAPPORT」などを出展した。HAPPY ACTISでは,患者情報を一覧できる診療プラットフォームやクリニカルパス機能などで安心・安全の診療をサポートすることを紹介。また,HAPPY RAPPORTでは,会計情報の入力中でも画面を切り替えることなく,病名などの情報入力画面を表示できる操作性をアピールした。
診療所ソリューションでは,2015年9月に発売された診療所向け医事会計・電子カルテ一体型システムの「TOSMEC Aventy 2.0」を展示した。TOSMEC Aventy 2.0は,医事会計と電子カルテのほか,画像ファイリングの機能が統合されており,DICOM画像のほか,文書(PDF)やJPEG画像などを管理し,参照することができる。さらに,X線や超音波などの画像診断機器に患者情報を送信して自動入力が可能なMWM機能(オプション)を搭載していることも特長である。
地域連携ソリューションでは,地域医療連携システムの「HAPPY netty」を利用して,沖縄県南部の沖縄県立南部医療センターと離島診療所8施設(北大東,南大東,久高,粟国,渡名喜,渡嘉敷,座間味,阿嘉)とをネットワークする“なんこいネット”が稼働したことを紹介した。離島診療所から南部医療センターに紹介された患者の診療内容を診療所側でも情報参照が可能になる。
そのほか,施設内に分散している種々の医療情報を効率的に活用するためのソリューションであるVNA(vendor neutral archive)の日本市場への投入を進めていることもアナウンスされた。同社のVNAは,子会社である米国のVital Images社の「VioSuite」をベースにするもので,7月13日にはホスピタルショウのプレゼンテーションセミナーとして,Scott Galbari氏による「Vital社の欧米における医療データ統合・解析の取り組み」が行われた。
また,7月14日には「大学グループ病院を統合した次世代画像ネットワークシステムの取り組み」のセミナーが開かれ,小林泰之氏(聖マリアンナ医科大学)が講演した。東芝メディカルシステムズと共同開発を進めている,聖マリアンナ医科大学の4病院1クリニックを結んだ次世代PACSについて,画像表示だけでなく3D画像や解析,計測機能までを含めて同一の読影環境での構築をめざす概要を紹介した。