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ITEM2025 富士フイルム 取材速報 完全ヘリウムレスのMRIの新製品など市場をリードする製品群を多数投入しユーザーの課題解決に貢献

2025-4-12

富士フイルムグループブース

富士フイルムグループブース

2024年7月に富士フイルムメディカルと富士フイルムヘルスケアの国内営業部門を統合した富士フイルムグループは,新体制では初めてのITEM出展となったが,昨年と変わらずホールCとDにまたがる広大なブースを構えた。展示では,富士フイルム医療ソリューションズ,クライムメディカルシステムズと4社合同での出展となるが,CT,MRI,X線,マンモグラフィ,内視鏡,超音波などのモダリティ系,PACSや3D画像処理などITソリューションを含めて,医療,ヘルスケアのほとんどの領域をカバーする製品群をそろえた。
展示では,昨年のITEMで大きな話題を集めた完全ヘリウムレスのMRIの新製品「ECHELON Synergy ZeroHelium」をはじめ,CTや回診車,PACSなどで多くの新製品を展示して技術力をアピールした。

MRIでは,完全ヘリウムレスを実現した“ZeroHelium”に,新たに70cmワイドボアを搭載した1.5テスラ超電導MRIシステム「ECHELON Synergy ZeroHelium」が登場。昨年大きな注目を集めた「ECHELON Smart ZeroHelium」と合わせて実機(モックアップ)をブースの最前面に設置して来場者の高い関心を集めた。
ECHELON Synergy ZeroHeliumでは,ダウンタイムの削減や安定稼働への貢献,ビルなど設置性の向上などの特長に加えてEcoによって消費電力を40%削減している。さらに,AIを活用して開発された機能として,被検者見守りシステム「Synergy Vision」,体動によるアーチファクトを低減する「Visual StillShot」に加えて,ハーフスキャン画像再構成技術「DLR Symmetry」などの機能も紹介した。

完全ヘリウムレスで70cmワイドボアの「ECHELON Synergy ZeroHelium」を初披露

完全ヘリウムレスで70cmワイドボアの「ECHELON Synergy ZeroHelium」を初披露

 

昨年大きな注目集めた「ECHELON Smart ZeroHelium」はすでに全国で55台が導入

昨年大きな注目集めた「ECHELON Smart ZeroHelium」はすでに全国で55台が導入

 

短時間で高画質を実現するハーフスキャン画像再構成技術「DLR Symmetry」

短時間で高画質を実現するハーフスキャン画像再構成技術「DLR Symmetry」

 

CTでは,新製品として64列128スライスCTシステム「FCT iStream Plus」が展示された。FCT iStream Plusでは,SCENARIA View Plusに搭載されていたAIカメラを使ったAuto Positioningや心臓や体動による画像のブレを低減するCardio StillShotやBody StillShotの機能を搭載する。AI技術を活用して開発された自動化ソリューションによって検査効率の向上を支援する。Cardio StillShotでは,画像処理時に心臓の動きを推定し拍動による画像のブレを低減する。これによって心電図同期を使わない心臓検査も可能になることが期待される。

AI技術で検査ワークフローの向上と高画質化を可能にする「FCT iStream Plus」

AI技術で検査ワークフローの向上と高画質化を可能にする
「FCT iStream Plus」

 

画像ブレを低減して石灰化を描出するCardio StillShot

画像ブレを低減して石灰化を描出するCardio StillShot

 

Body StillShotで体動による画像ブレを低減

Body StillShotで体動による画像ブレを低減

 

X線撮影装置では,セカンドモニタやカメラアシスト機能を搭載した移動型デジタルX線撮影装置の新製品「FUJIFILM DR CALNEO Go iQ」を展示した。CALNEO Go iQでは,撮影支援機能としてセカンドモニタを搭載したタイプでは,撮影時に受診者情報や撮影メニューの参照,撮影条件の変更などが可能で,カメラアシスト機能によってライブビューを確認しながら位置合わせ指標を重ねて表示するX-ray Centering Navi機能を利用することで,病室などでの位置決めをサポートする。そのほか,DRパネルの収納部分に充電機能を搭載して回診時のバッテリ状態のチェックや交換などの心配を排除しているのが特長だ。

セカンドモニタやパネル充電機能などで撮影をサポートする「FUJIFILM DR CALNEO Go iQ」

セカンドモニタやパネル充電機能などで撮影をサポートする「FUJIFILM DR CALNEO Go iQ」

 

セカンドモニタやカメラアシスト機能,X-ray Centering Navi機能でポータブル撮影を支援

セカンドモニタやカメラアシスト機能,X-ray Centering Navi機能でポータブル撮影を支援

 

X線透視のコーナーでは,「CUREVISTA Open」「CUREVISTA Apex」で利用できる,ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)時の手技をサポートするソフトウエアとして,「VisualAID -ERCPプランニング-」を紹介した。ERCPプランニングでは,CTやMRCPの画像から肝臓,胃,膵臓,十二指腸の3D画像を作成し,CUREVISTAから取り込んだ透視画像と重畳表示することで,ERCP時の解剖学的構造の把握を容易にして手技を支援する。3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT」,X線透視装置のCUREVISTAシリーズ,そして内視鏡やその画像管理システムをすべて自社で持つ富士フイルムのアドバンテージを生かした製品だと言える。

X線透視システム「CUREVISTA Open」と「VisualAID -ERCPプランニング-」をアピール

X線透視システム「CUREVISTA Open」と「VisualAID -ERCPプランニング-」をアピール

 

ERCPプランニングでは3D画像を透視画像に重畳して手技を支援

ERCPプランニングでは3D画像を透視画像に重畳して手技を支援

 

ITソリューションでは,AIプラットフォーム「SYNAPSE SAI viewer(以下,SAI viewer)」の最新バージョンの機能,SYNAPSE SAI viewerと連動するビューワ一体型読影レポートシステム「SYNAPSE SAI Report(以下,SAI Report)」の新機能を中心に来場者に紹介した。また,3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT」についても最新バージョンで追加された機能を中心に展示した。SAI viewerでは,これまでCTを中心に展開してきたAI技術をMRIへと拡大しており,頭部MRIの新機能として「頭部SAIフィルタ」「脳区域ラベリング」「MRA脳抽出」を紹介した。頭部SAIフィルタでは,MRIの画像データから画像種を含めて自動認識して自動でフィルタを選択して処理を行う。FLAIR画像では高信号領域を,T2*強調画像から低信号領域を抽出する。脳区域ラベリングでは,非造影T1強調画像から脳の111の区域分けをしてラベリング(色づけ)を行う。教育的な面を含めて脳疾患の読影を支援する機能である。

SYNAPSE SAI viewerの頭部SAIフィルタと脳区域ラベリング

SYNAPSE SAI viewerの頭部SAIフィルタと脳区域ラベリング

 

SAI Reportでは,ビューワ一体型のレポートシステムとして,SAI viewerと連動した機能が強化されている。読影者の視線を動かさない機能として,SAI viewer上に計測結果や所見候補文を入力するボックス表示され,そこで入力するとSAI Reportの所定の所見欄に反映される。また,SAI Reportでは,自然言語処理AI技術を用いて自然入力された所見文を構造化してデータベース化し,詳細な条件設定で所見内容の検索を可能にして研究や教育を支援する。また,所見作成時の左右の入力ミスを,画像認識の結果と照合して記載ミスに注意を促す機能も搭載された。さらに,通常のWeb参照レポートを基に動画やレーダーチャートなどを加えたレポートを自動で生成するマルチメディアレポートの機能も紹介した。

SYNAPSE SAI Reportに搭載された所見文の構造化データベース機能

SYNAPSE SAI Reportに搭載された所見文の構造化データベース機能

 

所見の左右の入力ミスをチェックして注意を促す

所見の左右の入力ミスをチェックして注意を促す

 

動画やレーダーチャートなどを加えたマルチメディアレポートを自動生成

動画やレーダーチャートなどを加えたマルチメディアレポートを自動生成

 

SYNAPSE VINCENTでは,手術支援の機能の強化,AI技術を活用した画像解析機能の強化などを図った。手術支援では,画像変形機能の搭載でさらにリアルなシミュレーションを実現し,血管の結紮機能によって血管の新しい表現が追加され術前シミュレーションの精度が向上している。解析機能ではCTの冠動脈領域,非造影肺動静脈分離の画像認識エンジンが改良され,新たに頭部MRAの認識術が搭載された。展示では,椎体のBone Imageにおける骨抽出機能などを紹介した。そのほか,冠動脈・バイパス認識,非造影PAPV,脳動静脈分離などが改良され,頭部MRAの区域分割,MRCPの胆管抽出が可能になった。

SYNAPSE VINCENTの血管結紮シミュレーション機能

SYNAPSE VINCENTの血管結紮シミュレーション機能

 

肺野の変形シミュレーション

肺野の変形シミュレーション

 

椎体のBone Imageにおける骨抽出機能

椎体のBone Imageにおける骨抽出機能

 

●お問い合わせ先
・富士フイルムメディカル
社名:富士フイルムメディカル株式会社 営業本部マーケティング部
住所:〒106-0031 東京都港区西麻布2-26-30 富士フイルム西麻布ビル
mail:shm-fms-event@fujifilm.com
URL:http://fms.fujifilm.co.jp/