2025-5-2

チョコレートを感じさせる
スイートなデザインのJpiジャパンブース
Jpiジャパンは,ITEM2025の展示ブースを「レトロなチョコレートショップ」をイメージしたデザインで構成した。毎年,さまざまな意匠を凝らしたブースデザインで来場者を楽しませる同社だが,今年は日々つらく厳しい状況が続く中で,少しでも甘く楽しい時間を過ごしてほしいという願いを込めたものだ。ほかにもスタッフがセルフIDを書いたカチューシャを身につけるなど,来場者を楽しく迎えたいというホスピタリティにあふれた展示を展開した。同社は,X線撮影関連製品、放射線防護製品、線量測定・品質管理(QA/QC)機器など、放射線科の撮影や精度管理などの業務をサポートするさまざまな製品を扱っている。展示では,X線防護製品,X線撮影用グリッド,FPD撮影用保持台,面積線量計,放射線用QA/QC機器など放射線科の撮影室で使用する多様な製品群を展示した。

ブース内のディスプレイもチョコレート風味
●医療者を腰痛から守る「BackSaver」,頭部の被ばくを軽減する「BrainSaver」などの防護製品を展示
Jpiジャパンが取り扱うUniRay社のX線防護衣は,無鉛新素材の「KRYPTOLiTE(クリプトライト)」を使用した軽さ,温度調節素材「Outlast」を採用した快適性を備え,コートエプロンのほかセパレートタイプ,ダブルサイドエプロンをそろえ,豊富なカラーやデザインから選べるのも特徴だ。今年のブースでは,UniRay社のX線防護衣の新製品として,メンブレン加工と腰ベルトを組み合わせてエプロンの重さを分散させることで医療従事者の腰を守る「BackSaver(バックセーバー)」エプロンをアピールした。BackSaverは,従来のエプロンに内蔵ベルトをプラスすることで,腰でのホールドを可能にし,さらにメンブレン加工による浮力効果でエプロンの重さを分散する。これによって肩・背中・脊椎への負担を最大50%軽減して快適に着用できるようにした。モデルとして,使用シーンに合わせて両面防護のスカート&ベストやダブルサイドエプロン,前面防護のコートエプロンをそろえている。
また,術者の頭部をX線から守る防護ハットの新製品として,「BrainSaver(ブレインセーバー)」を展示した。BrainSaverは,従来の防護ハットと比べてKRYPTOLiTEを使用して生地の軽量化を図り,耳の後ろまでカバーして側頭葉への被ばくを低減している。さらに,軽量化だけでなく,冷却生地(Outlast)を採用して熱や発汗による不快感を軽減して術者をサポートする。

メンブレン加工と腰ベルトで重さを分散する超軽量X線防護衣「BackSaver」

従来のエプロンに内蔵ベルトをプラスして重さを分散して腰への負担を軽減

頭部を防護する「BrainSaver」は,軽量で冷感生地を採用して術者をサポート
●中尺・長尺のFPDに対応した68cmの「JPI中尺グリッド」をアピール
Jpiジャパンの本社であるJPIヘルスケア(韓国)は、X線用グリッドの開発・製造を主な事業としており,アルミ,ファイバー,カーボングラファイトなどさまざまな種類のグリッドを提供している。「JPI中尺グリッド」は,近年増えつつある中長尺サイズのFPDに対応するグリッドで,特徴はアルミグリッドの製造サイズを70cm角に拡大することで,グリッドのつなぎ目を中心部分から肩や腰側に移動して,診断を妨げずに最適な画像を提供できることだ。全脊椎などを1回の撮影でカバーするため,各社から中尺・長尺のFPDが発売されているが,従来のグリッドは最大でも50cmの大きさで長尺サイズの製品を作る際には2枚のグリッドを組み合わせるため,パネルの真ん中につなぎ目が入っていた。JPI中尺グリッドでは,製造ラインから見直すことで最大70cmのグリッドの製造を可能にした。これによってつなぎ目の位置を診断に影響の少ないサイド側に移動することが可能になった。

中尺や長尺サイズのFPDに対応するグリッドを展示

ハンドル付きの中尺FPD用「エンラージグリッド」(460mm×640mm)
●X線の照射野を高精度で測定できるデジタル測定器「QUART nonius」
Jpiジャパンでは,さまざまな放射線用QA / QC機器,面積線量計やAECなどを扱っている。今回のブースでは,世界で初めて検出器に半導体を導入した実績を持つQuart社(ドイツ)のデジタル式X線照射野測定器「QUART nonius」を紹介した。QUART noniusは,従来,フィルムなどを使って行っていたX線プロファイル測定を4cmに直線配列された16個の半導体検出器でデジタルで測定する。重さ190g,50×72×13mmと軽量,コンパクトサイズで,測定項目としてはX線照射野の閾値,CTにおけるファンビーム幅,トモシンセシスの照射の移動量,放射線治療の適用範囲などとなっている。取得された測定データは付属のソフトウエアに取り込むことで,波形グラフで可視化,定量化できる。0.1mm以下の精度で測定が可能で,適切なX線照射によって不必要な被ばくを防ぐことに寄与する。

X線照射野をデジタルで高精度に測定可能な「QUART nonius」
●お問い合わせ先
社名: Jpiジャパン株式会社
住所:〒124-0004 東京都葛飾区東堀切3-11-2 Jpi Gビル
TEL: 03-6686-7909
URL:http://www.jpij-med.co.jp/