2026-5-11
アンフォースレイセイフと
長瀬ランダウアのブース
医療従事者および患者の不必要なX線被ばくの低減に貢献するX線測定器などを中心に取り扱っているアンフォースレイセイフは,今年も長瀬ランダウアと共同でブースを出展した。今回のブースで特徴的だったのは,壁面にルタテラ*特別措置病室と放射線 / 各種検査室のイメージが描かれ,それぞれのエリアで使用可能な製品の写真も掲示したことで,各エリアでどの製品が役立つかを来場者が直感的に理解できるようになっていた。また,製品の展示スペースには,特に強く打ち出している製品を実物大よりも大きなパネルとして掲示。アンフォースレイセイフの展示スペースではハイブリッドサーベイメータ「RaySafe 452」が,長瀬ランダウアの展示スペースでは個人および環境用被ばく線量計「ルミネスバッジ」のパネルが掲示され,ブース前を通る来場者の目を引いていた。さらに,両社は今回,ITEM 2026展示エリア内の特設テーマパネル展示にも出展し,自社ブースと併せて製品をアピールした。
*ルタテラ:ノバルティスファーマ社製。一般名:ルテチウムオキソドトレオチド(Lu-177)
壁面には特別措置病室で「RaySafe 452」が活用されている様子をイメージ
アンフォースレイセイフの展示スペースでは「RaySafe 452」,長瀬ランダウアの展示スペースでは「ルミネスバッジ」のパネルを大きく掲示
●サーベイメータ:ルタテラ特別措置病室におけるハイブリッドサーベイメータ「RaySafe 452」の有用性をアピール
放射線医薬品による治療を受けている患者は,ほかの患者や放射線診療従事者などの放射線防護の観点から,原則,放射線治療室に入院することが医療法施行規則で規定されているが,適切な防護措置や汚染防止措置を行った場合は一般病室(特別措置病室)への入院が可能である。日本医学放射線学会・日本核医学会などによる「ルテチウムオキソドトレオチド(Lu-177)注射液を用いる核医学治療の適正使用マニュアル」によると,Lu-177によるソマトスタチン受容体陽性の神経内分泌腫瘍治療における特別措置病室からの患者の退出基準は,患者の体表面から1mの点における1cm線量当量率が18μSv/h以下とされているほか,特別措置病室の汚染検査にはGM計数式サーベイメータによる探索が推奨されている。そこで,アンフォースレイセイフの展示では今回,ハイブリッドサーベイメータRaySafe 452を大きく打ち出し,来場者の新たなニーズの掘り起こしをねらった。
RaySafe 452は,半導体式検出器とGM管式検出器を備え,附属のフタの脱着のみで空間線量測定や表面汚染測定が可能である。特別措置病室においては,指定前の室内線量率や退出時基準の測定には電離箱式サーベイメータ,表面汚染測定にはGM管式サーベイメータの2種類が必要となるが,RaySafe 452ではそれらを1つにまとめることができる。フタを付け替えると本体側が検出器を自動認識するため測定者が設定を行う手間もなく,電源を3秒長押しすることで高速に起動し,すぐに測定を開始。RaySafe 452を三脚に固定して測定することもできるため,空間線量分布測定においては効率的な測定が可能だ。RaySafe 452は,重量が800gと軽量で,片手でも電源のON / OFFや測定値の保存,保存した値の確認などが行える。背面の大型ディスプレイは視認性に優れ,室内の明るさを問わず測定結果が明瞭に表示される。測定結果は4000回分を任意のタイミングで本体に保存できるほか,本体とPCを接続し,専用の線量ビューワで詳細な解析も可能である。
なお,今回の展示では,RaySafe 452のユーザーによるルタテラ特別措置病室での使用経験をまとめた資料も配付され,RaySafe 452の有用性がわかりやすく紹介された。
このほか,サーベイメータは,電離箱式の「Fluke 451」が展示された。
半導体式検出器とGM管式検出器を備えたハイブリッドサーベイメータ「RaySafe 452」
ユーザーによる「RaySafe 452」の活用事例を資料で紹介
電離箱式サーベイメータ「Fluke 451」
●診断装置用X線測定器:複数モダリティに対応するセンサををラインアップし,優れた測定精度と操作性を両立する「RaySafe X2」を中心に展示
診断装置用X線測定器は,主力製品のRaySafe X2を中心に展示が行われた。RaySafe X2はコンパクトかつスマートフォンのような直感的なインターフェイスと優れた測定精度を両立した診断用X線装置の品質保証(QA)・品質管理(QC)用測定器である。一般撮影・透視用の「R/Fセンサ」,CT用の「CTセンサ」,マンモグラフィ用の「MAMセンサ」,モニタなどの輝度・照度測定用の「ライトセンサ」,漏洩線量・散乱線量測定用の「サーベイセンサ」をラインアップしており,フルモダリティに対応することが大きな特長だ。センサをUSBでベースユニットに接続すれば自動で認識され,センサに応じた測定が可能となる。測定範囲の選択や特殊なモード設定は極力削減されているため,X線が当たる位置にセンサを置き,ベースユニットの電源を入れてセンサにX線を照射するだけで自動で測定が行われるなど,簡単に使用することができる。なお,特定ニーズ向けの「RaySafe X2 Solo」は,一般撮影装置および透視装置用の「RaySafe X2 Solo R/F」と歯科用X線装置用の「RaySafe X2 Solo DENT」がラインアップされており,RaySafe X2と同様の使い勝手で使用可能だ。
これらのほか,X線測定器としては,ポケットサイズの「RaySafe ThinX」も展示された。測定器にX線を照射すると,自動で電源がオンになって測定を開始し,線量,線量率,管電圧(kVp),半価層(HVL)などの基本的なパラメータを同時に測定することができる。各種測定値は液晶画面に表示され,非動作状態が2分半以上続くと電源が自動でオフになる。各種設定やレンジの選択などは不要で,ボタンやメニューもないため非常に使い勝手が良く,さらにバッテリー寿命が1年以上あるため,ほぼメンテナンスが不要な点も,ユーザーに高く評価されている。
診断用多機能型X線測定器「RaySafe X2」(左)と特定ニーズ向けの「RaySafe X2 Solo」(右)
ポケットサイズの多機能X線測定器「RaySafe ThinX」
ユーザーによる「RaySafe ThinX」の活用事例を資料で紹介
●個人線量計:医療スタッフの被ばく回避などに貢献するリアルタイム被ばくモニタリングシステム「RaySafe i3」
RaySafe i3は,リアルタイムディスプレイと小型かつ軽量な個人線量計(PDM)4個(標準),個人線量計に記録された被ばく状況を解析するためのPC用ソフトウエア「DoseViewer」(標準)および「DoseManager」(オプション)で構成されるリアルタイム被ばくモニタリングシステムである。PDMをポケットなどに装着するだけで,1秒ごとの個人線量当量率と累積個人線量当量率をリアルタイムに測定・記録することができる。測定データは無線でリアルタイムディスプレイに転送され,最大8人の被ばく状況がバーグラフで個別にわかりやすく表示される。また,データは,時・日・週・月・年など,必要に応じた形式で表示することができる。保存されたデータは,PCに取り込み,専用ソフトウエアを用いて一定期間の総被ばく量の表示や経時的なトレンド解析なども可能だ。
医療処置に伴う放射線被ばくのうち,特にIVRの被ばく量の多さが課題となっており,さまざまな防護対策が行われている。医療従事者自身が手技中に適切な被ばく回避行動を取ることも重要となるが,RaySafe i3では,個人の線量情報をリアルタイムディスプレイのタッチ操作で簡単に確認できるため,各自が被ばく回避行動を取る際の助けとなり,不要な被ばくを抑制する上での有用性が期待される。ブースでは,ユーザーによるRaySafe i3の活用事例が資料で紹介された。
リアルタイム被ばくモニタリングシステム「RaySafe i3」
ユーザーによる「RaySafe i3」の活用事例を資料で紹介
●長瀬ランダウア:現在開発中の鉛フリーX線遮蔽エプロンや,サイズがわずか約1cm × 1cm,重さ0.13gの小さな線量計を参考出品
長瀬ランダウアのコーナーでは,同社の主力サービスである個人被ばく線量測定「ルミネスバッジ」や,鉛フリーレンズを使用したX線遮蔽メガネ「V-tect」などが中心に展示された。
ルミネスバッジは,医療施設,研究施設,工業分野など,放射線を取り扱うさまざまな施設などで利用されている。0.01mSv〜10Sv(X線,γ線)までの広範囲な線量を測定可能で,個人線量はもとより,漏洩線量測定などの環境用としても使用することができる。
一方,V-tectは,眼を側面まで覆う形状になっており,ユーザー自身が側面部分に遮蔽材(ビスマスシート)を貼り付けることで,側方からの散乱線を効果的に遮蔽することができる。オーバーグラスタイプのためメガネの上からの装着も可能なほか,ヘッドバンドやズレ防止ゴムなどによって快適に使用することができる。
これらのほか,開発中の製品として,軽量な鉛フリーX線遮蔽エプロン「Aero-tect」や,サイズがわずか約1cm × 1cm,重さ0.13gの小さな線量計「OSLpico」および「picoReader」などが参考出品された。
軽量な鉛フリーX線遮蔽エプロン「Aero-tect」(参考出品)
鉛フリーレンズを使用したX線遮蔽メガネ「V-tect」(左)と小さな線量計「OSLpico」および「picoReader」(参考出品)
●お問い合わせ先
社名:アンフォースレイセイフ株式会社/ 長瀬ランダウア株式会社
住所:東京都港区港南2-15-2品川インターシティB棟6階/ 茨城県つくば市諏訪C22街区1
TEL:03-4540-4009/ 029-839-3322
URL:Fluke Biomedical | Raysafe
https://www.nagase-landauer.co.jp/
