2012-11-28
FPD搭載血管撮影システム「Trinias F12」
RSNA2012 [第3日目:11月27日(火)]
島津は,日本国内ではITEM2012で発表され,9月に販売が開始された12インチ × 12インチFPD搭載血管撮影システム「Trinias F12」(FDA未承認)が,RSNA初出展となった。1台で,心臓から,末梢血管,頭腹部などの検査に広く対応する“CROSSOVER System”として,米国では,2013年初頭の発売を予定している。
対応アプリケーション(オプション)としては,一度の撮影でアーチファクトのないDSA画像を得られる“RSM-DSA”や,拍動で動くステントをリアルタイムに強調して固定表示する“DynamicStentView”などを紹介。これらのアプリケーションは,その臨床的有用性の高さから,対応可能な装置を導入する多くの施設が導入しているという。
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日本国内では来春のリリースを予定しているFPD搭載X線テレビシステム「Sonialvision G4」(FDA未承認,日本国内薬事認証済)は,消化管検査から整形外科領域の一般撮影,泌尿器検査まで対応できるシステム。X線テレビシステムを導入する施設では,消化管検査での使用をメインとしているが,他の検査も行えるようにすることで利用効率を高めたいというユーザーの声を反映して開発された。
島津の最上位機種「SONIALVISION safire」の技術を取り込んでおり,低い位置まで下げられるテーブルや,被検者が移動することなく頭から足先までを撮影できるように,映像系がテーブルの端まで移動するなど,被検者の負担軽減が図られている。また,泌尿器検査などで被検者の頭側に医師が立つ場合に,頭側のテーブルの位置を動かさずに足側を動かす新しいモードも搭載され,医師の検査施行を支援する。
高速リアルタイム画像処理機構SUREengineの機能を高め,ワイドレンジの画像をダイナミックレンジ圧縮することで,コントラストの良好な画像を得ることができる。また,被ばく低減にも配慮されており,テーブルのグリッドは着脱可能なため,小児撮影などの場合には,グリッドをはずしての低被ばく検査にも対応する。
アプリケーションとしては,幅の狭いX線ビームを被検者に対して直角に照射することで,ゆがみのない長尺撮影が可能なスロットラジオグラフィの搭載を予定している。
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一般撮影装置では,ワークフロー向上と低被ばくを追究した「RADspeed V4」(FDA未承認,日本国内薬事認証済)を初展示した。
コンソール1台で,撮影パラメータ,画像観察パラメータの設定,患者情報の入力などを行うことができる。また,検査室情報表示モニタ(オプション)を設置することで,検査室内での操作,画像確認も可能となる。X線管球の前面モニタにも確認用画像を表示することができ,その場で位置ズレの有無を確認できるなど,トータルワークフローの向上が図られている。
また,X線コリメータ,被ばく低減フィルタ,グリッドの着脱などにより,被ばく低減への配慮もなされた装置となっている。
オプションで,長尺撮影スタンドやX線条件を設定するダイヤル式コンソールの組み合わせも可能で,X線管球,テーブル,立位スタンドを基本構成に(テーブルのみ,立位のみも可),ユーザーの目的,要望にそった構成が可能となっている。日本国内では,2013年のリリースを予定している。
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ブースの一角に設けられた,先進的な独自のアプリケーションを紹介するトモシンセシスコーナーでは,蓄積されつつある臨床データを示して,トモシンセシスの有用性を来場者にアピールした。トモシンセシス画像処理のアルゴリズムに,逐次近似法とメタルアーチファクト除去技術を融合した“T-smart”(FDA未承認)も発表され,来場者の関心を集めていた。
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