2019-12-2
ブースの正面のモニタを使って
“Collaborative imaging”を大きくアピール
RSNA 2019 Collaborative imaging
Canon USA Inc.(キヤノンメディカルシステムズ)は,昨年のRSNA2018に続いて,患者中心の新しいケアをさらに進化させるコンセプトである“Collaborative imaging”をプレゼンテーションした。今回は,ブース正面に設置した3面の大きなモニタでコンセプトを繰り返しアピールし,内容についても欧州(ECR2019),日本(ITEM2019)でのフィードバックを得て,さらに最適化が進められている。
Collaborative imagingは,キヤノンメディカルシステムズが持つCTやMRI,超音波などの超高精細画像技術,ヘルスケアITソリューション,そして,機器の管理や病院経営をサポートするサービスを,それぞれCLINICAL,OPERATIONAL,FINANCIALの3つの“Value”として提案するもの。それぞれが画像(imaging)をキーにして連携することで,超高齢社会で病院や患者が抱えるさまざまな課題を解決に導くコンセプトである。
RSNA2019では,CLINICALの領域で従来の“Neurology” “Cardiology” “Oncology”に加えて,新たに“MSK(整形)”が加わった。整形領域では,例えばAquilion ONE / GENESIS Editionによる膝関節の動態観察,MRIの“KneeLine+”による検査時間の短縮,Aplio i800の高精細Bモード画像と超高周波プローブによる筋肉の動態の観察や浅部領域の腫瘍の描出,さらに,定量化では“4D Orthopedic Analysis”でCT画像から関節の可動域が数値で示され,アスリートの競技復帰の判断材料になることなどが紹介された。
OPERATIONALでは,HITコーナーで展示された“Automation Platform”で解析とワークフローを自動化するCAD/t(トリアージ)によって,放射線科における診療放射線技師をサポートすることで,業務改善や働き方改革につながることをアピールした。
FINANCIALでは,日本国内で数万台の装置のインストールベースを持つキヤノンメディカルシステムズが提供する高いレベルの機器管理のサービスを,アメリカで“e-Watch”として展開していることを紹介。オンラインによってバッテリーの状態,温度,湿度など深い階層まで監視し,遠隔見守りなどと連携して高度で効率的なメンテナンスを可能にする。医療機器の故障や障害は,病院の経営リスクに直結するだけでなく,診療現場のスタッフや患者にも影響が大きいため,キヤノンメディカルシステムズが持つ信頼性の高いサービスをワールドワイドで展開する。また,Analyticsでは,VNA(Vendor Neutral Archive)に蓄積された膨大なデータから,MRIのシーケンスごとの使用頻度やコイルの使用状況など,検査の使用状況を詳細に深掘りすることができるソリューションを持っている。これらは逆に,海外ですでに多くの実績があり,日本の展開はこれからだが,海外での豊富な事例を基にサービスを提供できることがアドバンテージになる。
2020年以降の事業再編を含めて,患者のケアを次のステップに進めるために“One Canon”でのソリューションの提供が可能なことをアピールした。