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Signa甲子園2025 第20回記念大会が盛大に開催

2025-12-15

Signa甲子園2025 第20回記念大会の「匠の技」「Signaの小技」の受賞者〔写真左から高田雅士氏(倉敷中央病院),岡田敦彦氏(国立循環器病研究センター),久米勇人氏(岡崎市民病院),木下友都氏(上尾中央総合病院),真野 忍氏(宇部中央病院)〕

Signa甲子園2025 第20回記念大会の「匠の技」
「Signaの小技」の受賞者
〔写真左から高田雅士氏(倉敷中央病院),
岡田敦彦氏(国立循環器病研究センター),
久米勇人氏(岡崎市民病院),
木下友都氏(上尾中央総合病院),
真野 忍氏(宇部中央病院)〕

GEヘルスケア・ジャパン(株)のMRIユーザーイベントSigna甲子園2025 第20回記念大会が2025年12月13日(土)、TKPガーデンシティPREMIUM横浜西口ホールC(神奈川県横浜市)で開催された。会場とWeb配信を併用したハイブリッド形式で,現地参加とオンライン参加合わせて約300人が参加した。Signa甲子園は2005年に東日本のユーザー限定の大会として始まり,同社のMRIユーザーが撮像技術を競い,共有するイベントとして発展してきた。新型コロナウイルス感染症により開催できない年もあったが,今回で20回目という節目を迎えた。これまで220以上の演題が発表され,64名が受賞しており,同社のMRIユーザーにとって重要なイベントになっている。
冒頭,加藤公一氏(GEヘルスケア・ジャパンMR部部長)と世話人のかけ声で開会が宣言され,第1部の「匠の技」コンテストへと進んだ。このコンテストは,撮像技術やテクニックについて臨床実用性、汎用性、画質を審査項目として評価する。全国15のユーザーミーティングの予選を勝ち抜いた6演題の発表が行われた。続いて,第2部として簡単なアイデアで検査の質や効率を向上させる「Signaの小技」と銘打ったコンテストへと続き,こちらも6演題の発表があった。

Signa甲子園2025 第20回記念大会世話人〔写真左から飯島 竜氏(上尾中央総合病院),粂 一矢氏(東京都健康長寿医療センター),笹原大輝氏(川崎幸病院),片岡義貴氏(聖隷佐倉市民病院),大塚勇平氏(東海大学医学部付属病院八王子病院)〕

Signa甲子園2025 第20回記念大会世話人〔写真左から飯島 竜氏(上尾中央総合病院),粂 一矢氏(東京都健康長寿医療センター),笹原大輝氏(川崎幸病院),片岡義貴氏(聖隷佐倉市民病院),大塚勇平氏(東海大学医学部付属病院八王子病院)〕

 

開会の挨拶をする加藤公一 氏(GEヘルスケア・ジャパン MR部部長)

開会の挨拶をする加藤公一 氏
(GEヘルスケア・ジャパンMR部部長)

 

「匠の技」コンテストは,「止められない患者に止めない選択肢を。〜FIESTA×Multiple NEXによる自由呼吸下心臓CINE の可能性~」を発表した久米勇人氏(岡崎市民病院)が金賞の栄誉を獲得した。久米氏が開発した心臓シネMRIの撮像法である「Flexicine」は,小児や高齢者,心疾患患者など息止め困難例でもモーションアーチファクトを抑えた良好な画像を取得することが可能である。また,銀賞は,木下友都氏(上尾中央総合病院)(演題名 「ARES-MRCP Artifact REduction via Speed Enhancement for MRCP」,銅賞は岡田敦彦氏(国立循環器病研究センター)(演題名「GIRAFFE~頸部プラーク検査に石灰化病変を見る力を~」)が受賞した。

「匠の技」コンテスト金賞の久米氏(写真中央),銀賞の木下氏(写真右),銅賞の岡田氏

「匠の技」コンテスト金賞の久米氏(写真中央),銀賞の木下氏(写真右),銅賞の岡田氏

 

「Signaの小技」コンテストは,「MAP-MS Merged t2 star weighted mr Angiography and filtered Phase image for Multiple Sclerosis」を発表した木下氏が金賞に輝いた。本演題では,多発性硬化症の診断におけるCVS(中心静脈サイン)とPRL(常磁性リム)の描出能を改善し,診断精度向上に寄与する撮像法であるMAP-MSが紹介された。銀賞は真野 忍氏(宇部中央病院)(演題名「閉塞血管を可視化! 血栓回収術前“0秒”スキャン」),銅賞は高田雅士氏(倉敷中央病院)(演題名「Phase FOVとFlexible No Phase Wrapの活用」)が受賞した。

「Signaの小技」コンテスト金賞の木下氏(写真中央),銀賞の真野氏(写真右),銅賞の高田氏

「Signaの小技」コンテスト金賞の木下氏(写真中央),銀賞の真野氏(写真右),銅賞の高田氏

 

このほか,第3部では五十嵐太郎氏(GEヘルスケア・ジャパン MR本部)が,11月30日(日)〜12月4日(水)に開催されたRSNA 2025での展示内容を報告した。五十嵐氏は,RSNA 2025で披露された傾斜磁場強度が最大80mT/m,スリューレートが200T/m/s のハイパワー3T装置「SIGNA Bolt」(薬機法未承認)と,ヘリウム量を約99%削減しクエンチパイプを廃した1.5T装置「SIGNA Sprint with Freelium」(薬機法未承認)を紹介。さらに,AIによる自動化を図った新しいユーザーインターフェイス「SIGNA One」,最新ソフトウエアの「MR 31」について解説した。また,第20回記念大会の特別企画として,全員参加型クイズ「知識と歴史の頂点へ! Signa王 2025」が行われ,会場は大いに盛り上がった。
すべてのプログラム終了後には,松岡真一氏(GEヘルスケア・ジャパンイメージング本部長)が挨拶に立ち,MRIは撮像の工夫が画質に影響するモダリティであり,今後もユーザーとともに技術を育てていきたいと述べて記念大会を締めくくった。

松岡真一 氏(GEヘルスケア・ジャパン)

松岡真一 氏(GEヘルスケア・ジャパン)