2019-2-7
ヘカバイオ(株)は,独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)にα(アルファ)粒子線によるAlpha DaRT(アルファ・ダート)の治験計画届書を提出した。これにより,2019年5月を目途に放射線治療の既往がある再発性の頭頸部がん,及び,放射線治療の既往があり内科的治療非奏功で他に治療の選択肢がないと判断された再発性・難治性の乳がんの患者さんを対象に,国内臨床試験を開始する予定。
日本においてAlpha DaRTは,従来の放射線治療と異なる新しい治療法であり2021年の市場導入を目指して開発を進めている。
Alpha DaRT は海外臨床試験で高い奏効率を発揮 - 完全奏効率73.3%,反応率100%
(2018年米国放射線腫瘍学会にて発表)
Alpha DaRTはイスラエルのAlpha Tau社が開発し,昨年のイスラエル及びイタリアにおける頭頸部がんを対象とした臨床試験において優れた治療効果を示した。欧州において昨年10月に既にCEマーク認証申請済み(患者数15例,経過観察期間30~45日間;完全奏効率73.3%,反応率100%)。なお被験者の忍容性は良好であった。
AlphaDaRT - α粒子線による新たな放射線治療
AlphaDaRTは,α粒子を放射するシードを固形腫瘍に留置することにより,シード周囲のがん細胞を死滅させる治療法。これまでの放射線治療(X線,γ線治療)では治療効果が低い或いは期待できない腫瘍,すでに放射線治療を施した腫瘍,化学療法で治療効果が得られなかった腫瘍に対しても効果が期待できることが最大の特長である。また,従来のがん治療との併用や,腫瘍周辺健全組織に対する影響を最小限に抑えることが期待されるため,患者さんへの負担が少ない治療を目指すことができる。なお,AlphaDaRTによる治療は,基本的に入院を必要としない。
●問い合わせ先
ヘカバイオ(株)
https://www.hekabio.com/