2019-7-31
ホロジックジャパン(株)は,ヒト免疫不全ウィルス1(human immunodeficiency virus: HIV-1)感染症の診断補助を目的に,核酸増幅法TMA(Transcription Mediated Amplification)法を用いた,HIV-1 RNA測定キット「アプティマ® HIV-1」を2019年8月1日に発売する。
HIVは遺伝学的分類によりHIV-1とHIV-2に分類されるが,日本を含めた世界的な流行としてはHIV-1が主要な原因となっている。「Aptima® HIV-1 Assay」はTMA法を用いて血液中のHIVウィルス量を測定することで,病態の進行予測や抗HIV薬の薬効判定,治療の判断などに利用される。HIV感染症の診断では通常スクリーニング検査の後に確認検査が行われるが,核酸増幅法による検査は主に確認検査に用いられる。
本製品はHIV‐1 RNAの二つの領域(polとLTR)を標的として,酵素による転写を介した核酸増幅によって試料中のHIV-1の正確かつ特異的な定量測定を行う。本製品を用いた検出には専用機器「パンサーシステム」を用いる。
ホロジックジャパンは,医療従事者及び研究者の皆様が最適な意思決定が行えるように,最新の遺伝子検査法の提供を通じて感染症分野を含む臨床検査の進歩に貢献していく。
●製品情報
・販売名及び希望販売価格:アプティマ HIV-1 100テスト用 400,000円(税抜)
・使用検体:血漿
・販売開始日:2019年8月1日
・対応機種:パンサーシステム
●製品の特長
- 「アプティマ HIV-1」は,既に米国,欧州及び豪州等で使用されている検査キット。
- HIV感染者においてウィルス量を測定することは,病態の進行予測や抗HIV薬の薬効を知る上で重要である。血中HIVのウィルス量は核酸増幅法によりHIV RNAを測定することで定量できる。
- 本製品はHIV-1 RNAの2つの領域(polとLTR)を対象として,HIV‐1のグループM,N及びOを増幅するようデザインされたプライマーを用いて検出する。
- プライマーのデザインと,2つの領域を標的にすることにより,HIV-1の正確かつ特異的な定量を行う。
- 本製品は専用機器である「パンサーシステム」を用いる事により,自動的に測定が可能。
- 検体には患者の血漿を用いる。
参考文献:「後天性免疫不全症候群(エイズ)/HIV感染症病原体検出マニュアル Ver1.1」 2018年 国立感染症研究所
●HIV感染者の動向
新規HIV感染者数は,世界的には1996年をピークに減少に転じている。わが国でも,新規HIV感染者数は2008年をピークとして横ばい又は減少傾向にあり,2017年には976件であった。このような状況において,引き続きHIV感染者に対する適切な診断及び治療を行うことが重要となる。
(2017年エイズ発生動向調査,厚生労働省エイズ動向委員会)
●問い合わせ先
ホロジックジャパン(株)
https://hologic.co.jp/