2020-5-27
新型コロナウイルス検出試薬キット
島津製作所は,4月20日に発売した「新型コロナウイルス検出試薬キット」を用いて,従来の鼻咽頭拭い液ではなく,唾液でのPCR検査の精度を調べたところ,鼻咽頭拭い液と遜色ない結果を得ることができた。唾液による検査については日本医師会より提案され,実際の精度評価では北海道大学病院が協力した。北海道大学病院では,入院患者の手術時に新型コロナウイルス感染症の罹患の有無を調べるスクリーニング検査で試験的に採用する。
PCR検査における鼻咽頭拭い液の採取は,感染者の咳やくしゃみなどによる医療従事者への飛沫感染が懸念されていた。唾液の検査はこうしたリスクが低く,採取自体もより簡単になる。唾液による検査を可能にして,検体採取の場所を増やせれば,必要な方にとっての検査機会が広がることにつながる。また,医療従事者の安全確保のために,新型コロナウイルスの症状がなくとも手術前や入院前の患者に対して検査を実施する必要性もある。
島津製作所は,4月20日の発売以来,20万検体分(2000キット)を上回る試薬キットを提供してきた。当初は月間10万検体分(1000キット)と発表した生産量を30万検体分(3000キット)に引き上げたことを併せて報告した。
注意:本キットの使用には,PCR装置や分注ピペット,恒温槽,小型遠心機をはじめとする機材や,試料・遺伝子の取り扱い技術を要するため,ドラッグストアなどの小売店や個人への販売は予定していない。
詳しい製品説明についてはこちら
https://www.an.shimadzu.co.jp/bio/reagents/covid-19/faq.htm
●問い合わせ先
島津製作所
https://www.shimadzu.co.jp/