2021-11-4
(株)インテグラルは,仏Echosens社製のSmartExam機能(以下,SmartExam)を搭載した「フィブロスキャン430プレミエSE」の販売を2021年11月4日より開始する。この機能により肝脂肪量評価のばらつきを低減し,プローブの測定レンジを細分化してフィブロスキャンの適応対象者を拡げることで,脂肪肝の評価や肝硬度測定の信頼性の向上を目指す。
●SmartExamについて
SmartExamは2つの自動化機能を有している。
(1) Continuous CAP
CAP(Controlled Attenuation Parameter)とは,超音波減衰量測定による肝脂肪量評価法。2010年に開発されてからCAPに関する文献報告や学会報告が多数なされ,実臨床でも世界各国で広く使用されている。さらに,日本国内においても2019年2月7日にCAPによる「肝脂肪量評価」について一部変更承認を取得している。
しかしCAPは,肝臓内における不均一な脂肪分布や超音波データのクオリティなどによる測定値への影響があるため,Echosens社はCAPのばらつきを低減させるためにContinuous CAP法を開発した。これにより従来では肝硬度測定時に併せて収集・解析していた超音波信号を検査中,常に収集・解析するようになった。さらに,アーチファクトの無い超音波信号が得られたかどうかでデータの取捨選択を行うことでCAP測定値の質を高める。Continuous CAP法では,最少200回から最大5,000回の有効なデータを用いて超音波減衰量の平均値を算出し結果を表示する。
(2) SmartDepth
検査中に皮膚に接したプローブ先端から肝臓被膜までの距離(PCD)を超音波信号により自動で計測し,被検者に最適な測定深度を自動で選択する。プローブ毎に細分化された測定深度は次のとおり。Mプローブの測定深度は従来の25~65mmに加え,30~70mmが追加された。オプションであるXLプローブは,従来の35~75mmに加え40~80mm,45~85mmが追加されたことで,より皮下組織の厚い被検者への適応が可能となった。
●フィブロスキャンについて
フィブロスキャンは,皮膚上から肝臓に向けてプローブから直接発振されるせん断波の伝播速度と超音波信号の減衰量を非侵襲に測定する装置。せん断波の伝播速度は肝臓の硬さに,超音波減衰量は肝脂肪量に関連している。
現在,フィブロスキャンは世界100カ国以上で肝硬変や肝癌などに至る肝臓疾患の診断,治療の効果判定,予後のモニタリング,疾患進行の早期診断,予防など,肝臓の病態評価の目的で使用されている。また,様々な疾患やシーンにおいて広範な検証が行われ,関連する論文は現在2,500報を超えており,エビデンスベースドな検査法として世界の様々なガイドラインに参照されている。さらに,製薬においても多くの治験のプロトコルに採用されている。
検査は被検者情報を入力してから検査を終えるまで数分程度*であり,ワークフローの簡便さも同検査の利点。また,医師や技師の他に看護師などの医療従事者であれば世界で標準化されているトレーニングプログラムを受講することで,特別な知識や経験を必要とせずに誰でも検査を行うことができる。(* 検査状況や被検者の体型などの諸条件により前後しますが約1~5分の検査。)
フィブロスキャン430プレミエSE
製造販売 株式会社インテグラル
販売名 フィブロスキャン430ミニ
医療機器承認番号 22900BZI00019000
●問い合わせ先
(株)インテグラル
https://www.integralcorp.jp/