innavi net画像とITの医療情報ポータルサイト

ホーム

日本ストライカー,画像診断装置事業に参入 可動式CT装置「AiroモバイルCT」発売脊椎疾患分野での導入を皮切りに,コンピューター支援手術分野に貢献

2022-4-19

日本ストライカー(株)は,手術室内で使用できる可動式CT装置「Airo(アイロ)モバイルCT」を,同社における初の画像診断装置として2022年4月に発売した。「AiroモバイルCT」はモーター付きの車輪によって手術室に搬出入できる可動式CT画像診断装置。広範な部位をスピーディに撮影できるという特長を活かし,販売初年度は脊椎疾患を重点領域としている。

AiroモバイルCT(左)と,術中に連動するストライカーNAV3iプラットフォーム(右)

AiroモバイルCT(左)と,術中に連動するストライカーNAV3iプラットフォーム(右)

 

「AiroモバイルCT」は,リング状のX線CT撮影部分と患者を乗せるベッドの台座が一体構造になっており,手術室への搬出入時の装置全体のサイズは高さ約2メートル,幅約2.3メートル,奥行約60センチメートル。「AiroモバイルCT」は手術室内の通常電源供給のみで1mを約40秒でCT撮影するため,手術中に患者の体位を変えずに頚椎から骨盤までの脊椎全体を撮影範囲としてカバーできる。これにより,脊椎変形疾患等の手術において,骨組織をはじめ脊髄や周辺の血管などの解剖学的情報を3D構成したCT立体画像を,手術中に術者自ら確認することができる。

また「AiroモバイルCT」は,赤外線カメラで手術器械の位置情報を計測・表示するナビゲーションシステム「ストライカーNAV3i(ナブスリーアイ)プラットフォーム」と連動する。画像データをナビゲーションシステムに即時に送信することで,脊椎内にスクリューなどのインプラントを設置する角度や切除部分の深さなどを術中に把握・決定できるため,血管損傷などの合併症リスクを低減し,治療成績の向上に寄与することが期待される。

今後はこうした画像診断技術に対する臨床ニーズがさらに高まることが予想される。同社では脊椎手術のみならず,脳神経外科での開頭手術や,整形外科での関節手術,さらに救急外傷等など幅広い疾患領域において「AiroモバイルCT」の潜在的ニーズへ対応することも視野に入れている。

「AiroモバイルCT」は2014年に米国のモビウスイメージング社が発売し,2019年に米国ストライカーとの経営統合を経て,すでに欧米を中心に稼働している。「AiroモバイルCT」を通じて,今後急速に進化・拡大が見込まれるコンピューター支援手術(computer-assisted surgery)分野への貢献と,患者へより質の高い医療を提供する。

販売名:AiroモバイルCT
医療機器認証番号:304AFBZX00025000
販売名:ストライカーNAV3i プラットフォーム
医療機器承認番号: 22600BZX00098000

 

●問い合わせ先
日本ストライカー(株)
www.stryker.com/jp