2022-6-1
(株)インテグラルは,仏Echosens社製の脾硬度測定機能を新たに搭載したフィブロスキャンのハイエンドモデル「フィブロスキャン630エキスパート」の販売を2022年6月1日より開始する。脾硬度測定の機能により進行した慢性肝疾患や門脈圧亢進症患者のリスク層別化および管理が可能になると期待されている。
◆フィブロスキャン630エキスパートについて
近年,慢性肝疾患の病態評価において,脾臓の硬さを測定するための研究が広く行われている。2021年に改訂された欧州肝臓学会(EASL)ガイドラインでは,臨床的に重要な門脈圧亢進症(CSPH)のスクリーニングに脾硬度測定(SSM)を加えたアルゴリズムが初めて記載された。
また,2021年末にはBavenoⅦコンセンサスが改訂され,従来のBavenoVIにおけるフィブロスキャン検査の立ち位置は継承しつつ,代償性進行性慢性肝疾患(cACLD)やCSPH,食道静脈瘤を有する患者の個別化医療について多くの新基準が示され,さらにフィブロスキャン検査の脾硬度測定(SSM)が推奨された。
フィブロスキャン検査による脾硬度測定について,これまでに100報以上の論文が報告されているが,今回の新機種には脾臓測定に適した測定深度,せん断波周波数,測定値表示範囲になるようにデザインされた脾硬度専用測定機能が搭載された。
国内外のvalidation study*1,2では,従来機器設定による脾硬度測定に比して測定成功率が大幅に改善され,食道静脈瘤検知あるいは肝静脈圧較差(HVPG)との相関においても従来法よりも向上したことが報告された。
この他にもフィブロスキャン630エキスパートには,脾硬度測定をサポートするためのコンベックスプローブによるBモード機能や,肝硬度測定とCAP測定の信頼性を向上させるSmartExam機能も標準搭載されており,フィブロスキャン検査を強力にバックアップする。
*1) Stefanescu H, et al., A novel spleen-dedicated stiffness measurement by FibroScan® improves the screening of high-risk oesophageal varices. Liver Int. 2020 Jan;40(1):175-185. doi:10.1111/liv.14228.
2) Nagai K, et al., Gastroesophageal varices evaluation using spleen-dedicated stiffness measurement by vibration-controlled transient elastography. JGH Open. 2021 Dec 14;6(1):11-19. Doi:10.1002/jgh3.12689.
◆フィブロスキャン検査について
フィブロスキャンとは,皮膚上から肝臓もしくは脾臓に向けてプローブから直接発振されるせん断波の伝播速度と超音波信号の減衰量を非侵襲に測定する装置。せん断波の伝播速度は肝臓もしくは脾臓の硬さに,超音波減衰量は肝臓の脂肪量に関連している。
現在,フィブロスキャンは世界100カ国以上で肝硬変や肝癌などに至る肝臓疾患の診断,治療の効果判定,予後のモニタリング,疾患進行の早期診断,予防など,肝臓の病態評価の目的で使用されている。また,様々な疾患やシーンにおいて広範な検証が行われ,関連する論文は現在2,750報を超えており,エビデンスベースドな検査法として世界中の様々なガイドラインに参照されている。さらに,製薬においても多くの治験のプロトコルに採用されている。
検査は被検者情報を入力してから検査を終えるまで数分程度*であり,ワークフローの簡便さも同検査の利点。また,医師や技師の他に看護師などの医療従事者であれば世界で標準化されているトレーニングプログラムを受講することで,特別な知識や経験を必要とせずに誰でも検査を行うことができる。
(* 検査時間について,検査状況や被検者の体型などにより前後しますが約1~5分程度。)
フィブロスキャン630エキスパート
選任製造販売 (株)インテグラル
販売名 フィブロスキャン630
商品名 フィブロスキャン630エキスパート
承認番号 30300BZI00020000
●問い合わせ先
(株)インテグラル フィブロスキャン事業部
TEL 03-6417-0810 FAX 03-6417-0853
https://www.fibroscan.jp/