2015-6-8
医療被ばくに関連する学会,行政,産業界などから構成される医療被ばく研究情報ネットワーク(J-RIME)は6月7日(日),日本初となる医療被ばくの線量指標を示した診断参考レベル(DRLs 2015)を公表した。
今回,公表されたDRLs 2015は,X線CT検査(成人CT,小児CT),一般撮影,マンモグラフィ,口内法X線撮影,IVR,核医学の計7項目。設定には,J-RIMEに参加する医療放射線防護連絡協議会,日本医学物理学会,日本医学放射線学会,日本核医学会,日本核医学技術学会,日本歯科放射線学会,日本小児放射線学会,日本診療放射線技師会,日本放射線影響学会,日本放射線技術学会が当たったほか,日本画像医療システム工業会,放射線医学総合研究所が協力している。
国際的にも医療被ばくへの関心が高まる中,医療における放射線防護として,各国が診断参考レベルの設定を行っている。しかし,日本では,これまで診断参考レベルが設けられていなかった。日本は,CTの保有台数が世界一である一方で,東日本大震災における東京電力福島第一原子力発電所事故以降,医療被ばくに対する国民的な関心が高まっており,早期に診断参考レベルの策定が求められていた。今回のDRLs 2015は,学会,行政,産業界,関連団体,医療機関などオールジャパンで設定された初めての診断参考レベルである。J-RIMEでは今後,DRLs 2015の普及を進めるとともに,対象モダリティの拡張や診断参考レベルの更新に取り組んでいくとしている。
●DRLs 2015の報告書「最新の国内実態調査結果に基づく診断参考レベルの設定」
http://www.radher.jp/J-RIME/report/DRLhoukokusyo.pdf
●問い合わせ先
医療被ばく研究情報ネットワーク(J-RIME)
事務局
〒263-8555 千葉県千葉市稲毛区穴川4-9-1
国立研究開発法人 放射線医学総合研究所
医療被ばく研究プロジェクト
TEL 043-251-2111
http://www.radher.jp/J-RIME/
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