2018-10-31
三井不動産(株)は,一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(以下LINK-J)とともに,ライフサイエンス分野において,イノベーションによる新産業を創造するためのエコシステムを構築するため,「コミュニティ構築」及び,「場の整備」に従来から取り組んでいる。
今回,エコシステムをさらに強化するため,場の整備については,Beyond Next Ventures(株)(以下BNV)と連携して新たに日本橋でシェア型ウェットラボを開設することをはじめ,ライフサイエンス拠点の大幅な拡大を進める。また,新しい取組みとして,エコシステム構築に必要不可欠なベンチャー企業の育成,支援のための,ライフサイエンス系ベンチャー企業へのLP投資に本格参入する。
LINK-Jは,アカデミアや海外団体との連携を強化し,日本橋にとどまらないコミュニティの構築に取り組んでいく。
三井不動産とLINK-Jは,ライフサイエンス領域でのエコシステム構築に向けての取組みをさらに加速させ,我が国の競争力強化に貢献していく。
■日本橋にさらに4つのライフサイエンス拠点を整備
三井不動産はこれまで,「日本橋ライフサイエンスビルディング」など4カ所の拠点を整備してきた。その日本橋に今後,さらに4拠点を加え,「日本橋ライフサイエンスビルシリーズ」※を8拠点に拡充する。これらの拠点にはベンチャーオフィス,シェアオフィス,カンファレンスルーム,ラウンジ等を設置し,ベンチャー企業を中心にライフサイエンス領域のプレイヤーを集積していく。
※ライフサイエンスビルシリーズとは,日本橋エリアに同社が整備したライフサイエンスハブ,ライフサイエンスビルディングおよびライフサイエンスフロアの各拠点の総称を指す。
■東京大学新設インキュベーション施設(本郷キャンパス)の管理運営業務を受託
三井不動産は,ライフサイエンス・イノベーション推進事業を通じて培ったノウハウを活かして,大学のエコシステム構築をサポートし,日本橋にとどまらず,大学とも連携していく。東京大学が本郷キャンパスに新しく開設するインキュベーション施設について,施設の管理運営およびベンチャー支援に関する業務を受託した。
■日本橋にシェア型ウェットラボを開設
シェア型ウェットラボは,BNVと連携して,日本橋ライフサイエンスビルディングの地下1階に開設する。
三井不動産およびLINK-JとBNVはベンチャー企業の育成支援などでこれまでもさまざまな連携に取り組んできたが,新たな機能として,「シェア型のウェットラボ」を連携して整備する。これは,所有者である同社がBNVに建物を賃貸し,BNVがシェアラボを整備し,ベンチャー企業に利用していただくという仕組みになっている。
シェア型ウェットラボとは,ライフサイエンス領域のベンチャー企業が研究開発のために必要となる共同実験機器などをあらかじめ用意することで,利用者の初期投資を抑えつつ,速やかに事業をスタートできる施設。東京都心部におけるシェア型ウェットラボは日本初の試みである。高度な研究環境の提供に加え,利用者とパートナー企業および専門家との交流を促すことで,日本橋エコシステムのさらなる加速を進めていく。
■ライフサイエンス系ベンチャー企業へのLP投資に本格参入
三井不動産は,2018年10月,BNVが無限責任組合員として運営・組成する Beyond Next Ventures 2号投資事業有限責任組合に対し,LP投資を行った。
三井不動産はこのLP投資を通じて,大学・研究機関における高度な技術シーズをより多く実用化し,ライフサイエンス系ベンチャー企業を支援することにより,新産業創造を更に加速していく。
三井不動産 常務執行役員でLINK-J理事の植田 俊氏は,「日本橋というビジネスの中心地にシェア型ウェットラボを開設し,また4つの拠点をさらに加えて“場”の強化を図ることで,イノベーションの創出・育成を促す日本橋のエコシステムはさらに強固なものになると確信しています。ライフサイエンス領域へのLP投資開始と併せ,シーズから事業化まで包括的に支援する体制を構築し,当社のライフサイエンス・イノベーション推進事業を次のステージへと進めてまいります」と述べている。
三井不動産,LINK-J,BNVは,これからも連携を図りながらベンチャー企業育成にスピード感をもって取り組み,我が国のライフサイエンス産業の発展に寄与するとともに,次世代に向けた課題の解決にグローバルな規模で貢献することを目指すていく。
●問い合わせ先
三井不動産(株)
https://www.mitsuifudosan.co.jp/