2021-11-12
オリンパス(株)(以下オリンパス)は,2021年9月27日の発表の通り,10月5日にOlympus Corporation of the Americasの子会社となるコーポレート・ベンチャー・キャピタル・ファンド「Olympus Innovation Ventures(オリンパス イノベーション ベンチャーズ,以下Olympus Ventures)」(所在地:米国マサチューセッツ州ウェストボロー,社長:ナチョ・アビア)を設立した。医療分野における臨床的価値や経済的価値,また,患者の予後の改善に貢献する革新的な技術を持つスタートアップ企業・アーリーステージの企業への投資を行うことで,内視鏡診断技術の向上や,低侵襲治療のための次世代の製品・手技開発に努めていく。
投資領域や方針は以下の通り。
Olympus Ventures社の詳細はhttp://olympusamerica.com/venture-capital
を参照。
- 初期投資総額は50百万USドル(約57億円※)で,必要に応じた追加投資も想定
- 投資対象の技術が関連する診療領域は,消化器科,呼吸器科,泌尿器科
- 病変の早期診断と低侵襲治療に大きく貢献しながら,診療フローを変革するためのスタートアップ企業が主な投資ターゲット
- 創業期・成長期のグローバル企業を中心にあらゆるステージの企業への投資を想定
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同社からの投資により,投資先企業の臨床上の技術的な専門性強化,医療機関や医師の連携強化,製品・ソリューションの市場導入などを支援
※ 1ドル=113.67 円(2021 年10月末為替レート)で換算
オリンパスは,1919年に日本における顕微鏡の国産化を目指して創業し,1950年には世界で初めて実用的なガストロカメラ(胃カメラ)を開発するなど,100年以上にわたって光学技術および医療技術の革新的企業であり続けている。同社の製品・ソリューションは,疾患の発見と治療のために進化を続け,さらに低侵襲治療により患者さんの予後の回復に貢献すべく,技術革新を追求し続けている。今回のファンド設立の目的を,同社のCEOである竹内康雄氏は,「世界の人々の健康と安心,心の豊かさを実現するという私たちの経営理念を体現するものの1つであり,当ファンドを通して当社のイノベーションの歴史を継続し,オリンパスの長期的な成長と変革をさらに強化していくことを目標としています」と語っている。
同ファンドは,コーポレート・ベンチャー・キャピタルに幅広い知見を有するTouchdown Ventures(タッチダウン・ベンチャーズ)社の支援を受けて運営する。Touchdown Ventures社の共同創設者兼社長であるScott Lent氏は,「オリンパスが,同社の技術的な強みや専門性,医療機器業界における強固な地位やプレゼンスを通じて起業家に何をもたらすことができるかに強く期待しています。Olympus Venturesと当社が一丸となって,起業家にとっての有益なパートナーでありたいと考えます」と語っている。
オリンパスのCOO(最高事業責任者)兼Olympus Venturesの社長であるナチョ・アビア氏は以下のように述べている。「コーポレート・ベンチャー・キャピタル・ファンドの設立は,当社が医療従事者や患者さんに対して,目に見える形で将来への前進および価値を提供できる1つの手段であると考えています。当ファンドを通じて,低侵襲治療のさらなる革新と,病変の早期診断に貢献する新たな技術の開拓において,意義のある役割を果たすことができると信じています。」
●問い合わせ先
オリンパス(株)
www.olympus.co.jp/