2022-2-15
中央社会保険医療協議会(中医協)は2022年2月9日(水),2022年度診療報酬改定を答申した。
改定に当たって,「新興感染症等にも対応できる医療提供体制の構築など医療を取り巻く課題への対応」「健康寿命の延伸,人生100年時代に向けた『全世代型社会保障』の実現」「患者・国民に身近であって,安心・安全で質の高い医療の実現」「社会保障制度の安定性・持続可能性の確保,経済・財政との調和」を基本認識としている。さらに,基本的視点として,以下の4項目を示した。
(1)新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築【重点課題】
(2)安心・安全で質の高い医療の実現のための医師等の働き方改革等の推進【重点課題】
(3)患者・国民にとって身近であって,安心・安全で質の高い医療の実現
(4)効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上
画像診断関連としては,画像診断報告書の確認漏れを防止する評価として,「報告書管理体制加算」(退院時1回:7点)が新設された。また,画像診断装置に関連する改定としては,主に以下がある。
・前立腺針生検法 MRI撮影及び超音波検査画像融合画像によるもの(8210点)
・磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影) 肝エラストグラフィ加算(600点)
・頭蓋内腫瘍摘出術 術中MRI撮影加算(3990点)
・内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術 術中MRI撮影加算(3990点)
・超音波減衰法検査(200点)
・骨塩定量検査 REMS法(腰椎)(140点)
このほか,放射線治療の主な改定は次のとおり。
・放射性同位元素内用療法管理料 神経内分泌腫瘍に対するもの(2660点),褐色細胞腫に対するもの(1820点)
・放射線治療病室管理加算 治療用放射性同位元素による治療の場合(1日:6370点),密封小線源による治療の場合(1日:2200点)
また,オンライン診療など主だったIT関連の改定は,次のとおりである。
・医療機関におけるICTを活用した業務の効率化・合理化の観点からカンファレンスの実施等の要件を見直し
・標準規格の導入に係る取り組みとして,「診療録管理体制加算」の定例報告においてHL7 FHIRの導入状況の報告を要件とする見直し
・初診料 情報通信機器を用いた場合(251点)
・再診料 情報通信機器を用いた場合(73点)
・外来診療料 情報通信機器を用いた場合(73点)
・プログラム医療機器等医学管理加算 禁煙治療補助システム指導管理加算(140点)
・禁煙治療補助システム加算(2400点)
・データ提出加算に係る届出を要件とする入院料を見直し
・「診療録管理体制加算」におけるサイバーセキュリティ対策の整備に係る要件を見直し
・外来医療等におけるデータ提出に係る加算の新設
・オンライン資格確認システムを通じた患者情報等の活用に係る評価として,「電子的保険医療情報活用加算」を新設(初診料:7点,再診料・外来診療料:4点)