画像とITの医療情報ポータルサイト

2025-4-12

アトックスブース

アトックスは，世界初の頭部専用ヘルメット型PET装置「Vrain」や2024年2月に発売開始したRayence社（韓国）のワイヤレスFPD「デジタルラジオグラフィ　AX-α」シリーズなどを展示した。2023年の早期アルツハイマー型認知症の疾患修飾薬承認を受けアミロイドPET検査が保険適用となり，検査ニーズの増加が予想される。量子科学技術研究開発機構（QST）と共同開発したVrainは，直径28cmの半球型ガントリに54個の半導体検出器を配置しており，従来の円筒型検出配置と比較すると，放射線計測感度が約1.5倍向上している（半径・高さが同じ場合）ほか，229ピコ秒のTOF技術搭載により高精細撮像が可能。装置サイズも945mm（W）×2150mm（D）×1820mm（H）のコンパクト設計で，既存の検査スペースを最大限に活用できる。さらに，頭部専用設計のため着座姿勢で検査を受けられるほか，顔の下半分は装置の外側にあり，閉所恐怖症などの被検者でも圧迫感を感じることがない。脳神経内科や精神科，放射線科など複数の診療科から注目されており，大学病院や大規模病院などの導入を想定している。

世界初の頭部専用ヘルメット型PET装置「Vrain」

被検者の様子を確認しながら検査を行える。

デジタルラジオグラフィAX-αシリーズでは，10×12インチ，14×17インチ，17×17インチの3サイズを展開。コスト面に優れるほか，軽量かつ堅牢性が高く，持ち運びしやすいのが特長である。さらに，軽くてコンパクトな専用バッテリーを搭載し，ワイヤレス環境での快適な検査をサポートする。

デジタルラジオグラフィAX-αシリーズ

コンパクトな専用バッテリーを搭載

そのほかに，原子炉や加速器などの大型設備を用いることなく，PET核種である⁶⁸Gaを製造可能なIRE ELiT社（ベルギー）の68Ge/68Gaジェネレータ「Galli Eo」（薬機法未承認）も参考展示された。