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ITEM2025 ジェイマックシステム ブースレポート 「Provide Value −受け継がれた思いを価値に−」をテーマに,AIブランド「Rely-AI」やRIS「ACTRIS」のSTAT画像所見報告機能などを紹介

2025-5-2

ジェイマックシステムブース

ジェイマックシステムブース

ジェイマックシステムは,「Provide Value−受け継がれた思いを価値に−」をテーマに,PACSやRISなどの放射線部門のデジタルトランスフォーメーショ(DX)を加速させるソリューションをアピールした。ブースは,PACS,ビューア,レポートシステムの「Imaging Solution」,RISや線量管理システムなどの「IT Solution」といったコーナーに分けて,各製品のデモンストレーションを行った。その中でも,今回最も関心を集めたのが,人工知能(AI)の新ブランド「Rely-AI」だ。ジェイマックシステムでは数年前からAIの開発を進めており,ITEMで技術展示として紹介してきた。今回は,Imaging Solutionのコーナーで,AIによる画像処理機能である「肋骨減弱機能」や「心胸郭比計測機能」のデモンストレーションを行った。両機能いずれもすでに薬機法承認を得ている。AIに関しては,技術展示としてオンプレミスでの大規模言語モデル(large language models:LLM)による退院サマリー作成(W.I.P.)のデモンストレーションも行った。施設内にサーバを設置するため,セキュアに利用でき,医師をはじめとした医療者の業務負担を軽減する。Imaging Solutionのコーナーでは,このほかに核医学用画像融合システム「Fusion Plus」も紹介した。
IT Solutionのコーナーでは,RIS「ACTRIS」に搭載されるSTAT画像所見報告の機能をアピールした。RISの画面上に設けられたボタンをクリックするとSTAT画像所見報告のウインドウが展開されて,所見を入力できる。このほか,被ばく線量管理システム「DoseChecker」については,2025年中の改訂を予定している日本の診断参考レベル(Japan DRLs)への対応を保守費用内で行うことをアナウンスしていた。

●AIブランド「Rely-AI」を発表して,「肋骨減弱機能」と「心胸郭比計測機能」を紹介

ジェイマックシステムでは,AIの開発を進めており,前回のITEMでも技術展示として開発中の機能を紹介してきた。今回はAIブランドとしてRely-AIを商標登録して,本格的に展開していくことをアナウンスした。Rely-AIの第一弾として発表したのが,肋骨減弱機能と心胸郭比計測機能である。両機能とも薬機法の承認を得ており,今後正式に上市する予定である。肋骨減弱機能は,胸部X線画像から肋骨を減弱処理して,視認性を向上。結節などを検出しやすくする。また,心胸郭比自動計測機能は,胸部X線画像から胸郭を自動で計測することで高精度かつ効率的な診断を支援する。病院をはじめ,健診センターなどの検診施設のように胸部X線撮影の検査数が多い施設,呼吸器科をターゲットに展開していくこととしている。
AIに関しては,技術展示として,「オンプレミス型医療向けLLMシステム」(W.I.P.)を紹介した。医療向けにチューニングされており,退院サマリーといった医療文書や画像診断報告書の作成・要約支援,医療知識の提供・検索,業務スケジュールの自動作成などでの利用を想定。施設内にAIサーバを設置するため,インターネットに接続せずに利用でき,高いセキュリティを確保している。

視認性を向上させる「Rely-AI」の「肋骨減弱機能」

視認性を向上させる「Rely-AI」の「肋骨減弱機能」

 

高精度で効率的な診断を支援する「心胸郭比計測機能」

高精度で効率的な診断を支援する「心胸郭比計測機能」

 

「オンプレミス型医療向けLLMシステム」(W.I.P.)では退院サマリーなどの医療文書の自動生成が可能

「オンプレミス型医療向けLLMシステム」(W.I.P.)では退院サマリーなどの医療文書の自動生成が可能

 

●ワンクリックで心臓三軸画像を作成可能な核医学用画像融合システム「FUSION Plus」など画像再構成作業や診断の効率化につながるソリューションをアピール

Imaging Solutionのコーナーでは,このほかに,核医学用画像融合システム「FUSION Plus」,PACS「XTREK F.E.S.T.A」のビューア「XTREK VIEW」,読影レポートシステム「LUCID」を紹介した。FUSION Plusは核医学検査とCT,MRIとのフュージョン画像を作成するシステム。「エクスポートコンソール」により,画像再構成の時間短縮,効率化を図れる。心臓核医学検査向けの機能としては,心臓サルコイドーシス診断のための「心臓三軸画像作成機能」を搭載。ワンクリックでの三軸画像の表示が可能である。さらに,FUSION Plusは,アミロイドPETにも対応。イメージング剤のメーカー各社が推奨するlook up table(LUT)を適用可能である。
XTREK VIEWは,読影を効率化するための「ハンギングプロトコル機能」を搭載している。検査内容・目的ごとに画面レイアウトを設定しておくことで,読影時に自動的に指定したレイアウトで表示する。画面レイアウトはユーザーごとに設定することが可能だ。これによって,常に検査に応じて最適化された画面レイアウトで読影を行うことが可能となり,業務効率を向上させる。
LUCIDには,「既読管理機能」など,画像診断報告書の所見の見落としを防止する機能を搭載。医療安全に寄与する。

核医学用画像融合システム「FUSION Plus」はワンクリックで心臓三軸画像の作成が可能

核医学用画像融合システム「FUSION Plus」はワンクリックで心臓三軸画像の作成が可能

 

●STAT画像所見報告に対応したRIS「ACTRIS」や日本の診断参考レベル(Japan DRLs)への対応をアピール

IT Solutionのコーナーでは,ACTRISのSTAT画像所見報告機能をアピールした。医師の働き方改革が進む中で,タスク・シフト/シェアに取り組む医療機関も増えている。放射線診療においては,放射線科医を支援するために,診療放射線技師の業務拡大が図られており,2024年3月には日本医学放射線学会などがまとめた「生命予後にかかわる緊急性の高い疾患の画像 (STAT画像)所見報告ガイドライン」が策定された。こうした背景の下,ジェイマックシステムは,ACTRISでSTAT画像所見報告を行える機能を開発した。RISの画面に設けられたボタンをクリックすると,所見入力のウインドウが展開される。あらかじめ用意されているマスターから所見の内容を選択して所見を作成するため,入力を効率的に行え,診療放射線技師の負担を極力抑えられる。マスターは施設独自のものを設定できる。医師に報告を行った場合は,フラグを立てて管理することが可能。また,報告内容は担当者名を含めて記録され,データベースとして蓄積していくので,勉強会や個人の「振り返り」にも利用でき,診療放射線技師としてのスキルアップを図れる。このほか,ACTRISにはスタッフ間での情報共有を促進する掲示板の機能も用意した。公開するタイミングや文字の装飾などを設定でき,確実な業務遂行,医療安全などに有効である。ブース内では,岡山県の倉敷中央病院とオンライン接続して,ACTRISの運用についてリアルタイムで視聴できるようにしたほか,同院スタッフへの相談も行えるようにした。
IT Solutionのコーナーでは,このほか,被ばく線量管理システム「DoseChecker」も紹介した。2025年は,最新のデータに基づく診断参考レベル(Japan DRLs)の改訂が予定されている。医療機関は,これを参考にして自施設の撮影線量などを設定していくこととなるが,DoseCheckerは保守費用の範囲内で新しいDRLに対応することをアナウンスした。

「ACTRIS」は効率的な入力で診療放射線技師によるSTAT画像所見報告の負担を軽減

「ACTRIS」は効率的な入力で診療放射線技師によるSTAT画像所見報告の負担を軽減

 

情報共有を促進する「ACTRIS」の掲示板

情報共有を促進する「ACTRIS」の掲示板

 

倉敷中央病院における「ACTRIS」の運用をオンラインで紹介

倉敷中央病院における「ACTRIS」の運用をオンラインで紹介

 

●お問い合わせ先
社名:株式会社ジェイマックシステム
住所:〒060-0034 札幌市中央区北4条東1丁目2-3 札幌フコク生命ビル10F
TEL:011-221-6262
E-mail:sales@j-mac.co.jp
URL:https://www.j-mac.co.jp/