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ITEM2025 PSP ブースレポート クラウド型PACS「NOBORI」の機能強化など,画像診断の質や業務効率を向上するソリューションを紹介

2025-5-7

PSPブース

PSPブース

PSPは,クラウド型PACS「NOBORI」を中心に,人工知能(AI)による画像診断の質や業務効率を向上するソリューションを来場者にアピールした。
NOBORIは高い信頼性と安全性を確保したクラウド型PACSとして,1400施設以上に導入されている。豊富な実績を積み重ねるとともに機能を強化している。今回のITEMでは,統合版DICOMビューワである「NOBORI Viewer」に,キヤノンメディカルシステムズの読影支援ソリューション「Abierto Reading Support Solution」の解析用ビューワ「Findings Workflow」が内包され,シームレスに展開できるようになったことをアナウンスした。NOBORI Viewerのメニュー画面に「FWF解析表示」ボタンを追加。これをクリックすると,「Temporal Subtraction For Bone(TSB)」といった人工知能(AI)技術を用いたアプリケーションを利用できる。NOBORI Viewerの新機能としては,病理画像を表示させて確認できるようになったことも紹介した。
また,RIS「ARIStation」も進化を続けている。新たにクラウド運用に対応して,NOBORIの専用アプライアンスである「NOBORI CUBE」で使用できるようになった。これにより,運用管理のコストを引き下げることが可能である。
さらに,「統合検査情報」と呼ばれるアプリケーションのデモンストレーションも行った。患者の検査情報をマトリックス表示。サムネイルをクリックすると,NOBORI Viewerなどのアプリケーションの画面が起動して,画像をはじめとした各種の検査情報を表示する。
このほか,ブースでは,AIソフトウェアを提供する「NOBORI PAL AI」といったクラウドサービスのプラットフォームである「NOBORI PAL」や,「NOBORI-PHRサービス」なども紹介していた。

●「NOBORI Viewer」とキヤノンメディカルシステムズのAIを用いた解析用ビューワ「Findings Workflow」とのシームレスな連携をアピール

クラウド型PACS「NOBORI」の統合版DICOMビューワであるNOBORI Viewerの新機能として,キヤノンメディカルシステムズが提供する読影支援ソリューション「Abierto Reading Support Solution」の解析用ビューワ「Findings Workflow」とシームレスに連携することをアナウンスした。NOBORI Viewerの画面上に設けられた「FWF解析表示」ボタンをクリックすると,Findings Workflowが起動して各種のアプリケーションが利用できるようになる。Findings Workflowは,AI技術を用いたアプリケーションがラインアップされている。その一つ「Temporal Subtraction For Bone(TSB)」は,過去と今回のCT画像から骨強調処理により骨を識別して経時差分処理を行い,両画像の違いを差分画像として提示する。これによりがんの骨転移の有無や経時的な変化,治療効果を確認できる。TSB以外にもMRA画像から脳動脈瘤の候補を検出する「EIRL Brain Aneurysm」や,CT画像から脳の低吸収領域を抽出してASPECTS(Alberta Stroke Programme Early CT Score)解析を行う「Ischemia analysis」などが使用できる。解析結果はNOBORIに保管することが可能だ。PSPとキヤノンメディカルシステムズは,2022年4月から協業を開始している。2024年4月には,エムスリーAIを加えて3社の業務提携を発表。キヤノンメディカルシステムズが「AI解析技術」や「3D処理技術」をPSPのビューワへ提供すること,PSPとエムスリーAIが展開する医療AIプラットフォーム事業の販売でキヤノンメディカルシステムズと連携することになっていた。今回,紹介されたNOBORI ViewerとFindings Workflowのシームレスな連携は,この業務提携に基づくものである。
さらに,NOBORI Viewerの新機能として,病理画像の表示が可能になった。画面を切り替えることなく病理画像を確認でき,放射線科だけでなくほかの診療科でも有用な機能と言えよう。

「NOBORI Viewer」から起動した「Temporal Subtraction For Bone(TSB)」

「NOBORI Viewer」から起動した「Temporal Subtraction For Bone(TSB)」

 

NOBORI Viewerは病理画像の表示にも対応

NOBORI Viewerは病理画像の表示にも対応

 

●RIS「ARIStation」のクラウド化によりコスト削減と保守管理の負担軽減が可能に

ブースでは,従来オンプレミスのシステムとして展開していたRISのARIStationをクラウドサービスに移行したことも紹介した。ARIStationは,専用アプライアンス「NOBORI-CUBE」で利用できるようになる。クラウド化によって医療機関はRIS用のサーバを導入する必要がなくなり,NOBORI CUBEを追加するだけで使用でき,イニシャルコストを抑えられる。さらに,導入後の保守管理はNOBORI CUBEとして一元的に管理するため,スタッフの業務負担軽減も図れる。
専用アプライアンスのNOBORI-CUBEは,NOBORIやARIStation以外にも,レポートシステムやクラウドのデータセンターとの通信を行う「NOBORI Gate」などのアプリケーションごとに用意されている。ユーザーは施設の運用に応じて,必要なNOBORI-CUBEを導入することで,コストを抑えてクラウドサービスを利用できる。なお,NOBORIのデータセンターは東日本・西日本の2拠点があり,データは二重に保管され,高いセキュリティ対策の下で運用され,堅牢性と安全性,信頼性を確保している。

クラウド化によってコスト削減と保守管理の負担軽減が可能となるRIS「ARIStation」

クラウド化によってコスト削減と保守管理の負担軽減が可能となるRIS「ARIStation」

 

各種のアプリケーションが提供される専用アプライアンス「NOBORI-CUBE」

各種のアプリケーションが提供される専用アプライアンス「NOBORI-CUBE」

 

●検査情報を一元的に管理し,情報を把握しやすくする「統合検査情報」を紹介

今回のITEMで紹介した統合検査情報は,患者ごとに検査結果を時系列でマトリックスで示す。放射線部門だけでなく他部門の検査もサムネイル表示され,それをクリックするとNOBORI Viewerやレポートが起動して,検査結果を確認できる。さらに,電子カルテとも連携する。統合検査情報の画面上で一元的に検査を管理し,速やかに検査情報にアクセスできるために,診断業務の効率化を図れる上に,依頼科との情報共有にも寄与する。
PSPのブースでは,このほかにもAIソフトウェアを提供する「NOBORI PAL AI」などNOBORIの利便性を高めるクラウドサービス「NOBORI PAL」を紹介。さらに,患者が自身のスマートフォンにアプリケーションをインストールし,画像をはじめとした検査情報を参照できるようにして健康管理を行える「NOBORI PHR」もアピールした。また,前回のITEMでも紹介され,その後サービスが始まった病理クラウドソリューション「NOBORI for Pathology」のデモンストレーションを行っていた。

「統合検査情報」は患者ごとに各種の検査結果を時系列でマトリックス表示

「統合検査情報」は患者ごとに各種の検査結果を時系列でマトリックス表示

 

AIソフトウェアを提供する「NOBORI PAL AI」

AIソフトウェアを提供する「NOBORI PAL AI」

 

NOBORIの利便性を高めるクラウドサービス「NOBORI PAL」

NOBORIの利便性を高めるクラウドサービス「NOBORI PAL」

 

患者自身による健康管理を支援する「NOBORI PHR」

患者自身による健康管理を支援する「NOBORI PHR」

 

病理部門のワークフロー改善を図れる「NOBORI for Pathology」

病理部門のワークフロー改善を図れる「NOBORI for Pathology」

 

 

●お問い合わせ先
社名:PSP株式会社
住所:〒108-0075 東京都港区港南一丁目2番70号 品川シーズンテラス 25階
TEL:03-4346-3180
URL:www.psp.co.jp