第1回日本放射線医療技術学術大会 開催記念企画
大会長&実行委員長スペシャルインタビュー「ゆいまーる診療放射線技術の共創」に向けて
─放射線診療のさらなる発展に向けて両団体の未来を考える機会に
2024-10-1
日本診療放射線技師会(JART)と日本放射線技術学会(JSRT)の初めての合同学術大会となる第1回日本放射線医療技術学術大会(JCRTM 2024)が10月31日(木)〜11月3日(日)の4日間,沖縄コンベンションセンター(沖縄県宜野湾市)で開催される〔ハイブリッド開催。Webは12月9日(月)まで〕。そこで,両団体の歴史の一ページを刻む記念すべき大会について,開催に至る経緯や目的,プログラムの概要などを,大会長,実行委員長に取材。4名それぞれからは,わが国の放射線診療の発展に向けて,JARTとJSRTの未来を考える大会にするという熱い思いが伝わってきた。
出席者
大会長
上⽥ 克彦 氏(⽇本診療放射線技師会 会⻑)
⽩⽯ 順⼆ 氏(⽇本放射線技術学会 前代表理事)
実行委員長
富⽥ 博信 氏(⽇本診療放射線技師会 副会⻑)
奥⽥ 保男 氏(⽇本放射線技術学会 副代表理事)
将来の放射線診療の発展に向けた象徴的な機会
─第1回日本放射線医療技術学術大会開催の目的をお聞かせください。
上田氏:私は2020年に日本診療放射線技師会(JART)の会長に立候補しましたが,その際,放射線診療のさらなる発展に向け関連団体と協調することをスローガンに掲げました。日本放射線技術学会(JSRT)とは,それぞれの役割を認識して,共同で事業を展開することが将来の放射線診療の発展につながると考えており,その象徴的な取り組みの一つが日本放射線医療技術学術大会の合同開催です。JARTは職能団体であり,診療放射線技師の免許を持つ方のための団体です。一方で,JSRTは研究を目的とした学術団体ですが,多くの診療放射線技師が会員になっています。本来は共同事業があってもよいのですが,これまではあまり行われていませんでした。今回の大会を契機に両団体の共同事業が広がることを期待しています。
白石氏:私は2019年にJSRTの代表理事になりましたが,以前からJARTとの懇談会が年2回開催されており,それぞれの代表理事,会長などの代表者が意見交換を行ってきました。この中で,両団体が互いの役割を理解し,事業を分担して,放射線技術と診療放射線技師を車の両輪として放射線診療のために取り組んでいくことを話し合いました。その後,2020年に新型コロナウイルス感染症の流行により,JSRTの秋季学術大会,JARTの日本診療放射線技師学術大会が中止となりました。そこで,当時会長に就任したばかりの上田大会長と両団体の会員に向けてメッセージを発信したいと考え,同年10月15日にトップ会談を行い,ライブで配信し,その後にYouTubeでも公開しました。この企画を進める段階で,2017年に両団体の代表者で構成されたJSRT-JART将来構想会議がまとめた「JSRT-JART将来構想会議答申」において提示された合同学術大会が話題に上り,トップ会談の中で実現に向けて努力することを明言しました。
─その後,正式に開催が決定するまでの経緯をお聞かせください。
上田氏:開催に向けては両団体がそれぞれの理事会の場で慎重に議論を進めていきましたが,多くの理事が,「いつかは合同学術大会を開催する」という思いを持っていたようで,大きな問題もなく動くことができました。
白石氏:具体的には,トップ会談の内容を基に実現の可能性を探るために,両団体の委員で構成される特別委員会を設けて協議を行いました。JSRTからは市田隆雄副代表理事らが委員となって検討を行い,2024年の開催ならば可能と判断した上で両団体の理事会で決議をとり,2021年の暮れに正式に決定しました。
開催地については,両団体のルールに則って不公平にならないように検討し,沖縄県にすることとしました。沖縄県は,JSRTの秋季学術大会を開催したことがなく,JARTの日本診療放射線技師学術大会は前回開催から期間が空いており,開催地の条件に適していました。現在,沖縄県の両団体所属の方々が準備を進めてくれています。
─記念すべき第1回大会のテーマとそこに込めた思いをお聞かせください。
白石氏:「ゆいまーる ~診療放射線技術の共創~ All Japan Radiological Technology」がテーマです。合同実行委員会においてテーマを決める際,上田大会長から「All Japan Radiological Technology」にしたいと意見が出され,ほかの実行委員からも賛同を得られました。さらに,この日本語訳として「診療放射線技術の共創」が充てられました。しかし,これでは堅苦しいという意見も挙がりました。
上田氏:そこで,実行委員を務める沖縄県放射線技師会の長野 篤常任理事から,沖縄県の方言である「ゆいまーる」を提案してもらいました。「ゆい」は「結ぶ」,「まーる」は「順番」のことで,「ゆいまーる」で「助け合い」「協調」といった意味になります。この言葉の美しい意味と響きに実行委員の皆が共感し,テーマに決めました。
第1回大会記念企画や開催地の沖縄県をテーマにしたプログラム
─開催概要についてご説明をお願いします。
富田氏:大会は,実地(会期:10月31日〜11月3日)とWeb(会期:11月1日〜12月9日)のハイブリッド方式で行います。実地開催の会場は,宜野湾市にある沖縄コンベンションセンターです。登録費は会員が1万5000円(不課税),非会員が3万円(税込み),学生会員が2000円(不課税),学生非会員が3000円(税込み)で,9月2日から登録を開始しています。また,登録は,「日本診療放射線技師会・日本放射線技術学会合同学術大会登録受付システム(JJJRS)」から行うこととしており,JART,JSRTどちらの会員でもすべてのプログラムに参加できるようにしています。
─プログラムをご紹介ください。
富田氏:第1回大会開催記念企画として,11月2日に「All Japan Radiologyの実現に向けて」が行われます。本企画は,JART会長,JSRT代表理事はもちろん,日本ラジオロジー協会(JRC)の青木茂樹代表理事,日本医学放射線学会(JRS)の富山憲幸理事長,日本放射線科専門医会・医会(JCR)の山田 惠理事長,日本画像医療システム工業会(JIRA)の瀧口登志夫会長が,それぞれの立場から発表を行います。その上で,白石大会長からは,第1回大会開催までの道のりを振り返っていただきます。
また,近年,地震などの災害のリスクが高まっていると言われており,2024年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」も記憶に新しいと思います。そこで,初日10月31日の開会式後に,緊急報告企画として「令和6年能登半島地震への支援活動報告」を設けました。本企画では,JARTの災害支援体制や実際に行った支援活動などを報告します。
さらに,沖縄県企画も用意しました。11月1日に行われる本企画では,沖縄美ら海水族館で飼育している生物の健康管理を担う沖縄美ら島財団附属病院の植田啓一院長による講演「沖縄美ら海水族館の健康管理〜画像診断を中心に〜」などを予定しています。
奥田氏:開催地の沖縄県に関連した企画として,11月3日に,市民公開講座「おきなわ津梁ネットワークについて(仮題)」を行います。これは沖縄県の地域医療連携の取り組みを紹介する機会として,同県医師会の比嘉 靖システム担当理事の講演があります。さらに,量子科学技術研究開発機構(QST)が沖縄県医師会と協力し,おきなわ津梁ネットワークに被ばく線量管理機能を追加したことについて,QST放射線医学研究所の神田玲子理事が,「沖縄で日本初の試みを─津梁ネットワークとの協働と将来」をテーマに講演します。
学術企画は「研究」と「報告」のあり方など22のセッションを用意
─そのほかのプログラムはどのようなものがありますか。
富田氏:学術企画は全部で22セッションあります。その中に,国際活動に関するセッションを設けました。両団体は国際活動にも取り組んでおり,JARTには国際委員会,JSRTには国際戦略委員会とアジア放射線技術教育支援特別委員会があります。そこで,両団体の活動を周知するセッションとして,11月2日に学術企画⑰「JART・JSRTの国際的な取り組みについて」を行い,両団体の国際活動を紹介します。
上田氏:国際活動に関しては,JARTの児⽟直樹副会長が現在,世界放射線技師会(ISRRT:International Society of Radiographers and Radiological Technologists)のアジア・オーストラリア地域の理事を務めており,アジア・オーストラリア地域での日本のプレゼンスが高まっています。
奥田氏:JSRTもアジア放射線技術教育支援特別委員会を中心にラオスで活動を行っており,このセッションでも山品博子委員長が,アジアでの活動を報告します。
富田氏:このほか,放射線治療については,11月3日に,JARTの放射線治療分科会とJSRTの放射線治療部会が合同で学術企画㉑「IGRTの一次照合の取り組み─実践能力を高める─」を行います。IGRTの一次照合の基本やピットフォールなどを両団体から講演者が登壇して報告します。
奥田氏:このように両団体が合同で行う企画が全部で42セッションあります。演題発表については明確に演題を「研究」と「報告」に区分しています。審査などについて,「研究」はJSRT,「報告」はJARTが担当しており,医学的な「研究」と,症例報告など日常の診療業務にかかわる「報告」を区分した最初の大会となります。
富田氏:「研究」と「報告」を区分するために,JART倫理委員会とJSRT倫理審査委員会が検討を重ねて,倫理について整合をとっています。10月31日には,両委員会による学術企画(2)「両会の研究倫理・報告等について」を設けました。このセッションでは,JART,JSRTそれぞれの倫理規程(規定)に関しての解説があるほか,倫理審査機能を持たない施設に所属する方へのサポートについて説明があります。
奥田氏:研究倫理は,単なる「規制」ではありません。患者だけでなく,研究を行う本人も守る重要なものなので,ぜひ参加してほしいと思います。
白石氏:2021年に文部科学省と厚生労働省,経済産業省が制定した「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」では,人を対象とした研究の場合,所属機関の倫理審査委員会の承認が必要となりました。これにより,倫理審査委員会を持たない施設の方が研究発表をできなくなってしまいました。ただし,症例・技術などの報告は,所属機関の長の承認を得れば可能であり,倫理審査委員会のない施設の方も発表を行えます。そこで,初めての試みとして「研究」と「報告」の区分を設けました。
上田氏:この指針により発表が困難になる方が多く出てくると考えられるため,JARTでは2023年の第39回日本診療放射線技師学術大会から,「研究」と「報告」の区分を設けました。その認識が浸透してきたので,今回はルールを明確にして発表する機会を設けました。
フォトンカウンティングCTに採用された日本の技術をテーマにした特別講演
─特別講演の内容をお教えください。
白石氏:11月1日には特別講演(1)として,脳科学,人工知能(AI)研究者である沖縄科学技術大学院大学神経計算ユニットの銅谷賢治教授にご登壇いただきます。「デジタル脳プロジェクトのめざすもの」をテーマに,最先端のAI研究についてお話しいただきます。
上田氏:特別講演(2)は,世界初のフォトンカウンティングCTに搭載されるテルル化カドミウム(CdTe)半導体検出器の開発にかかわった沖縄県うるま市の半導体メーカー,アクロラド社の創業者である大野良一相談役にお願いしました。11月2日に,「宇宙放射線の観測衛星からフォトンカウンティングCTまで〜新しい放射線イメージングを支える半導体を沖縄から〜」と題して,ご講演いただきます。
─ほかに参加すべきプログラムがあれば,ご紹介ください。
白石氏:11月2日の夜に情報交換会を行います。大会ホームページ(https://www.linkage-okinawa.co.jp/jcrtm2024/ )から申し込みができるので,ぜひ参加してください。情報交換会は多くの場合,参加費が高く,参加人数にも限りがあります。そこで,今回は,参加費を3000円(税込み)に抑え,展示棟に特設会場を設けて大勢が参加できるようにしました。沖縄民謡グループのゆいゆいシスターズを迎えて,最後には大会テーマ「ゆいまーる」にちなんだ名曲「ユイユイ」に合わせて,カチャーシー(編注:祝いごとや祭りで沖縄民謡に合わせ両手を挙上しながら舞う伝統的な踊り)を参加者全員で踊ります。「ユイユイ」はテレビ番組「ひらけ!ポンキッキ」で放映され大ヒットしており,聴いたことがある方もいると思います。大会のホームページでも動画を視聴できるので,ぜひ予習してきてください。
─会場となる沖縄コンベンションセンターへのアクセスや食事についても,ご案内願います。
上田氏:会場周辺には宿泊施設が少ないために,那覇市内の県庁前と会場を結ぶシャトルバスを運行します。スケジュールは大会ホームページに掲示します。そのほかにも路線バス,空港リムジンバスなどがありますが,ルートにより所要時間が変わるので,事前に確認してください。
また,食事については,4日間,複数の会場でのランチョンセミナーを用意するほか,キッチンカーも手配しています。それから,会期中の服装は,沖縄県で着用されているかりゆしウェアを推奨しています。私たちや実行委員も,今回の大会用に用意したかりゆしウェアを着て皆さんをお迎えします。
放射線診療のさらなる発展に向け一体となって取り組みを
─第1回大会を迎えるに当たって,放射線診療における現在の課題や今後の展望についてのお考えをお聞かせください。
上田氏:放射線診断医や放射線治療医,JSRTやJARTなど放射線診療にかかわるすべての人が一体となって,盛り上げていくことが大事だと考えていますが,これまではその取り組みが十分とは言えませんでした。今後は,大会テーマにある「All Japan Radiological Technology」のとおり,放射線診療にかかわるすべての人が一体となって,発展に向けて取り組んでいく必要があります。それが放射線診療を所管する厚生労働省などから信頼を得ることにつながり,結果として国民の利益になるはずです。本大会が,そのステップの一つとなることを期待しています。
白石氏:国が進める医師の働き方改革により,タスク・シフト/シェアとして診療放射線技師の業務が拡大され,告示研修が行われました。さらに,今後はSTAT画像所見報告が診療放射線技師の業務として進んでいくことになります。これは大変重要なことで,実施している施設としていない施設の間に大きな差ができてしまう可能性があります。だからこそ,診療放射線技師の皆さんがSTAT画像所見報告の重要性を認識した上で,病気の早期発見・治療が確実にできるような仕組みをつくっていくことが大切だと考えています。そのためにも,JRS,JCR,JSRT,JARTでは,「放射線診療4団体連絡協議会」を設けて,定期会合を行っています。
富田氏:私は両団体の会員であり,若いころから合同の学術大会があればよいと思っていました。その後,JSRT-JART将来構想会議の委員,現在はJSRT-JART協力体制推進特別委員会の委員長として活動しており,第1回大会を迎えることができて,大変うれしく思います。ぜひ多くの方が参加して,今後の大会のあり方などを両団体で考える機会になることを期待しています。現在,両団体は風通しが良く,放射線診療の課題などを議論できる関係を築いていますが,合同の学術大会を開催することになり,さらに結束が強くなったと感じています。これからも,互いを尊重しながら,方向性などを検討していければよいと期待しています。
奥田氏:コロナ禍を経て社会が変わり,放射線診療も変革期を迎えています。その象徴の一つと言えるのが今回の大会だと思います。タスク・シフト/シェアにより診療放射線技師の業務が変化していく中で,JSRTが放射線技術学によってどのようにサポートしていくのか,本大会が多角的な視点から考えるスタート地点となるのではないでしょうか。
JARTとJSRTの未来を考える大会に
─多くの方に大会に参加してもらうために,メッセージをお願いします。
奥田氏:「家まで水道管が通っているけれども蛇口がない」と感じている方にとって,その蛇口が見つかる大会になると思います。未来はこうありたいけれども,いまの環境ではできないと感じている課題の解決の糸口を見つけてほしいです。
富田氏:期間中はたくさんの合同プログラムを用意していますので,「1粒で2度おいしい」大会を味わってほしいと思います。
白石氏:以前から合同の学術大会を希望する声は多くありました。しかし,その実現には両団体の意見のすり合わせが必要でたくさんの課題もありました。今回,多くの方のご尽力のお陰で開催にこぎ着けることができました。今回の大会に多くの方が参加して,自分も将来,合同学術大会にかかわりたいと思う若い人たちが出てきてくれたらよいですね。そして,自分ならば次はどのような大会にするかという視点を持って,参加してもらえたらうれしいです。
上田氏:現地に来ることができない方もWebで参加し,たくさんのプログラムを視聴して,JARTとJSRTの未来を描いてください。
上⽥ 克彦 氏(Katsuhiko Ueda)
第1回日本放射線医療技術学術大会 大会長
⽇本診療放射線技師会 会⻑
九州大学医療技術短期大学部卒業。山口大学医学部附属病院放射線部診療放射線技師長・医療人育成センターコメディカル育成支援部門長,京都大学医学部附属病院放射線部診療放射線技師長,日本放射線技術学会理事,全国国立大学放射線技師会長を歴任。現在,日本診療放射線技師会会長およびチーム医療推進協議会代表を務める。
白石 順二 氏(Junji Shiraishi)
第1回日本放射線医療技術学術大会 大会長
⽇本放射線技術学会 前代表理事
1980年大阪大学医療技術短期大学部卒業後,2001年まで大阪市立大学医学部附属病院で診療放射線技師として勤務。2001年に工学博士号取得後,同年7月から渡米し,2009年までシカゴ大学カートロスマン放射線像研究所に研究員として在籍。2009〜2024年熊本大学大学院教授。2024年3月から福岡国際医療福祉大学教授。2019〜2022年に日本放射線技術学会代表理事を務める。
富田 博信 氏(Hironobu Tomita)
第1回日本放射線医療技術学術大会 実行委員長
⽇本診療放射線技師会 副会長
1992年診療放射線技師免許取得。2023年3月まで埼玉県済生会川口総合病院にて技師長兼医療技術部部長。2023年4月より埼玉県済生会川口総合病院病院長補佐,帝京大学医療技術学部診療放射線学科教授。2007年国際医療福祉大学大学院保健医療学修士,2019年鈴鹿医療科学大学大学院医療科学博士。2020年6月から日本診療放射線技師会副会長,2023年6月から埼玉県診療放射線技師会会長を務める。
奥田 保男 氏(Yasuo Okuda)
第1回日本放射線医療技術学術大会 実行委員長
⽇本放射線技術学会 副代表理事
愛知県岡崎市の市民病院で30年近く勤務した後,「東日本大震災」が生じた2011年に放射線医学総合研究所(現・量子科学技術研究開発機構)に転職し,現在は同機構の情報基盤管理部の部長として従事。2011年度から日本放射線技術学会理事,2017年度から同学会副代表理事を務める。
(取材日:2024年8月19日,文責・編集部)
第1回日本放射線医療技術学術大会プログラムガイド
開催概要と主要プログラムを紹介
日本診療放射線技師会(JART)と日本放射線技術学会(JSRT)が初めて行う合同学術大会である第1回⽇本放射線医療技術学術⼤会(JCRTM 2024)。これまでにない企画を用意し,参加者を迎える。記念すべき第1回大会として,見逃せないプログラムが目白押しだ。ここでは,開催概要や会場へのアクセス,主要なプログラムを紹介する(記事中,敬称略)。
開催概要
● 大会名:第1回⽇本放射線医療技術学術⼤会(JCRTM 2024)
(第40回⽇本診療放射線技師学術⼤会・第52回⽇本放射線技術学会秋季学術⼤会 合同大会)
https://www.linkage-okinawa.co.jp/jcrtm2024/
●会 期:現地開催 2024年10⽉31⽇(⽊)〜11⽉3⽇(⽇)
オンデマンド 2024年11⽉1⽇(金)〜12⽉9⽇(⽉)
●会 場:沖縄コンベンションセンター
〒901-2224 沖縄県宜野湾市真志喜4-3-1
期間中,無料のシャトルバスを運行予定(沖縄コンベンションセンター−県庁前県民広場発着)
●テーマ:ゆいまーる ~診療放射線技術の共創~ All Japan Radiological Technology
●大会長:上⽥ 克彦(⽇本診療放射線技師会会⻑)
⽩⽯ 順⼆(⽇本放射線技術学会前代表理事)
●実行委員長:富⽥ 博信(⽇本診療放射線技師会副会⻑)
奥⽥ 保男(⽇本放射線技術学会副代表理事)
● 実行委員:川守田 龍(多根総合病院),城處 洋輔(埼玉県済生会川口総合病院),野口 幸作(東京臨海病院),江端 清和(日本診療放射線技師会),児玉 直樹(新潟医療福祉大学),西小野昭人(熊本赤十字病院),江藤 芳浩(医療法人慈恵会西田病院),長野 篤(友愛医療センター),安座間泰晴(沖縄県立中部病院),園田 優(聖隷佐倉市民病院),梁川 範幸(つくば国際大学),林 秀隆(量子科学技術研究開発機構),田中 利恵(金沢大学),高尾 由範(大阪公立大学医学部附属病院),紀太千恵子(天理よろづ相談所病院),今江 禄一(東京大学医学部附属病院),青山 信和(琉球大学病院),久場 匡(沖縄県立宮古病院)
●参加登録
・登録費:正会員・JSRT賛助会員 1万5000円(不課税)
非会員 3万円(税込み)
学生会員 2000円(不課税)
学生非会員 3000円(税込み)
・登録期間:2024年9⽉2⽇(月)~12月9⽇(月)
・登録方法:日本診療放射線技師会・日本放射線技術学会合同学術大会登録受付システム
https://www.linkage-okinawa.co.jp/jcrtm2024/registration.html
●運営事務局
第1回日本放射線医療技術学術大会運営事務局
株式会社リンケージ沖縄内
〒901-2224 沖縄県宜野湾市真志喜2-8-8-2F
TEL:050-3666-2460 / FAX:098-890-1921
E-mail:jcrtm2024@linkage-okinawa.co.jp
主要プログラム
●10月31日(木):1日目
・緊急報告企画 11:00~11:50〔第1会場(劇場)〕
「令和6年能登半島地震への支援活動報告」
(1) JARTの災害支援体制とオフサイト対応
江藤 芳浩(日本診療放射線技師会副会長)
(2)石川県庁調整本部および被災医療施設支援のオンサイト活動報告
江端 清和(日本診療放射線技師会業務執行理事)
・学術企画(1)(日本放射線技師教育学会・JSRT教育委員会)
「教育の在り方と社会貢献を考える」
・学術企画(2)(JART倫理委員会,JSRT倫理審査委員会)
「両会の研究倫理・報告等について」
・学術企画(3)(JART骨関節撮影分科会,JSRT撮影部会・画像部会)
「X線撮影の標準化を考える」
・ 学術企画(4)(JART放射線管理士分科会・医療被ばく安全管理委員会,JSRT計測部会)
「JART with JSRT計測部会 求められる線量管理時代〜医療被ばく低減施設認定事業開始から20年 これから認定取得を目指す方へ〜」
・JIRAワークショップ「被ばく線量管理システムのさらなる普及に向けたユーザ側とメーカ側の連携」
●11月1日(金):2日目
・特別講演(1) 13:10~14:30〔第1会場(劇場)〕
「デジタル脳プロジェクトのめざすもの」
銅谷 賢治(沖縄科学技術大学院大学神経計算ユニット)
・教育講演(1) 14:40~15:30〔第1会場(劇場)〕
「STAT画像:典型例と知っていて損はないプラスアルファの所見」
西江 昭弘(琉球大学大学院)
・沖縄県企画 17:10~18:00〔第1会場(劇場))
(1) 「水族館でX線を使ってみました」
関口 智子(北部地区医師会北部地区医師会病院)
(2)「沖縄美ら海水族館の健康管理~画像診断を中心に~」
植田 啓一(沖縄美ら島財団附属動物病院)
・学術企画(5)(JART STAT画像報告委員会,JSRT撮影部会・教育委員会・学術委員会)
「診療放射線技師によるSTAT画像報告」
・ 学術企画(6)(日本医用画像管理学会,JART医療画像情報精度管理士分科会,JSRT医療情報部会)
「医用画像領域における医療情報再考」
・学術企画(7)(JART医療安全対策委員会,JSRT医療安全委員会)
「業務拡大の現状及び教育機関を含めた今後の展開」
・学術企画(8)(JART診療報酬政策立案委員会)
「診療報酬と必要とされる診療放射線技師」
・学術企画(9)(JART災害対策委員会・災害支援認定診療放射線技師分科会)
「放射線災害対応~避難退域時検査と甲状腺モニタリング~」
・学術企画(10)(JART消化管画像分科会,JSRT画像部会)
「透視検査における画質とノイズ低減技術の変遷~画像ノイズの理解と抑制~」
・学術企画(11)(JART検査説明委員会・チーム医療推進委員会)
「医師のタスク・シフト/ シェアを進めるために─3年目の現在地と今後の期待─」
・ 学術企画(12)(JSRT教育委員会)
「画像解剖(1) 科学的・臨床病理学的根拠に基づいた乳腺画像診断─乳腺画像のその先を読み込む新時代の乳腺画像診断に向けて─」
・学術企画(13)(JSRT教育委員会)
「画像解剖(2)」
・JIRA発表会(第41回)
●11月2日(土):3日目
・特別講演(2) 13:10~14:30〔第1会場(劇場)〕
「宇宙放射線の観測衛星からフォトンカウンティングCTまで~新しい放射線イメージングを支える半導体を沖縄から~」
大野 良一(株式会社アクロラド)
・教育講演(2) 9:00~9:50〔第1会場(劇場)〕
「心臓血管外科領域における手術支援画像の必要性とその実際~画像構築スキルは,手術成績向上,合併症回避に不可欠なツール~」
永野 貴昭(琉球大学病院)
・第1回大会開催記念企画 15:30~17:30〔第1会場(劇場)〕
「All Japan Radiologyの実現に向けて」
(1) JARTの立場から(仮題) 上田 克彦(日本診療放射線技師会会長)
(2) JSRTの立場から(仮題) 石田 隆行(日本放射線技術学会代表理事)
(3) JRCの立場から(仮題) 青木 茂樹(日本ラジオロジー協会代表理事)
(4) JRSの立場から(仮題) 富山 憲幸(日本医学放射線学会理事長)
(5) JCRの立場から(仮題) 山田 惠(日本放射線科専門医会・医会理事長)
(6) JIRAの立場から(仮題) 瀧口登志夫(日本画像医療システム工業会会長)
(7) 第1回日本放射線医療技術学術大会開催への道のり 白石 順二(日本放射線技術学会前代表理事)
・学術企画(14)(JART画像等手術支援分科会,JSRT撮影部会)
「手術支援画像作成のためにすべきことは」
・学術企画(15)(JART放射線機器管理士分科会,JSRT標準化委員会)
「放射線医療機器の安全管理の“これまで”と“これから”」
・学術企画(16)(JSRT核医学部会)
「現場で診断に寄与する撮像技術」
・ 学術企画(17)(JART国際委員会,JSRT国際戦略委員会・アジア放射線技術教育支援特別委員会)
「JART・JSRTの国際的な取り組みについて」
・ 学術企画(18)(JART放射線被ばく相談員分科会,JART医療被ばく安全管理委員会,JSRT放射線防護部会)
「小児股関節生殖腺シールドの廃止に向けて」
・ 学術企画(19)(日本放射線カウンセリング学会,JART医療被ばく安全管理委員会,JSRT放射線防護委員会)
「患者さんから声をかけられた その時あなたはどうする?」
・学術企画(20)(JART人材育成委員会)「人材育成におけるマネジメントラダーの活用について」
・情報交換会
●11月3日(日):4日目
・教育講演(3) 9:00~9:50〔第1会場(劇場)〕
「診療放射線技師の一次照合に期待するもの みんなで考えるImage-Guided Radiation Therapy(IGRT)」
有賀 拓郎(琉球大学病院)
・市民公開講座 13:40~15:00〔第5会場(B5-7)〕
「おきなわ津梁ネットワークについて(仮題)」
(1) 沖縄県民の健康を護るEHRを目指すおきなわ津梁ネットワーク
比嘉 靖(沖縄県医師会)
(2)沖縄で日本初の試みを-津梁ネットワークとの協働と将来-
神田玲子(量子科学技術研究開発機構)
・学術企画(21)(JART放射線治療分科会,JSRT放射線治療部会)
「IGRTの一次照合の取り組み-実践能力を高める-」
・学術企画(22)(日本放射線公衆安全学会,JSRT放射線関係法令委員会)
「放射線管理人材の育成」