より安全で効果的な造影検査の実現へ─AIによる造影効果の増幅(2025/2/27)
2025-4-1

造影剤は病変の発見を容易にする一方で,副作用などの懸念から,なるべく患者負担の少ない用量での使用が望まれている。特に脳の潜在性転移の検出では,高用量造影MRIが有用であることが知られているが,2月19日,ディープラーニングを用いて通常の造影MRI T1強調画像(T-SD画像)から「2倍量造影画像(A-DD画像)」を生成することで,読影精度が向上したという研究成果がInvestigative Radiologyに発表された。
独ボン大学や米ハーバード大学などの共同研究チームが行った本研究では,脳転移を有する患者の非造影画像/低用量造影画像/T-SD画像を用いて,画像処理に適したディープラーニングモデル(U-Netモデル)を学習し,30人の患者のT-SD画像から造影効果を抽出して2倍に増幅した画像:A-DD画像を生成した。4名の医師(放射線科医2名,フェロー,研修医)が両画像を用いて読影を行った結果,A-DD画像を併用する方が,より多くの転移を検出可能という結果が得られた。放射線科医では感度が12.1%上昇し,経験の浅いフェローや研修医では,7-12%程度多くの転移を発見できた。また,フェローや研修医の読影の感度は,T-SD画像のみを用いた放射線科医の読影と同程度まで向上していた。とりわけ5mm以下の転移に対する感度の上昇が顕著であった。
著者らは「AIの補助により,読影精度を高めることに加え,造影剤の使用量の削減に繋げられる可能性がある」と述べている。今後は他の画像診断モダリティへの応用や検証が望まれるだろう。
【参照論文】
Deep Learning–Based Signal Amplification of T1-Weighted Single-Dose Images Improves Metastasis Detection in Brain MRI