富士通Japan 電子カルテ情報共有サービス開始に向けた電子カルテシステムの対応について
システムベンダーの電子カルテ情報共有サービス対応状況
2025-3-17
はじめに
間もなく開始される電子カルテ情報共有サービスは,日々の診療における他院との連携を大きく変革すると考える。診療情報提供書や薬剤アレルギー情報といった重要な情報連携が強化されることで,患者にとっては重篤な副作用リスク軽減と安全・安心な医療の実現,医療機関にとっては正確な情報共有による質の高い安全な医療提供へとつながっていく。当社は電子カルテ情報共有サービスに対する対応として,電子カルテ情報共有サービスの開始に合わせて,電子カルテ連携機能のリリースを予定している。
システム改修の概要
1.改修の目的と概要
本改修の主要な目的は,電子カルテ情報共有サービスへの3文書6情報の円滑な送受信,閲覧,保存機能を既存の電子カルテシステムに追加することである(図1)。

図1 電子カルテ情報共有サービス開始に向けた電子カルテシステムの対応について
(「医療機関等向け総合ポータルサイト」資料より引用改変)
2.登録機能の強化
紹介元医療機関において,電子カルテシステムに記録した診療情報提供書・退院時サマリーおよび処方情報以外の5情報を電子カルテ情報共有サービスに登録するための機能を強化する。実装予定の主要機能をいくつか紹介する。
・紹介先医療機関検索機能:紹介状を作成する際に,紹介先医療機関が電子カルテ情報共有サービスを利用可能かどうかリアルタイムに確認できる機能を追加する。これにより,適切な情報送信方法を選択できる。
・患者同意入力機能:電子カルテ情報共有サービスを利用した情報送信における患者の同意を,医師が口頭で確認した上で診療情報提供書に同意の有無を入力する機能を追加する。
・各種フラグ設定機能:病名,アレルギー情報,感染症情報などに対して,長期保存,未告知,未提供などのフラグを設定できる機能を追加する。これらのフラグは,電子カルテ情報共有サービスにおける管理とプライバシー保護に利用される。
3.参照機能の強化
紹介先医療機関において,電子カルテ情報共有サービスから3文書6情報を取得し,閲覧するための機能を強化する。いくつかピックアップして記載する。
・文書閲覧機能:受信した文書を閲覧,ダウンロードできる機能を追加する。PDFファイルや画像ファイルなどのファイルを閲覧可能とする。
・診療情報提供書のカルテ保存機能:ダウンロードした診療情報提供書を電子カルテに保存する機能を提供する。これにより,電子カルテ情報共有サービスから取得した診療情報提供書を,従来通りにカルテ閲覧機能により参照可能とする。
・臨床情報参照機能: オンライン資格確認システムと連携し,患者の同意に基づいて,6情報や健診結果報告書を参照できる機能を追加する。
まとめ
今後,電子カルテ情報共有サービスの推進では,連携や運用面での課題も多く想定される。当社は長年の医療情報システム開発・運用実績と高度な技術力を生かし,国・医療機関と連携を取りながらITで医療の質向上に貢献していく。
問い合わせ先
富士通Japan株式会社
ヘルスケア事業本部
ヘルスケアソリューションビジネス部
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