ファイルメーカー,最新バージョンのFileMaker16や新サービス「FileMaker Cloud」を中心にアピール
2017-7-14
ファイルメーカーブース
ファイルメーカーは,FileMakerプラットフォームを利用して開発された医療向けソリューションやアプリケーション(カスタムApp)の紹介やFileMakerに関するさまざまな相談が受けられる“FileMaker Bar”などで展示を構成した。プレゼンテーションステージでは,医療向けカスタムAppの紹介やFileMaker16の新機能,データ可視化ツールTableau Webデータコネクタ for FileMakerなどの紹介が行われた。
ブースに出展したのは,テクニカル・ユニオン「FileMakerホスティングサービス」,ジェネコム「病床管理・看護経過記録システム【SPACE】」,イエス ウィ キャン「Yes!歯科見積・補綴説明システム」。そのほか,あやとりシステム「さんぽカルテ(企業向け健康管理システム)」,NEWGATE「漢方診療録システム」などがカタログで紹介された。
また,ホスピタルショウ直前(7月11日)に日本でもサービスがスタートしたFileMaker Cloudについてもアピールした(インタビュー参照
)。
●イエス ウィ キャン「Yes!歯科見積・補綴説明システム」
Yes!歯科見積・補綴説明システム「OWL VIEW」は,歯科医院向けの見積もり作成システム。歯科治療では,自費診療の場合にインプラントなどさまざまな選択肢があり価格もさまざまだが,口頭や模型を使った説明だけでは実際の治療結果と違うなどでトラブルが発生するケースもある。OWL VIEWでは,患者の口腔内の状態に合わせて,X線画像や歯科材料の画像を使って治療後の状態を表示すると同時に治療費が計算される。患者の希望に合わせたいくつかのパターンを提案でき,画像と見積書を合わせた書類を作成することが可能だ。OWL VIEW開発のきっかけとなった歯科医院では,システム導入後自費治療が5割アップし,治療後のトラブルもなくなったという。ソフトウエアの価格は30万円(別にFileMaker Proのライセンスが必要)で,同様のシステムに比べて導入コストが安価なのも特長である。
また,イエス ウィ キャンはamazon web servicesのAPN(AWS Partner Network)コンサルティングパートナーであり,OWL VIEWについてもFileMaker Cloudを利用したサービスの開発を進めていくとのことだ。
◎FileMaker Cloudが日本でもサービスイン
信頼性の高いFileMaker Cloudを利用して簡単,スピーディな環境構築が可能
ホスピタルショウ直前の7月11日に,日本においてFileMaker Cloudのサービスがスタートした。FileMaker Cloudは,amazon web services(AWS)クラウド上で稼働しAWS Marketplaceを通じて提供される。FileMakerプラットフォームのシンプルさやパフォーマンスはそのままに,より簡単かつスピーディに構築することが可能になった。
スタートに合わせて来日した米国本社のシニアプロダクトマネージャーであるアナンド・ベッゲラ(Anand Vaghela)氏と,ビル・エプリング(Bill Epling)社長にFileMaker Cloudのメリットについてホスピタルショウ会場内同社ブースでインタビューした。
◎FileMaker Cloudが日本でもスタートしました。
ベッゲラ氏:FileMaker Cloudは,2016年9月に米国で先行してリリースしました。すでに米国内ではいくつかの医療関連施設で採用事例があります。ニューヨークの医療機器会社では,医療機関の患者の個人情報にかかわるデータを社内のサーバに持つのではなく,強固なセキュリティを持つFileMaker Cloud上に置くことで,高い信頼関係を築いています。日本でも,多くの医療機関や医療情報システム提供企業でFileMaker Cloudが利用されることを期待しています。
◎FileMaker Cloudを利用するメリットを教えてください。
ベッゲラ氏:1つはスピードです。FileMaker Cloudでは20分でセットアップ可能です。さまざまなセキュリティの設定を含めて自動でサーバのセッティングが完了します。自前(オンプレミス)でサーバ構築を行うことから考えると格段に早く簡単に導入が可能です。
もう1つは可用性(スケーラビリティ)の高さです。自前での導入ではハードウエアのスペックを決めて購入し,それをある期間資産として使い続ける必要があります。FileMaker Cloudでは,管理コンソール上でAWSのインスタンスを柔軟に変更することができます。最小限の規模でスタートして,事業展開に合わせてスペックを変更することが可能です。インスタンスの変更は10分程度で完了しますので,サービスのダウンタイムも最小限ですみます。
◎改めてソリューション開発にFileMakerプラットフォームを使うメリットはどんなところかおうかがいします。
エプリング氏:FileMakerプラットフォームの良いところは,FileMakerという開発環境さえマスターすれば,さまざまなOSやWebブラウザなどで共通のプラットフォームで運用ができることです。今回,FileMaker Cloudがスタートしたことで構築環境についても,さらに選択の幅が広がりました。医療ITシステムは,複雑で高度化する医療環境や日々進化する医療技術にあわせて,常に最適化が求められますがFileMakerならばそれが可能です。医療従事者が効率的に働くことができる環境は患者さんにとっても有益であり,その環境構築にFileMakerが少しでもお役に立てればわれわれにとってもうれしいことです。
◎FileMaker Cloudに期待する日本のユーザーにメッセージをお願いします。
ベッゲラ氏:FileMaker Cloudは,データベース自体の暗号化やSSL/TLS通信暗号化によって高いセキュリティを担保しているほか,AWSのVPS設定によって医療機関のIPアドレスからのみAWSへのアクセスが可能になるよう設定変更することも可能です。患者情報など機微性の高いデータを扱う医療機関にも対応できる環境構築が可能ですので,信頼性の高いFileMaker Cloudをぜひ使っていただきたいと思います。
●お問い合わせ先
社名:ファイルメーカー株式会社 法人営業部新規購入
TEL:0120-983-878(受付時間:10:00-17:30祝日を除く月曜日から金曜日)
URL:www.filemaker.com/jp
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