富士フイルムメディカル,独自のAI技術で医療現場の働き方改革を支援するソリューションを展示

2025-8-26

富士フイルム


AI技術ブランド「REiLI」を核に業務効率化や診療の質能向上に資するソリューションを展示した富士フイルムメディカルブース

AI技術ブランド「REiLI」を核に業務効率化や
診療の質能向上に資するソリューションを展示した
富士フイルムメディカルブース

富士フイルムメディカルと富士フイルムメディカルITソリューションズは,独自のAI技術を核としてヘルスケア領域におけるさまざまな課題の解決やニーズに対応する多彩なソリューションを展示した。働き方改革ソリューションとして,統合診療支援プラットフォーム「CITA Clinical Finder」や診療文書管理・診療業務支援ソリューション「Yahgee」の新機能,薬剤部での監査業務を支援する一包化監査支援システム「PROOFIT 1D Ⅱ」などを展示。そのほか,クリニック・中小病院向けの新しいPACS「SYNAPSE LEAD」,健診業務トータルサポートシステム「Hellseher Next(ヘルゼアネクスト)」のWeb予約機能など,さまざまなニーズに応えられることをアピールした。

電子カルテなどと連携した診療文書の作成や診療業務の進捗管理などをサポートするYahgeeに,新たにサマリ作成支援AIが搭載された。オープンソースの大規模言語モデル(LLM)をベースに富士フイルムが開発した独自のLLMを用いて,退院サマリの文案を自動作成して提示する機能で,従来サマリの作成で時間がかかっていた入院経過などの要約の作成を支援する。サマリ作成支援AIはYahgeeのDocument Editorのサマリ作成の画面上に表示され,別のアプリやウィンドウを開くことなくシームレスに利用できる。ハルシネーションをチェックする機能として,作成された要約の根拠となった記事を対照して確認できるようになっている。また,オンプレミスの生成AIサーバを使うことで,医療機関のクローズな環境で利用できるのも特徴だ。

Yahgeeの画面に統合されて利用できるサマリ作成支援AI

Yahgeeの画面に統合されて利用できるサマリ作成支援AI

 

ハルシネーション確認画面では根拠となった記事を対照しながら確認が可能

ハルシネーション確認画面では根拠となった記事を対照しながら確認が可能

 

統合診療支援プラットフォーム「CITA Clinical Finder(以下,CITA)」には,新たに「参照支援サジェスト」と「外来患者向け転倒リスク予想」の2つのAI機能が搭載された。参照支援サジェストAIは,CITAを立ち上げている際に,ログインしている医療従事者の職種や所属診療科,直前に参照していたデータや患者の診療状況などから,次に参照する可能性が高いデータをAI技術で予測して表示する機能。参照画面のサイドにウィンドウとして表示され,参照確率が高いと予測されたデータ順にリスト表示される。1週間に1回,使用状況を学習するため,使えば使うほど予測の精度が向上する。外来患者向け転倒リスク予想AIは,CITAに蓄積された疾患情報や処方情報などの患者の診療情報を基に,外来受診者の転倒リスクをスコア化して提供する。入院患者の転倒・転落のリスク管理はこれまでも行われてるが,外来患者については患者数が多いことや院内の滞在時間が短いことから把握が難しく,対策が取られないことが多かった。外来患者向け転倒リスク予想AIでは,年齢や既往症,降圧剤処方や化学療法中といった情報から転倒リスクスコアを算出し,リスクの高い順にリストを表示することで,情報共有を促し高リスク患者の把握と転倒防止策の展開をサポートする。

参照支援サジェストAIでは右側のウインドウに次の参照データをリコメンド

参照支援サジェストAIでは右側のウインドウに次の参照データをリコメンド

 

外来患者向け転倒リスク予想AIは転倒リスクスコアの高い順にリスト表示

外来患者向け転倒リスク予想AIは転倒リスクスコアの高い順にリスト表示

 

「SYNAPSE LEAD」は,2025年4月に発売されたクリニックや中小病院向けPACSの新製品だ。読影ビューワとしてAI技術を活用して開発された機能を搭載した「SYNAPSE SAI viewer」を採用,患者ごとのタイムラインビューや画像のサムネイル表示など直感的な操作が可能なワークリストなど,高度な機能をわかりやすいユーザーインターフェイスで提供して,効率的な画像参照環境を構築できる。オンラインによるソフトウエアのバージョンアップに対応しており,システムをいつでも最新の状態に保つことができる。また,コンパクトサーバを採用し,従来と比べて大幅に小型化してスペースの少ないクリニックなどでも導入しやすくしているのも特徴だ。

クリニックや中小病院向け新しいPACS「SYNAPSE LEAD」

クリニックや中小病院向け新しいPACS「SYNAPSE LEAD」

 

省スペースのコンパクトサーバを採用

省スペースのコンパクトサーバを採用

 

健診業務トータルサポートシステム「Hellseher Next(ヘルゼアネクスト)」に新たに追加された,Web予約機能を紹介した。ヘルゼアネクストは,大規模検診施設がターゲットになっていることから,Web予約機能についても通常の検診メニューだけでなく団体枠や巡回検診の予約にも対応している。特徴は,ヘルゼアネクストが持つコースや契約情報と連携して,予約業務に人手を介さないような仕組みを実装していることだ。団体枠では,従業員リストを基にID・パスワードを発行し,各従業員が直接予約を取ることができる。また,予約の日時変更は業務の負担になることが多いが,QRコードを発行して読み取ることで受診者が直接変更できるようになっている。Web予約機能はセキュアな仕組みを採用しており,インターネット上では個人情報を扱わないように配慮されている。

健診業務トータルサポートシステムHellseher NextのWeb予約機能

健診業務トータルサポートシステムHellseher NextのWeb予約機能

富士フイルム


TOP