ITEM2025 ホロジックジャパン ブースレポート
X線骨密度測定装置「Horizon」の直販を開始し,スクリーニングからフォローアップまで乳がん画像検査をトータルサポート
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2025-5-1

ホロジックジャパンブース
ホロジックジャパンは,2024年よりX線骨密度測定装置「Horizon」の直販を開始し,マンモグラフィ,バイオプシー,骨密度測定と,乳がん診療に必要な画像診断機器をトータルソリューションで提供する体制を整えた。Horizonは腰椎側面を仰臥位で撮影できるX線骨密度測定装置の最上位機種で,実機を使ったデモンストレーションで紹介した。また,マンモグラフィはハイグレードモデル「3Dimensions」を,独自の圧迫板「SmartCurve」やソフトウエア「3DQuorum」とあわせて展示し,被検者や検査技師,読影医の負担を軽減できることをアピールした。バイオプシーシステムは国内販売を開始した「Brevera Breast Biopsy System」を展示し,ウィメンズヘルスのリーディングカンパニーとして,スクリーニングからフォローアップまでをトータルサポートする製品ポートフォリオを披露した。
また,ブースでは来場者にホロジックの会員サイト(https://hologic.co.jp/membership.html
)も案内した。ユーザー以外も登録が可能で,ホロジックの技術資料や導入施設へのインタビュー動画などのコンテンツを用意しており,マンモグラフィやバイオプシーシステムなどを実際に使用しているユーザーの声を聞くことができる。
●骨密度測定装置:仰臥位側面撮影で再現性の高い検査が可能な「Horizon」
2024年10月より直販に移行した「Horizon」は,DXA法による腰椎・大腿骨・前腕骨撮影だけでなく,全身の検査が可能なX線骨密度測定装置で,最上位機種ではCアーム型のX線管球が動作することで,仰臥位のまま腰椎の側面(ラテラル)撮影できる点が大きな特長となっている。海綿骨が多い腰椎では骨密度変化をより早期にとらえることができるが,正面撮影では腹部大動脈の石灰化が測定に影響するため,側面で撮影することでより精密な骨密度データを取得できる。しかし,側臥位での撮影では,体位の保持が難しく再現性が低いため,臨床で実施することが難しい。それに対して,Horizonでは仰臥位のまま側面撮影が可能なため,高い再現性を得られ,骨粗鬆症の治療効果判定や乳がん治療のフォローアップにおける経時的変化をより高精度にとらえることができる。撮影では,管球側で100kVpと140kVpを高速(1分間に5000回)に切り替えており,エネルギーの高低を機械的に認識しているため精度の高い解析が可能となっている。管球負荷が高い撮影法であるが,オイル冷却方式の採用により連続撮影でも高い耐久性を発揮する。
腰椎の側面撮影では,患者をポジショニング後に正面を撮影,解析して腰椎位置を認識し,Cアームを回転させて側面を撮影する。腰椎2方向撮影では5〜10分,大腿骨も含めた2部位撮影では15分程度で検査を完了できる。ベッドとCアームが逆方向に動作することで,長手方向約2mの設置スペースで全身撮影が可能であり,体組成(脂肪量や除脂肪量)の定量化によりサルコペニア診断にも活用できる。

直販を開始したX線骨密度測定装置「Horizon」

Cアームが動作することで,患者を仰臥位にしたまま腰椎の側面撮影が可能
●マンモグラフィ:ニーズの高まるトモシンセシス撮影に対応するハイグレードモデル「3Dimensions」
国内では,2024年度の診療報酬改定で乳房トモシンセシス(3Dマンモグラフィ)に加算が新設され,トモシンセシスの臨床導入の動きが広がりつつある。ホロジックのデジタルマンモグラフィは,2Dシステムを3Dシステムにアップグレード可能な柔軟さも特長で,そのニーズも高まっているという。
ブースでは,デジタルマンモグラフィのハイグレードモデル「3Dimensions」を独自の圧迫板「SmartCurve」とあわせて展示した。3Dimensionsは直接変換方式のFPDを搭載し,3Dも2Dと同じ70μmで画像を生成するノンビニング方式のイメージング技術「Clarity HD」により,高画質による信頼性の高い検査が可能な最上位機種である。±7.5°の範囲を15回撮影する3Dは,3.7秒と高速に撮影でき,被検者の不快感や体動を軽減する。画像再構成も約5秒と短く,迅速な画像確認を支援する。
SmartCurveは,乳房圧迫時の被検者の痛みや不快感を軽減するために開発されたホロジック独自の圧迫板で,「SmartCurve 2」や「SmartCurve Mini」をラインアップする。従来は平面だった圧迫面に丸みを持たせて乳房にフィットするデザインとすることで圧迫による不快感を軽減するとともに,装置側のせり上がり部分にもカーブを付けることで,ポジショニングの際に検査技師が手を抜きやすくなっている。

トモシンセシス対応のハイグレードモデル「3Dimensions」

検査負担を軽減する独自設計の圧迫板「SmartCurve」などラインアップを展示
また,トモシンセシス読影をサポートするソリューションとして,同社開発の「genius AI」を組み込んだソフトウエア「3DQuorum」も紹介した。3DQuorumは,1mmスライス厚のトモシンセシス画像から6mm厚の画像「SmartSlice」を再構成することができ,1mmのトモシンセシス画像と同等の画質,感度,精度で読影を行うことができる。これを活用することで,読影する画像枚数が66%減り,読影時間を約15%短縮できるなど,読影の負担を軽減する。展示では,バルコ社の32MPマルチモダリティワイドディスプレイ「Coronis OneLooK」(2025年発売予定)を用いて大画面でのマンモグラフィ読影環境を提案し,3DQuorumの画像を供覧した。

32MPの大画面ディスプレイで「3DQuorum」の画像を紹介
●バイオプシーシステム:生検の時間短縮や被検者の負担軽減に貢献する「Brevera Breast Biopsy System」
ITEM2024で初展示されたバイオプシーシステム「Brevera Breast Biopsy System」は国内での販売が開始され,実機展示と使用イメージやメリットを紹介するプロモーション映像で紹介した。マンモグラフィ下生検において,吸引採取した検体をチューブを通して装置本体に送り,装置内のシールドルームで撮影,高精細50μmの撮影画像をモニタにリアルタイムに表示し,シンプルなワークフローでスループットよくバイオプシー検査が行える。シールドルーム内には12分割されたシャーレ(tissueフィルタ)があり,検体を採取するごとに撮影・シャーレ回転を繰り返し,連続して標本撮影を行うことができる。病変を確認できた時点で検査を終了できるため,検査時間の短縮や被検者の負担軽減に貢献する。

国内販売を開始したバイオプシーシステム「Brevera Breast Biopsy System」

採取した検体を都度撮影・表示し,効率の良い検査が可能
●お問い合わせ先
社名:ホロジックジャパン株式会社
住所:東京都文京区後楽1-4-25 日教販ビル
TEL:03-5804-2340
URL:https://hologic.co.jp/