ITEM2025 JIRA,瀧口登志夫会長が2025年度の活動基本方針などを報告
——日米間の関税問題に関し,加盟企業への情報提供の必要性を示す
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2025-4-12

瀧口登志夫 JIRA会長
一般社団法人日本画像医療システム工業会(JIRA)は,2025国際医用画像総合展(ITEM in JRC)初日の4月11日(金)に恒例の記者会見を行った。はじめに,瀧口登志夫会長が2025年度JIRA活動基本方針や主な活動について報告した。同基本方針は,ITEM2024で発表された「JIRA画像医療システム産業ビジョン2030」の
1. JIRA産業の振興と関連領域との連携強化
2. 【データが変える医療】の実現に向けた環境整備
3. 医療機器に即した法規制,保険制度の実現
4. グローバル市場での競争力の強化
5. 持続可能な医療を提供する産業構築
の5つのビジョンに対応している。このうち,「1. JIRA産業の振興と関連領域との連携強化」については,「肺がんの早期発見への貢献を目指したチーム活動の開始」を掲げ,「低線量CT肺がん検診支援チーム」と「胸部エックス線肺がん検診へのAI-CAD活用提案チーム」の2つのチームで活動を開始する。また,「3.医療機器に即した法規制,保険制度の実現」については,医療の効率化につながる評価など,医療機器の製品化に対して予見性のある診療報酬制度の整備をめざし,2026年度診療報酬改定に向けて一般社団法人日本医療機器産業連合会(JFMDA)と連携し,2025年8月,12月の中医協に参画し要望の提言などを行っていくとした。
また,医療機器産業を取り巻く環境の変化として,JIRAでは従来より世界市場の継続的拡大や国内市場の成長の鈍化を指摘しているが,さらに直近の問題として日米間の関税問題が急浮上している。これについて瀧口会長は,「政府や関係機関と連動し,状況に機敏に対応せざるを得ない」とした上で,JIRAに加盟する特に中小規模の企業に対し,適切な情報提供を行うことが必要と考えていると述べた。

2025年度JIRA活動基本方針

2025年度のJIRAの主な活動

肺がんの早期発見への貢献を目指したチーム活動の開始
このほかに,資料公開として広報委員会副委員長の吉田 輝氏が今回で14年目となる『図表で見る画像医療システム産業 DATABOOK 2025』の発行・内容を紹介したほか,調査・研究委員会委員長の板谷英彦氏が「第22回(2024年度)画像医療システム等の導入状況と安全確保状況に関する調査」の結果概要を報告した。また,事務局長の大塚正明氏が初日を迎えたITEM2025の開催概要を紹介。展示会場内のJIRAステージの座席数を拡大したほか,会場全体を大画面で検索できる「eブースマップ」を設けるなど,リアル開催の価値を高める企画をアピールした。

『図表で見る画像医療システム産業 DATABOOK 2025』(JIRA発行)