ITEM2025 島津製作所 取材速報 
創業150周年を大々的に打ち出したブースで,回診用X線撮影装置の新製品「MobileDaRt Evolution MX9 Version」やさまざま新機能を紹介


2025-4-13


島津製作所ブース

島津製作所ブース

島津製作所は,1875年の創業から今年3月で150周年を迎えたとして,記念の年であることを大々的に打ち出すブースを展開した。壁面には,「150 YEARS ANNIVERSARY」と大きく記載されたほか,カラフルな気球のイラストが描かれた。これは,創業から2年後の1877年に京都府からの依頼によって同社が軽気球を製作し,有人での飛場に成功したという出来事に由来する。同社は,このエピソードを創業150周年記念アニメーションとしてYouTubeで公開しているほか,ブース正面のモニタでも上映した。また,ブース正面には,150周年記念企画の一つとして製作された,京都の伝統工芸作家とコラボレーションした回診用X線撮影装置のコンセプトモデルが展示された。京友禅や西陣織,京和紙,螺鈿細工,七宝焼き,彫金細工などの技術を用い,すべて本物の素材で装飾された雅びな外観が来場者の目を引いていた。

壁面に大きく描かれた「150 YEARS ANNIVERSARY」とカラフルな気球

壁面に大きく描かれた「150 YEARS ANNIVERSARY」とカラフルな気球

 

京都の伝統工芸の作家とコラボレーションした回診用X線撮影装置のコンセプトモデル

京都の伝統工芸の作家とコラボレーションした回診用X線撮影装置のコンセプトモデル

 

また,ブースでは,医療従事者の業務支援・負担軽減やシニアヘルスケアに関連する多くの製品が紹介された。新製品としては,4月10日に発表されたばかりの回診用X線撮影装置「MobileDaRt Evolution MX9 Version(kタイプ)」が注目を浴びた。X線照射部にセカンドモニタと3Dカメラ(オプション)が搭載されたことが大きな特長となっている。セカンドモニタには患者情報やカメラ画像,撮影条件などが表示され,必要な情報を効率的に確認できるほか,撮影条件の調整もセカンドモニタ上で行うことができる。これにより,医療従事者がメインモニタ側に移動することなく,ベッドサイドでの撮影条件の変更が可能となる。また,3Dカメラとレーザーナビゲーション(オプション)を用いることで,ポジショニング不良による再撮影を予防でき,医療従事者の負担軽減や,患者の被ばく低減に寄与する。

回診用X線撮影装置の新製品「MobileDaRt Evolution MX9 Version(kタイプ)」

回診用X線撮影装置の新製品
「MobileDaRt Evolution MX9 Version(kタイプ)」

 

一般撮影システムは,昨年のITEMで発表された「RADspeed Pro SR5 Version」が紹介された。X線管懸垂器操作部のモニタには大型のタッチパネルモニタが採用されたほか,X線照射部に光学カメラを用いた撮影支援機能「VISION SUPPORT」(オプション)を搭載できる。被検者映像とX線の照射範囲を重ねてX線管懸垂器操作部のモニタと撮影コンソールのモニタの両方に表示可能で,操作室と検査室の双方で患者の状況を把握でき,正確なポジショニングを支援する。また,「パワーアシスト機能」やワイヤレスタイプのリモコンを用いた「オートポジショニング機能」などのオプション機能によって,スムーズなポジショニングが可能となる。

一般撮影システム「RADspeed Pro SR5 Version」

一般撮影システム「RADspeed Pro SR5 Version」

 

血管撮影システムは,「Trinias series with SCORE Opera」が展示され,昨年10月に発表された血管撮影システム向け音声認識機能「SMART Voice」がアピールされた。サブスクリプションサービス「SCORE Link」の一機能として追加搭載することができる。SMART Voiceを用いることで,血管系疾患の検査・治療手技中に術者の両手がふさがっている状況でも,治療で頻繁に利用される操作を音声で行うことができる。SMART Voiceは日本語と英語に対応しており,モニタ懸垂器に取り付けた専用マイクに向かって発声するだけで,13種類の機能を操作可能。タッチパネルやコントロールバーの操作のために手を使ったり,患部や画像モニタから視線を外す必要もないため,スムーズな検査・治療が可能となる。

血管撮影システム「Trinias series with SCORE Opera」。展示では,寝台の上に血管撮影システム向け音声認識機能「SMART Voiceのマイクが設置された。

血管撮影システム「Trinias series with SCORE Opera」。
展示では,寝台の上に血管撮影システム向け音声認識機能「SMART Voiceのマイクが設置された。

 

これらのほか,X線関連では,X線テレビシステム「SONIALVISION G4 LX edition」が実機で展示され,新機能として,天板を動かすことなくFPD画像内の視野を移動して関心領域を拡大表示できる「Smart FOV」などが紹介された。また,シニアヘルスケアのコーナーでは,京都の伝統工芸の作家とコラボレーションしたTOF-PET装置「BresTome」のコンセプトモデルが映像で紹介された。

X線テレビシステム「SONIALVISION G4 LX edition」

X線テレビシステム「SONIALVISION G4 LX edition」

 

シニアヘルスケアのコーナーで紹介されたTOF-PET装置「BresTome」のコンセプトモデル

シニアヘルスケアのコーナーで紹介された
TOF-PET装置「BresTome」のコンセプトモデル

 

●関連リンク
150周年記念サイト
150周年記念アニメーション
CAST
島津源蔵:津田健次郎
島津社員:雨宮 天

 

●お問い合わせ先
社名:株式会社島津製作所
住所:京都市中京区西ノ京桑原町1
URL:https://www.med.shimadzu.co.jp/


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