ITEM2025 トーレック ブースレポート
X線装置日常管理用簡易線量計キット「Simple Dosimeter 2」を中心に精度管理や被ばく・安全管理対策のラインアップを紹介
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2025-5-7

トーレックブース
トーレックは,X線装置の精度管理や被ばく管理,MRI用の安全管理対策という2部門で製品を出展した。今回,中心となったのはX線装置の日常管理用簡易線量計キット「Simple Dosimeter 2」とマンモグラフィ用の「Simple Dosimeter MAM2」で,東京都立大学で開発された線量計(MSM-3D)をベースにした初心者でも組み立てやすい組み立てキットで,主に教材として活用されている。ITEM2025に先だって行われたJSRT企画の簡易線量計作成セミナーにも協力し,好評を得たという。一方,MRI領域ではハンディタイプ型高機能金属探知機「Ceia PD240CH」や磁性体検出器「METRASENS ULTRA with XACT ID」(1本型:メトラセンス社)などが展示されたほか,アンフォースレイセイフ社の診断用X線装置精度管理用線量計やサーベイメータなどのラインアップが紹介された。
●日常管理用簡易線量計キット「Simple Dosimeter 2」にマンモグラフィ用が登場
Simple Dosimeter 2は医療用X線装置の日常管理用に機能を絞った簡易線量計の組み立てキットで,主に学生や診療放射線技師向けの教材として活用し,組み立て後は各自が日常管理に用いることができる。初心者にも組み立てやすく,X線の線量率や積算線量,照射時間などの計測が可能である。線量計単独での使用に加え,Bluetooth4.2を搭載することでWindows PCを用いた遠隔操作が可能である。X線の検出にはSiフォトダイオードを使用し,回路を簡略化して高性能マイコンモジュールと組み合わせることで部品点数を削減した。低コストで気軽に所有できる線量計という位置付けで,線量管理の入門として有用なツールである。従来の一般撮影用に加え,新たにマンモグラフィ用の「Simple Dosimeter MAM2」も加わった。Simple Dosimeter MAM2では,トモシンセシスにも対応し,広い入射角測定が可能である。

X線装置の日常管理用簡易線量計キット「Simple Dosimeter 2」
●軽量で携帯性に優れたハンディタイプ型高機能金属探知機「Ceia PD240CH」
Ceia PD240CHは軽量で携帯性に優れた患者スクリーニング機器で,迅速かつ正確なスクリーニング操作やデュアル・トーン,デュアル・カラー表示による高精度の位置出し機能を特長とする。すべての種類の金属に高感度に反応する「オールメタル」,小型の磁性体金属に反応する「ボディ」,微小な磁性体金属に反応する「ヘッド」の3つの検知モードに切り替えが可能で,優れた安全性と使い勝手を考慮した装置である。

ハンディタイプ型高機能金属探知機「Ceia PD240CH」
●シンプルな運用が可能な磁性体検出器「METRASENS ULTRA with XACT ID」
METRASENS ULTRA with XACT IDは,頭部からつま先まで均一に磁性体を検出できるポールタイプで,センサー感度を向上して検知感度を高めると同時に,環境ノイズを除去し,誤認検知を低減している。感度は10段階で調整でき,5つの区分ゾーンで検知位置を示す。ACアダプタに加えて3時間の充電で約16時間し,サウンドや明るさなどの設定は本体のタッチパネルで設定できるため,設置場所を選ばすシンプルな運用が可能である。

磁性体検出器「METRASENS ULTRA with XACT ID」は,装置の前で1回転することで磁性体を検出する。

本体のタッチパネルで設定が可能。
●直感的なインターフェイスが特長の診断用X線装置精度管理用線量計「RaySafe X2」
診断用X線装置の精度管理用線量計「RaySafe X2」(アンフォースレイセイフ社)は,本体(ベースユニット)とユーザーが必要とするセンサの組み合わせで構成され,センサには,一般撮影・透視,マンモグラフィ,CTの各モダリティに対応するセンサに加え,モニタなどの輝度・照度測定用のライトセンサ,漏洩線量・散乱線量測定用のサーベイセンサなどがある。付属ディスプレイはタッチスクリーン式で,ホームスクリーンでは接続されているセンサから送られてくるパラメータがすべて表示される。9〜12種類のパラメータを同時測定し(R/FセンサまたはMAMセンサを使用およびmAs測定機能付きモデルの場合),管電圧と線量率の波形も表示できる。X線対応センサは設置する方向に依存せず,電源を入れるだけで測定可能で,設定・選択操作も大幅に削減し,より手軽に測定が行える。

診断用X線装置の精度管理用線量計「RaySafe X2」。センサは追加購入が可能。
●1台でさまざまな測定用途に対応するハイブリッドサーベイメータ「RaySafe 452」
ハイブリッドサーベイメータ「RaySafe 452」(アンフォースレイセイフ社)は,半導体式測定器とGM管式測定器を組み合わせたことで,X線管からの漏洩線量や撮影室内の散乱線,環境放射線など,1台でさまざまな測定用途に使用できる。電離箱式と比較して管理・保管が容易で可搬性が高く,0.8kgと軽量で作業者の負担を軽減する。また,視認性の高いディスプレイに複数の測定パラメータを同時に表示可能で,本体とWindows PCを接続し,標準装備の線量ビューワ(RaySafe View)で詳細な解析が可能である。

ハイブリッドサーベイメータ「RaySafe 452」
●お問い合わせ先
社名:トーレック株式会社
住所:〒223-0052 神奈川県横浜市港北区綱島東5-6-20
TEL:045-531-8041
URL:https://toreck.co.jp/