ITEM2026 東洋メディック ブースレポート  
3D水ファントムシステム「myQA Blue Phantom3」をはじめ,放射線治療・診断関連のITEM初出品の製品を中心に展示を構成


2026-5-12


東洋メディックブース

東洋メディックブース

東洋メディックは,2025年12月,伊藤忠商事との資本業務提携契約を締結し,完全子会社化したことを発表した。物価・金利上昇,医療機関の収益悪化による予算縮小などの外部環境の大きな変化に対応しつつ,さらなる事業拡大や新規事業の創出の推進などをねらったもので,伊藤忠商事の経営資源やネットワークを活用し,事業拡大を図っていくとしている。こうした状況の中,今回のITEMでは,ブースカラーを昨年の黒を基調としたものから白を基調にしたものに変更し,イメージの転換を図った。
放射線治療関連の製品は,ITEMでは初出品となるIBA Dosimetry社の放射線治療用3D水ファントムシステム「myQA Blue Phantom3」が展示の中心となった。従来機の「SMARTSCAN」で採用されていた磁歪式センサーの精度が向上しているほか,アンプ(エレクトロメータ)が一新されたことで,従来よりも低ノイズなデータを短時間で測定することができる。放射線診断関連では,Pearl Technology社製の「CTテーブルカバー」や,MRI用の患者位置決め補助クッション「ProFoam MRセーフティエンジェルパッド」,MRIやCT検査時の患者位置を適切に保持する「MULTIPAD」などが紹介された。これらのほか,骨密度測定装置のコーナーでは,自社開発のX線骨密度測定装置「B-Cube plus」や,REMS法を用いたEcholight社製の超音波骨密度測定装置「EchoSシステム」が展示された。
なお,同社では,今年もホームページにITEM 2026特設サイトを設けており,実際の展示で注目された製品の情報に簡単にアクセスすることができる。

●放射線治療関連:ワークフロー効率性・精度・適応性を追究した3D水ファントムシステム「myQA Blue Phantom3」を中心に展示

放射線治療関連のエリアでは,3D水ファントムシステムの新製品として,myQA Blue Phantom3を中心に展示を行った。3D水ファントムシステムは,リニアックのビームデータの測定と管理を行うための三次元線量分布測定システムで,ビームコミッショニングや年次QA(Quality Assurance)に必要な項目の評価に用いる。myQA Blue Phantom3は,「Fast(ワークフロー効率性)」「Accurate(精度)」「Flexible(適応性)」の追究をコンセプトとしており,より高速かつ高精度なコミッショニングを求めて開発された。スキャン容積は478mm(長)×478cm(幅)×410mm(高)で,大きな照射野の測定においても,タンクをあまり移動させることなく測定することができる。リフトテーブルは昇降機構によって正確な高さ調節と測定中の保持が可能なほか,大型ホイールの採用によって安定した移動が可能である。さらに,myQA Blue Phantom3では,従来機の「SMARTSCAN」にない新たな機能として,メカニカル・オートレベリング機構が搭載された。従来の手動の水平調整フレームにチルトセンサーに加えて自動水平モーターが追加装備されたことで,オートレベリングスイッチを1回押すだけで,約30秒で自動で水平調整が行われる(マニュアル操作も可能)。これにより,水槽の設置に要する時間の大幅な短縮が可能となった。また,myQA Blue Phantom3には,非接触式センサーポジショニング技術が搭載されており,独自の磁歪式センサーによって3軸すべてにおいてタンクの絶対ポジションを常時読み取ることが可能で,±0.1mmの高い検出器ポジショニング精度を有する。測定に用いる「myQA CCU-X」は,リファレンスクラスのエレクトロメータを内蔵しており,低ノイズなデータを高速に読み取れるほか,Wi-Fi接続にも対応しているため,シームレスなデータ転送とリモートモニタリングによる効率的なワークフローを実現している。
なお,myQA Blue Phantom3では,リフトテーブルが設置できない環境でもオートレベリングでのセットアップが可能なため,放射線治療装置はCアーム型,ボア型,ロボティック型と幅広く対応可能である。

3D水ファントムシステム「myQA Blue Phantom3」

3D水ファントムシステム「myQA Blue Phantom3

 

オートレベリングスイッチ   スタートボタンを1回押すだけで,約30秒で自動で水平調整が可能

オートレベリングスイッチ   スタートボタンを1回押すだけで,約30秒で自動で水平調整が可能

 

磁歪式センサー技術によって高精度な検出器ポジショニング精度を実現

磁歪式センサー技術によって高精度な検出器ポジショニング精度を実現

 

リファレンスクラスのエレクトロメータを内蔵した「myQA CCU-X」

リファレンスクラスのエレクトロメータを内蔵した「myQA CCU-X」

 

このほか,放射線治療関連の新製品として,Sun Nuclear社のデイリーQAチェッカー「Daily QA 4 Pro」が紹介された。毎日の「ビームQA」「画像系アイソセンターの確認」「Winston-Lutzテスト」「体表面画像誘導放射線治療(SGRT)装置による位置決め精度確認」の4つのQAタスクを1つに統合。寝台に一度設置するだけで,出力・プロファイルの不変性,平坦度,対称性,X線・電子線のエネルギー,照射野サイズ / シフトの確認,画像誘導システムによる位置決め精度の確認など,包括的なQAが可能なため,始業点検の効率化が図れるほか,ワークフローの一貫性の向上が期待できる。

デイリーQAチェッカー「Daily QA 4 Pro」

デイリーQAチェッカー「Daily QA 4 Pro」

 

また,前回のITEMでも紹介されたCQ Medical社の頭頸部固定システム「Encompass」と,患者固定プラットフォーム「Alta」も展示された。Encompassは,熱可塑性プラスチックを使用したマスク「SRS Fibreplastシステム」と組み合わせて使用することで,サブミリメートル精度の位置決めおよび固定を可能にし,定位放射線治療を支援する。一方,Altaは,CQ Medical社の患者固定具を治療ニーズに合わせてセットアップ可能なオールインワンソリューション。カウチトップへのインデックス固定が容易に可能なほか,患者ごとに異なる固定具をシームレスに組み替え,全身のさまざまな照射に対応する。

頭頸部固定システム「Encompass」と熱可塑性プラスチックを使用したマスク「SRS Fibreplastシステム」

頭頸部固定システム「Encompass」と熱可塑性プラスチックを使用したマスク「SRS Fibreplastシステム」

 

患者固定プラットフォーム「Alta」

患者固定プラットフォーム「Alta」

 

●放射線診断関連:アルコールでの繰り返しの消毒に堪えうる耐久性に優れた「CTテーブルカバー」などを紹介

放射線診断関連のエリアでは,Pearl Technology社製の「CTテーブルカバー」や,MRI用の患者位置決め補助クッション「ProFoam MRセーフティエンジェルパッド」,MRIやCT検査時の患者位置を適切に保持する「MULTIPAD」などがPearltecシリーズとして紹介された。
これらのうち,CTテーブルカバーは,CTテーブルマットの保護を目的としている。頭側・脚側のそれぞれのポケットにCTテーブルマットを差し込んでかぶせるだけで簡単に取り付け可能で,取り外すことなくそのまま使用することができる。最大の特長は,ポリウレタン素材の採用によって耐久性に優れていることで,アルコールで繰り返し清掃を行っても劣化しづらく,従来よりも長期間使用することができる。また,側面のフラップによって,寝台の隙間や天板と基部の間への液体の侵入を防ぐなど,衛生的に使用することが可能だ。CTテーブルカバーのサイズは,CT装置メーカー各社のモデルに対応した製品がラインアップされている。
ProFoam MRセーフティエンジェルパッドは,MRI装置のテーブル上での全身の位置決めや固定の補助に使用するもの。両側のウイングによってガントリと患者の皮膚接触を防止することで,熱傷などの二次的なリスクを低減することができる。中央部分の幅は,MRI装置のテーブルに合わせて裏面の面ファスナーで調整可能で,ガントリボア径60〜70cmのテーブルで使用できる。CTテーブルカバーと同様にポリウレタン素材が採用されているため,アルコールでの繰り返しの清掃に堪えうる優れた耐久性も大きな特長だ。
さらに,CT / MRIテーブル用患者固定ベルト「ProBelt」も紹介された。CTテーブルカバーなどと同様にポリウレタン素材でアルコール消毒が可能なほか,布や面ファスナーを使用せずボタン留めする構造のため清掃がしやすく,患者の体型に合わせた調整や固定強度の調整も簡単に行うことができる。

ポリウレタン製で耐久性に優れた「CTテーブルカバー」

ポリウレタン製で耐久性に優れた「CTテーブルカバー」

 

MRI用の患者位置決め補助クッション「ProFoam MRセーフティエンジェルパッド」

MRI用の患者位置決め補助クッション「ProFoam MRセーフティエンジェルパッド」

 

CT / MRIテーブル用患者固定ベルト「ProBelt」

CT / MRIテーブル用患者固定ベルト「ProBelt」

 

MRI / CT用患者ポジショニングシステム「MULTIPAD」

MRI / CT用患者ポジショニングシステム「MULTIPAD」

 

●骨密度測定装置:自社開発のX線骨密度測定装置「B-Cube plus」と超音波骨密度測定装置「EchoSシステム」で幅広い施設・ニーズに対応

骨密度測定装置のコーナーでは,自社開発のX線骨密度測定装置B-Cube plusと,REMS法を用いたEcholight社製の超音波骨密度測定装置EchoSシステムを展示し,幅広い施設・ニーズに対応可能なことをアピールした。
B-Cube plusは,場所を取らずに設置可能なコンパクト設計とシンプルな操作性,短時間での骨密度測定が可能なスループットの良さが特長である。被検者がグリップユニットを握った状態で,検査担当者がPCモニタ上の測定ボタンをクリックすると,約15秒で骨密度の測定が終了する。測定には2種類の特性の異なるセンサーを利用したdual energy X-ray absorptiometry(DXA)法が採用されており,胸部X線撮影の約1/10の低線量で測定可能である。また,結果は測定後すぐに表示され,サーバへの保存やCD-Rへの出力,プリンタに接続してレポートとして出力することもできる。
EchoSシステムは,超音波を用いてガイドラインが推奨する腰椎および大腿骨の測定が可能な装置で,DXA法との相関性の高いREMS(radiofrequency echographic multi-spectrometry)法が採用されている。被ばくのリスクがないため妊婦などにも使用できるほか,X線管理区域のない施設にも設置できることが大きな特長だ。測定は非常に簡単で,専用のコンベックスプローブを用いて,腰椎は約80秒,大腿骨は約40秒走査するだけで測定可能。医師や診療放射線技師はもとより,臨床検査技師や看護師が検査を行えることも利点である。なお,EchoSシステムは,スタンドに搭載して院内で使用するパネルPCタイプの「EchoStation」と,専用カートに収納し持ち運びも可能なモバイルタイプの「EchoS」,EchoStationとEchoSを組み合わせた「EchoStationモバイルハイブリッド」の3タイプがラインアップされている。

X線骨密度測定装置「B-Cube plus」

X線骨密度測定装置「B-Cube plus」

 

超音波骨密度測定装置「EchoSシステム」

超音波骨密度測定装置「EchoSシステム」

 

●お問い合わせ先
社名:東洋メディック株式会社
住所:〒102-0072 東京都千代田区飯田橋3-8-5
TEL:03-6825-1645
URL:https://www.toyo-medic.co.jp/


TOP