ITEM2026 バリアン メディカル システムズ ブースレポート
「RapidArc Dynamic」や「TrueBeam HyperSight」を中心に,がんの放射線治療の包括的なポートフォリオを提案
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2026-5-12
バリアンメディカルシステムズの展示エリア
2022年からシーメンスヘルスケアと合同でブースを出展しているバリアンメディカルシステムズ(以下,バリアン)は,今回からSIEMENS Healthineersグループとしてのブランドの統一化が図られ,デザインが一新されたブースで展示を行った。SIEMENS Healthineersのパーパスである「We pioneer breakthroughs in healthcare. For everyone. Everywhere. Sustainably. ヘルスケアを,その先へ。すべての人々へ。」の下,「More breakthroughs. More impact, together.」をテーマに掲げ,検査・診断から放射線治療に至るまでのがん医療の包括的なポートフォリオを提案できることをアピールした。
展示の中心となったのは,2025年7月に販売が開始された次世代の高精度放射線治療ソリューション「RapidArc Dynamic」と,先進的な次世代のイメージングソリューション「HyperSight」を搭載した放射線治療装置「TrueBeam HyperSight」である。RapidArc Dynamicは,照射中にコリメータをダイナミックに回転させることによって,より高精度かつ効率的に腫瘍への線量集中性を高めることが可能で,正常組織への影響を低減することができる。また,TrueBeam HyperSightは,バリアンの放射線治療装置「TrueBeam」にHyperSightを搭載し,ソフトウエアやハードウエアなどを一新したことで,CBCT撮影の高速化や高画質な画像の取得が可能となった。
これらのほか,ブース前面には,HyperSightを搭載したリング型ガントリの放射線治療装置「Halcyon HyperSight」(「Halcyon v5.0」は薬機法未承認)を展示。また,アフターローダシステム「BRAVOS」のコーナーでは,アプリケータがさらに充実し,子宮頸がん治療用のリングアプリケータが追加されたことが紹介された。
●より個別化された放射線治療を提供する次世代高精度放射線治療ソリューション「RapidArc Dynamic」
バリアンは,強度変調放射線治療(IMRT)/ 強度変調回転放射線治療(VMAT:バリアンでは「RapidArc」)に続く技術の進化として,効率的な治療計画と,より精緻で柔軟な放射線治療を実現するソリューションRapidArc Dynamicをアピールした。放射線治療計画システム「Eclipse」の最新バージョン18.1(v18.1)および放射線治療装置「TrueBeam」のバージョン4.1のオプション機能として提供されている。
従来のVMATは,ガントリを連続回転させつつ,マルチリーフコリメータ(MLC)を腫瘍の形状に合わせて個別に動かしながら線量率や回転速度をリアルタイムに変化させ,腫瘍への線量集中性の高い線量分布を形成する。一方,RapidArc Dynamicでは,照射中にコリメータをダイナミックに回転させることで,正常組織への線量を抑えながら,腫瘍への線量集中性をさらに高めることが可能となる。1つのフィールドでMLCの走査方向が変わることで,より複雑かつ滑らかなフルエンスを実現するほか,VMATの照射中にガントリ回転を一時的に停止し,より適切なビーム角度で高精度な照射制御を行うことができる。さらに,GPUベースの次世代アルゴリズムを採用したことで,複雑な形状の症例に対する対応力を高めつつ,高速かつ高品質な治療計画を作成でき,より個別化された治療を実現している。RapidArc Dynamicを導入している施設からは,肺がんや子宮頸がんなどの不形成な部位への照射において有用性が期待されているとのことである。
次世代の高精度放射線治療ソリューション「RapidArc Dynamic」のイメージ
「RapidArc Dynamic」の特長
従来のStatic CollimatorとRapidArc Dynamicのフルエンスマップの比較
ブース内の壁面で「RapidArc Dynamic」を大きくアピール
●「TrueBeam HyperSight」の高画質なCBCT画像を用いたOffline ARTの新たなワークフローを提案
TrueBeam HyperSightは,バリアンのハイエンド放射線治療装置TrueBeamに,次世代のイメージングソリューションであるHyperSightを搭載し,ハードウエア,ソフトウエア,照射技法,安全技術などを一新したシステム。TrueBeamでは,治療時のガントリ回転速度は60秒であるが,HyperSightの搭載によってCBCT撮影時のガントリ回転速度が約1.5倍に高速化し,最短17秒でのCBCT撮影が可能となった。HyperSightのイメージングパネルは43cm×43cmと拡張されており,さらに,画像再構成アルゴリズムの改良や金属アーチファクト低減技術の搭載などによって,治療計画CTの画像と遜色のない高画質なCBCT画像が得られる。撮影スピードの高速化と相まって,患者の体動や息止め不良などの影響も低減され,HUの精度や軟部組織のコントラスト検出能が向上することも大きな特長だ。
また,放射線治療においては,患者の体型変化や腫瘍の大きさの変化などに伴い再治療計画を行うことがある。その際,HyperSightによる高画質なCBCT画像を治療計画CT画像の代替として使用できることから,ブースでは,HyperSightの画像を用いた再治療計画を基にしたOffline ART(適応放射線治療)の新たなワークフローが提案された。さらに,RapidArc Dynamicを併用することで,より個別化された放射線治療の提供か可能となる。
このほか,TrueBeamのトピックとして,多発脳転移に対する定位手術的照射を短時間かつ高精度に行う技術「HyperArc」の国内受注・導入施設数が130を超え,広く認知されている現状がアピールされた。
次世代のCBCTソリューション「HyperSight」を搭載した放射線治療装置「TrueBeam HyperSight」
治療計画CTとHyperSightの画像の比較(全脳)
治療計画CTとHyperSightの画像の比較(前立腺)
このほか,即時適応放射線治療のトータルソリューション「ETHOS Therapy HyperSight」のバージョンが2.0(v2.0)に上がったことが紹介された。ETHOS Therapyは人工知能(AI)を用いてInitial PlanningからOn-Couch AdaptationおよびTreatment Monitoringまでの効率的なワークフローを提供する。輪郭抽出も短時間で自動で行えるよう設計されているが,v2.0ではその対象部位が71部位に拡大したことがアピールされた。
また,ブース前面には,リング型ガントリの放射線治療装置「Halcyon HyperSight」(「Halcyon v5.0」は薬機法未承認)が展示されていた。
「ETHOS Therapy HyperSight」および「Halcyon HyperSight」のコーナー
「ETHOS Therapy HyperSight」のv2.0では,自動輪郭抽出の対象部位が71部位に拡大
ブース前面に展示された「Halcyon HyperSight」(「Halcyon v5.0」は薬機法未承認)
●子宮頸がん用のリングタイプのアプリケータが追加されたアフターローダシステム「BRAVOS」
アフターローダシステムBRAVOSのコーナーでは,今回,アプリケータがさらに充実し,子宮頸がん治療用のリングアプリケータが追加されたことが紹介された。リングアプリケータは,先端がリング形状になっているため,従来のアプリケータよりも立体的な線量分布を形成できるほか,直腸や膀胱などへの線量を低減するといった線量分布の調整の自由度が高いことが特長だ。
BRAVOSは,Eclipseや放射線治療情報システム「ARIA OIS」,TrueBeamなどとの親和性が高く,小線源治療と外照射を含めて統合化された放射線治療を提供することができる。「CamScale位置確認システム」によって線源停止位置を簡便かつ定量的に評価できるほか,小線源治療計画装置「BrachyVision」がEclipse内に統合されているため,バリアンの外部放射線治療装置と共通の操作性で小線源治療計画を行えることも大きな利点だ。ハイブリッド照射の治療計画もEclipse 1台でできることから,稼働施設は現在21施設に上るなど,順調に国内導入が進んでいる。
アフターローダシステム「BRAVOS」のコーナー
新たに追加された子宮頸がん治療用のリングアプリケータ(ケース上・中央)
●お問い合わせ先
社名:株式会社バリアン メディカル システムズ
住所:141-0032 東京都品川区大崎1丁目11番1号 ゲートシティ大崎ウエストタワー
TEL:マーケティング部 TEL 03(4486)5235
URL:https://cancercare.siemens-healthineers.com/ja
