島津製作所「第90回レントゲン祭・記念講演会」開催
2013-2-14
祭詞・献花を行う中本 晃代表取締役社長
(株)島津製作所は2月8日(金),同社三条工場研修センター(京都市中京区)において,「第90回レントゲン祭・記念講演会」を開催した。レントゲン祭はX線を発見したレントゲン博士の偉業を讃え,X線技術の発展に向け決意を新たにするために同社が毎年開催し,今年は節目の90回となる。
式典では冒頭,同社取締役医用機器事業部長の鈴木 悟氏が式辞を述べた。鈴木氏は,「X線発見から10か月後にX線撮影に成功した島津製作所が,13年後の1909年に国産初の医療用X線装置を発表した。これが,わが国におけるX線装置の歩みの始まりであり,そこからI.I(CCDカメラ),CR,そして現在主流のFPDへと,デジタルへの進化の歴史がある。同時に,画像処理技術の進歩により,高度な検査画像を提供することを可能にした。そして,島津製作所は2003年,世界初の直接変換方式FPDを搭載した血管撮影システムを発表し,製品ラインナップの拡充を図ってきた。特にデジタル回診車は米国においてはディファクトスタンダードと称され,その評価が世界へと広がり,現在,国内外合わせて1600台が稼働している。また,食品安全用放射線検査装置においては,長年培ってきた放射線技術により短時間に高い精度の放射線検査を可能とし,2012年末には福島県内において,60台を超える装置が稼働している」と述べた。
続いて,代表取締役社長の中本 晃氏による祭詞・献花が行われた。
“進化しつづけるFPDシステム”をテーマに行われた記念講演会では,最初に柳田 智氏(北里大学北里研究所メディカルセンター病院放射線部)が,「FPDはX線撮影をどうかえるか~導入,検査,運用~」のテーマで講演した。柳田氏は,CRシステムおよび直接変換方式・間接変換方式FPDの原理と特徴を紹介し,開発当初のFPDの限界点と,その限界を克服したそれぞれの技術を紹介した。なかでも,最近注目されている可搬型FPD搭載のポータブル撮影システムでは,現場で画像確認ができることや検査数の制限がないことなどのメリットを挙げた。さらに,有線型から無線型へと進化することで,高感度,軽量化,自由度の高さなどのメリットが増えたと述べた。
続いて,「FPDがもたらす新しい画像診断環境の構築」のテーマで,間島一浩氏(竹田綜合病院放射線科)が講演した。間島氏は,竹田綜合病院の総合医療センター新築に伴う医療機器整備および画像診断システムの構築を紹介。限られた予算の中で医療の質の向上を図るなど,数々の課題克服にはFPD搭載型X線撮影システムが必須であるとし,なかでも一般撮影については,すべての撮影室においてFPD搭載型X線撮影システムを設置し,精度の高い撮影を全室で可能としたと述べた。そのうちの1室には,“Sonialvision safire”を併設することで,長尺撮影やトモシンセシスなどの特殊撮影を可能とした。総合医療センターの新築に際し,島津製作所の協力を得ながら,現時点での診療に役立つ画像診断システムを構築することができたとした。
●問い合わせ先
株式会社島津製作所
医用機器事業部販売促進課
TEL 075-823-1271
http://www.med.shimadzu.co.jp
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