GEヘルスケア・ジャパンがデジタルブレストトモシンセシス「SenoClaire」を発表
2013-11-1
MammoBrightで表示したSenoClaireの画像
GEヘルスケア・ジャパン(株)は2013年11月1日(金),デジタルブレストトモシンセシス「SenoClaire(セノクレア)」を発売した。同日には帝国ホテル(東京都千代田区)において記者発表会を開催した。SenoClaireは,マンモグラフィ装置「Senographe Essential」のオプション。約25°のスイープで9回の撮影を行う。画像再構成法に逐次近似法“ASiR”を用いたことで,低被ばくでの撮影を実現。従来の2Dマンモグラフィと同等の線量での撮影を可能としている。また,ステップ&シュートでの撮影により,画像のボケやブレを防ぎ,病変部をシャープに描出する。これにより,日本人などアジア人に多いデンスブレストでも,病変を検出しやすくなる。
記者発表会では,まず同社代表取締役社長兼CEOの川上 潤氏が登壇。GE社の進めるヘルシーマジネーションについて説明した上で,GEは世界で初めてマンモグラフィ専用装置を開発したマーケットリーダーであると述べた。そして,現在の2Dマンモグラフィでは,デンスブレストにおける描出能が低いことが課題であるし,それを解決するために,デジタルブレストトモシンセシスによる奥行きのある画像が有用であると述べた。また,川上氏は,ASiRやステップ&シュートの技術により,低被ばくで高画質が得られることが,SenoClaireの特長であると強調した。川上氏は,このSenoClaireにより,マンモグラフィ検診において見落としが減少し検出率が向上すること,さらに要精検率が低下することが期待できるとまとめた。
続いて,「臨床の立場からSenoClaireへの期待」と題して,昭和大学乳腺外科の明石定子氏が講演した。明石氏は,2Dマンモグラフィの解決すべき問題として,乳がんの約20%が検出不可能という感度の限界,乳腺の重なりによって病変の存在診断が困難で精検率が高くなるという特異度の限界,被ばくの3つを挙げた。そして,SenoClaireと2Dマンモグラフィ画像を並べて提示。SenoClaireではデンスブレストでも病変部が検出しやすいと説明した。また,SenoClaireでは立体的に観察できるため特異度が向上し,精検率を下げることが可能であると述べた。さらに,明石氏は,通常の2Dマンモグラフィと同等の線量で撮影できることも,SenoClaireのメリットであると解説した。最後に明石氏は,造影マンモグラフィとトモシンセシスを組み合わせた「造影トモシンセシス」の実現を要望したほか,撮影のための圧迫回数や圧迫圧を減らし,検査の不快感を軽減することにより,検診受診率が向上することに期待を示した。
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