第33回日本医用画像工学会大会(JAMIT2014)が開催
2014-7-29
JAMIT2014メインのA会場
第33回日本医用画像工学会大会(JAMIT2014)が2014年7月24日(木)〜26日(土)の3日間,東京慈恵会医科大学(港区)の大学1号館を会場に開催された。東京慈恵会医科大学が会場となるのは今回が2回目。その大会長は,同大学放射線医学講座教授の福田国彦氏が務めた。また,今回のJAMITは,第16回医用画像認知研究会(当番世話人:中田典生・東京慈恵会医科大学放射線医学講座准教授)と同時開催となり,26日にB会場を使用して同研究会が行われた。
JAMIT2014開催にあたり,福田大会長は,テーマに「医用画像工学と臨床現場との連携」を掲げ,放射線科医という臨床現場の視点を取り入れた大会とした。初日24日には,開会式が行われ,JAMIT会長の縄野 繁氏(国際医療福祉大学保健医療学専攻放射線・情報科学分野教授)が挨拶に立った。縄野会長は,今回の大会におけるプログラムのトピックスとして,「第4回JAMITチュートリアル講演会」を行うことを挙げた。この講演会は,画像診断装置の研究開発のトップランナーを講演者に迎え,その最新動向を発表してもらう場として設けられた。4回目となる今回は,「核医学検査」をテーマに,3人の研究者が登壇した。さらに,縄野会長は,福田大会長の発案により,新たにスイーツセミナーを初日と2日目に設けたことを,参加者にアナウンスした。
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開会式に続き,目加田慶人氏(中京大学)が座長を務め,ポスター発表の発表者による90秒間の「ショートプレゼンテーション」が行われた。さらに,この後,チュートリアル1が用意された。座長は羽石秀昭氏(千葉大学)。「SPECT装置の研究開発(9300A)」をテーマに,市原 隆氏(藤田保健衛生大学)が講演した。市原氏は,東芝メディカルシステムズ(株)に在籍時に,3検出器搭載の「GCA-9300A」の開発に携わった。講演では,これまでにないSPECT画質をめざして進められた開発のスケジュールや,定量化のためのソフトウエアの開発経験が紹介された。
続いて,(株)島津製作所の北村圭司氏によるチュートリアル2「PETイメージングの基礎と最新動向」が行われた。座長は山谷泰賀氏(放射線医学総合研究所)。北村氏は,PETの原理や,2D・3Dのデータ収集,逐次近似再構成法,検出器の技術的特徴を解説した。さらに,マイクロドーズ臨床試験の結果,PET/CTとPET/MRIなどの仕組みについても説明。その上で,同社が開発を進めている乳房専用PETも紹介した。
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この後,開会式,チュートリアル講演会が行われたA会場からは場所を移し,2会場に分かれて,スイーツセミナーが行われた。B会場では,スイーツセミナー1が設けられ,福田大会長が座長を務めて,東京慈恵会医科大学の内山眞幸氏による講演「臨床家が定量したいと考えるとき—脳血流と123I-iomazenilベンゾジアゼピン受容体シンチグラフィを中心に—」が行われた。内山氏は,小児中枢発達的変化と障害について,脳血流や123I-iomazenil SPECT画像の発達的変化,髄液の循環動態などを説明した。一方,C会場では,座長を伊藤公輝氏(東京都健康長寿医療センター)が務め,国立精神・神経医療研究センターの松田博史氏が「認知症診断をサポートする画像解析手法」をテーマに講演した。アルツハイマー型認知症,レビー小体型認知症の評価法について解説を行うとともに,早期アルツハイマー型認知症診断システムの“VSRAD”の開発経緯や,運用上の注意点などを説明した。
このスイーツセミナー後には,ふたたびA会場でチュートリアル3が行われた。座長は工藤博幸氏(筑波大学)。浜松ホトニクス(株)の田中栄一氏が登壇し,「研究放談—エレガントな回答」をテーマに講演した。田中氏は,微量放射能測定における最適エネルギーウインドウや,ガンマカメラ位置演算方式の最適化など,自身がかかわった,あるいは興味を持った技術について解説を行った。
2日目以降も,数多くのプログラムが用意され,JAMIT2014は盛況のうちに終了した。
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●問い合わせ先
日本医用画像工学会
有限会社クァンタム内
TEL 03-5684-1636