INNOVATIVE AZE 2014 TOKYOを開催
ーキヤノンマーケティングジャパングループとしての今後の展開を発表
2014-9-16
会場風景
(株)AZEは2014年9月13日(土),セルリアンタワー東急ホテル(東京都渋谷区)にて「INNOVATIVE AZE 2014 TOKYO」を開催した。同社のワークステーション「AZE VirtualPlace」やスマートボリュームビューア「AZE Phoenix」に関する2部5題の講演が行われた。
講演は,AZE取締役の堀内哲也氏による開会の辞に続き,丹羽政美氏(JA岐阜厚生連揖斐厚生病院放射線科)が座長を務める第1部からスタートした。
1題目に,坂倉徳哉氏(名古屋ハートセンター放射線科)が「CABG術前心臓CTにおけるバイパスグラフトデザインシミュレーション」を講演し,CABG術前シミュレーションに心臓CTとワークステーション(AZE VirtualPlace風神)を用いることで,手技時間の短縮や術後の成績向上が見られた自施設の検討結果を報告した。次に,望月純二氏(みなみ野ハートクリニック放射線科)が「AZE VirtualPlaceを駆使した灌流画像作成」と題し,AZE VirtualPlaceの次回バージョンアップでソフトウェア“新・CT細血管解析”に実装される“心内膜カラーマップ”と“心筋領域分割機能”について,使用経験を紹介した。3題目に,重永 裕氏(兵庫県立がんセンター放射線部)が「左心房領域における造影MRAと遅延造影MRIの統合〜撮像・再構成・読影そして治療応用〜」と題して,近年注目されている左心房領域に対する遅延造影MRI検査を取り上げ,撮像や再構成の工夫,検査の有用性について解説した。
続いて,AZE開発部製品企画グループの阪本 剛氏が「ワークステーション最新情報」として,同社の独自技術やAZE VirtualPlaceの最新アプリケーション,AZE Phoenixの各種機能について説明した。
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休憩を挟み行われた講演第2部は,大友 邦氏(東京大学医学部附属病院放射線科)が座長を務め,2題の講演が行われた。最初に,前田恵理子氏(東京大学医学部附属病院22世紀医療センターコンピュータ画像診断学/予防医学講座)が「明日から使える心臓&大腸CT撮像・画像解析のコツ」と題して講演し,良好な画像を得るための心臓CT,大腸CT撮像のコツ,再構成・画像解析の方法,そして臨床における活用法について,基礎も含めて解説した。次に,片平和博氏(国家公務員共済組合連合会熊本中央病院放射線診断科)が,「画像解析と読影をつなぐAZE Phoenixの臨床的インパクト」を講演し,AZE VirtualPlaceとの連携により読影・参照・画像解析を統合し,さらに現状の放射線業務の課題を改善するAZE Phoenixについて,その特徴的機能や臨床的有用性を説明した。
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講演終了後,9月1日付でキヤノンマーケティングジャパン(株)(以下,キヤノンMJ)グループの一員となったAZEから,新代表取締役社長の野村公義(こうぎ)氏らによる挨拶と今後の事業展開についての説明が行われた。
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キヤノンMJは2014年8月にAZEの全株式を取得。AZEは9月1日よりキヤノンMJグループの一員として新体制でスタートした。キヤノンMJは,2011年10月に(株)エルクコーポレーション(現・キヤノンライフケアソリューションズ(株))を完全子会社化して医療事業を強化してきているが,今回のAZEの完全子会社化によりキヤノンMJの医療機器販売事業部がキヤノンライフケアソリューションズとAZEの2社体制となり,さらなる医療事業の強化・拡大が図られる。本イベントにて初めて,ユーザーに向けた新体制の説明と挨拶が行われた。
まず初めに,最高顧問に就任した前AZE代表取締役社長の畦元将吾氏が登壇した。畦元氏は,1999年に設立した同社の歴史を人生にたとえ,多くの医師・診療放射線技師に育てられて成人を迎え,社会人になったと感謝を伝えるとともに,今後もユーザーのために独自性の強い製品の開発を責任感と行動力を持って続けていくと述べた。
続いて,キヤノンMJ上席執行役員医療機器販売事業部長の阿部尚人氏が挨拶した。阿部氏はまず,これまでのAZEの技術志向・顧客最優先の社風を継続し,キヤノンMJがバックアップすることでさらなる発展をめざすとの方針を説明。これからは,キヤノンMJの医療機器販売事業部であるキヤノンライフケアソリューションズとAZEの営業活動の協力や,医療画像ソリューション事業,3D関連商材の開発により,シナジーを生み出していくと語った。
最後に,9月1日付でAZE代表取締役社長に就任した野村氏が登壇し,AZE,キヤノンMJグループの今後の展開について説明した。今回のAZEのグループ参入が,キヤノンMJの“医療イメージングのリーディングカンパニー”をめざした事業展開の一環であると述べた野村氏は,今後の具体的な活動として,キヤノンMJが主体となる医用画像クラウドサービス「Medical Image Place」を紹介。キヤノンMJが,すでに有しているデータセンターを活用し,遠隔読影インフラをはじめとした医用画像クラウド分野に積極的に参入していくことを説明した。10月に提供開始予定の遠隔読影のサービスは,読影を依頼する病院と読影サービス事業者にインフラを提供するもので,遠隔読影に用いるPACSとビューアにAZE Phoenixが採用される。今後は,AZEとキヤノンMJが協力してMedical Image Placeやソフトウエアを開発していくとともに,キヤノンライフケアソリューションズがAZEのチャネルとなることで,販売・サポートを拡充していく。 野村氏はおわりに,AZEは今後もユーザーの要望にタイムリーに応えることに努めると述べ,引き続きの支援を呼びかけた。
●問い合わせ先
株式会社AZE
TEL 03-3212-7721
http://www.aze.co.jp/
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