東芝メディカルシステムズ,新しいグローバルスタンダードCTとなる「Aquilion ONE/GENESIS Edition」を発表
2016-4-8
瀧口登志夫 氏
(代表取締役社長)
東芝メディカルシステムズ(株)は,同社のX線CTのAquilion ONEシリーズの最上位機種となる「Aquilion ONE/GENESIS Edition」の新製品発表会を,2016年4月7日(木)にステーションコンファレンス東京(東京都千代田区)で開催した。発表会では,代表取締役社長の瀧口登志夫氏が同社のCT事業の歩みと今後の取り組みを紹介し,CT開発部の佐渡友哲也氏が,ハードウエア,ソフトウエアを含めて機能をアップしながらコンパクト化を図った新世代のArea Detector CTのポイントについて説明を行った。
Aquilion ONE/GENESIS Editionは,東芝メディカルシステムズが2007年に世界初のArea Detector CTとして発売したAquilion ONEの最上位機種として,ハードウエアの見直し,最新の被ばく低減技術の搭載,同社の64列CTより小型化し省スペース化などを行うことで,新世代のグローバルスタンダードCTとして登場した。
Aquilion ONE/GENESIS Editionでは,新しいプラットフォームガントリのX線光学系技術として“pureViSION Optics”が搭載された。pureViSION Opticsは,撮影で画質と被ばく線量を決定する要素となるX線の出力から検出器までをトータルでブラッシュアップ。出力系では被ばく増加の要因となる低エネルギー側のX線スペクトラムをカットしてX線エネルギー分布の最適化を図った。検出器にpureViSION Detectorを組み合わせ,さらにFull IRの逐次近似再構成であるFIRSTを適応することでさらなる高画質化,低被ばく化を図っている。
また,さらに速く使いやすいADCTをめざし,ボリュームスキャン時の撮影範囲をレーザー光で示し直接視認できる“エリアファインダ機能”を搭載。ガントリは78cmの大口径を維持し,±30°までチルトできさまざまな撮影体位に対応するなど検査の効率化を支援する。画像処理についてもFIRST専用再構成ユニットを設けて,AIDR 3DやFBPなどと並行処理が可能でスループットの向上を図っている。
Aquilion ONE/GENESIS Editionでは,これらの新機能の追加や機能向上を図りながら,ガントリサイズが小型化されたことも特長である。ガントリは高さ1925mm×幅2270mm×奥行き960mmで,従来のAquilion ONE(2070mm×2430mm×1070mm)はもちろん,同社の64列CT(1950mm×2330mm×960mm)よりもコンパクトになっている。さらに機械室が不要となったため,最小設置面積も33m2から19m2と64列CTからのリプレイスも可能なサイズを実現した。
会見で挨拶した瀧口社長は,「東芝メディカルシステムズのCT開発は,さらなる低被ばく,広範囲撮影,高速性能,高分解能という課題に応えることで進化してきた。Aquilion ONE/GENESIS Editionは,ADCTを今後のグローバルスタンダードCTにすべく開発したCTである。さらに超高精細CT(QDCT)の開発も鋭意進めている。2018年度までにはCT事業において世界トップシェアとなるよう,さらなる進歩を続けていきたい」とコメントした。
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