島津製作所が「第94回レントゲン祭・記念講演」を開催
2017-2-16
祭詞・献花を行う上田輝久代表取締役社長
(株)島津製作所は,2017年2月10日(金),同社大ホール(京都市中京区)において「第94回レントゲン祭・記念講演」を開催した。同社は,レントゲン博士がX線を発見した偉業を讃えるレントゲン祭を,レントゲン博士が亡くなった翌年より毎年行っており,今年で94回となる。
式典では冒頭,常務執行役員医用機器事業部長の伊藤邦昌氏が式辞を述べた。伊藤氏はX線装置の現状として,FPDにより画像と透視が統合された形で画像診断が行われており,デジタル技術の進歩により高度な検査画像が迅速に提供できるようになっていると述べた。島津製作所では,X線テレビ装置にトモシンセシスやスロットラジオグラフィなどの臨床アプリケーションを搭載することで検査の幅を大きく広げ,より多くの臨床付加価値を提供してきた。そして,昨2016年末には「SONIALVISION G4」に,さらなる透視被ばく低減を実現する内視鏡検査向け新画像処理エンジン“SUREengine FAST”を搭載してノイズや残像を効率良く除去し,高画質・リアルタイム性を保ったまま放射線量を低減することを可能とした。さらに昨年のもう一つの成果は,乳がん手術における転移診断を支援する近赤外光カメラシステム「LIGHTVISION」の発売である。リンパ管に投与された薬剤ICGに励起光を照射し,ICGが発生した微弱な近赤外光を撮影して画像化(見える化)することで,組織表面下のリンパ管をリアルタイムで造影できる。伊藤氏は,乳房専用PET装置「Elmammo」と合わせることで,乳がん検査へのさらなる貢献が可能となるとした。最後に,同社の強みである分析計測技術と医用画像診断技術を生かした技術開発能力強化を目的に「ヘルスケアR&Dセンター」建設の着工を発表し,ヘルスケア領域で情熱をもってたゆまぬ挑戦を続けていきたいと述べた。
続いて,代表取締役社長の上田輝久氏による祭詞・献花が行われた。
記念講演では,医療機器事業部の工 幸博氏が「SONIALVISION G4 最新技術の紹介」をテーマに,胆膵系での内視鏡による検査と治療を支援する最新技術としてSUREengine FASTの紹介などを中心に講演を行った。
その後,芹川 正浩氏(広島大学病院消化器・代謝内科診療講師)が「胆膵系内視鏡治療における透視像の重要性」をテーマに講演を行った。芹川氏は,5年生存率が低く,年々増加傾向にある膵臓がんのERCPでの検査と治療を中心に講演した。そして,ERCPにおいて透視装置に求められることは,診断と治療での精度と安全性であるとし,高画質により効率性が高められ,被ばく低減を実現しているSUREengine FASTの技術は最適であるとした。
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株式会社島津製作所
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