3D PACS研究会夏季セミナー
モニタ管理,線量管理,3D作成などの実践的な方法を学ぶプログラムを開催
2017-8-7
会場の様子
3D PACS研究会(代表世話人:国立病院機構山形病院・立石敏樹氏)の夏季セミナー2017が,2017年8月5日(土)に北里大学薬学部1号館(東京都港区)で開催された。当番世話人は金沢勉氏(新潟大学医歯学総合病院),実行委員長は小林隆幸氏(北里大学北里研究所病院)。今年は1日の日程で,午前は3D作成や画像精度管理のための実践的なレクチャーを中心に,午後は線量管理やスライスデータの活用に関する企業からのプレゼンテーションを中心としたプログラムが組まれた。夏季セミナーでは実機を使ったハンズオンセミナーを企画してきたが,今年は会場の設備の関係でモニタが設置できず,「今回は,画像等手術支援認定制度も踏まえて実践セミナーを中心としたプログラムで構成した」と立石氏から説明があった。
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モーニングセミナーの村上 聡氏(エーザイ・ジャパン)による「心臓CT・MRI時の造影剤使用上の留意点」に続いて,最初の3D作成実践セミナー「脳CTと心臓MR」が行われた。脳CTについては金沢氏が,心臓MRについては立石氏が,それぞれ3D作成の基礎とポイントについて解説したあと,テラリコン・インコーポレイテッドの平瓦雄飛氏が頭部CTAでMIP画像を作成するまで,冠動脈MRAでの3DVR,MIP,CPR出力・解析などの手順を実際にワークステーション(WS)を用いて具体的に説明した。
続いて,画像精度管理実践セミナーとして「モニタ管理と検像」が,池田龍二氏(熊本大学医学部附属病院)を座長として行われた。EIZOから「医用液晶モニタの品質管理」として,モニタ品質管理の基礎と同社の「RadiCS UX2」を利用した評価試験の進め方を説明した。また,検像についてはインフォコムから同社の検像システムである「iRad-QA」を利用した具体的な運用を解説した。モニタ精度管理については,医用画像表示用モニタの品質管理に関するガイドライン(JESRA X-0093)が2017年7月20日改正され,「JESRA X-0093*B-2017」となったばかりのタイミングでもあり,その改正内容〔管理グレード1A(胸部X線で350cd/m2以上を推奨)の追加など〕も含めて紹介した。
午前最後のセッションとして,「画像等手術支援認定制度について」を富田博信氏(済生会川口総合病院)が解説した。
ランチョンセミナー「心電図の基礎」(フクダ電子)に続いて午後のセッションがスタート。最初は「線量管理セミナー」として再び池田氏が座長を務め,EIZOメディカルソリューションズ(加島陽氏)「被ばく線量管理システム DOSE MANAGER」,バイエル(川上典一氏)「X線線量情報一元管理システRadimetrics」,フォトロンM&Eソリューションズ(板垣百合子氏)「被ばく管理レポート」の各社が被ばく線量の記録や管理のためのソリューションを紹介した。
続いて,「スライスデータ活用セミナー」として4題の講演が立石氏を座長に行われた。最初に「シンスライスデータの管理と活用」としてPSPの副田義樹氏が講演。“EV Insite”シリーズなどPACS,RISを中心にシンスライスデータの管理の考え方などを実際のシステムの提案に沿って紹介した。続いてフィリップスエレクトロニクスジャパンの小酒部弘和氏が「ワークステーションを使った最新Dual Energy解析」として,2相検出器を搭載した「IQon Spectral CT」と「IntelliSpace Portal」によるDual Energy解析の最新事例を講演した。3題目は,グッドマンの梅田岳仁氏が「Cardiac MRI tissue characterization」と題して,MRIイメージ心機能解析システム「Medis Suite MR」によるLGE解析,心筋ECV解析,心筋Strainの計測などをデモンストレーションした。最後に,AZEの赤木信裕氏が「診断価値を上げるレンダリング処理とVirtualPlace iNoir」として,VirtualPlace iNoirによるCT/MRのノイズ低減処理を解説した。
最後のセッションは,教育講演「3D画像再考」が行われ,小林隆幸氏(北里大学北里研究所病院)が登壇した。
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また,会場では協賛各社による展示も行われた。出展社は次の通り(順不同)。
フォトロンM&Eソリューションズ,インフォコム,EIZOメディカルソリューションズ,テラリコン・インコーポレイテッド,AZE,PSP,フィリップスエレクトロニクスジャパン,フクダ電子,バイエル,リマージュジャパン,アイ・エス・ビー,バルコ,グッドマン,メディカルクリエイト(セミナーの自動受付システムを担当),イメージワン(カタログ出展),伏見製薬(同)。
なお,次回の定例研究会である「第10回 3D PACS研究会」は,2017年12月23日(土)に,救急,画像支援をテーマにエーザイ大阪コミュニケーションオフィス(大阪市北区)で開催の予定。
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