フィリップス・ジャパンが2018年度事業戦略を発表
異業種との連携を通じナンバーワンヘルステックカンパニーをめざす
2017-12-6
質疑応答の様子
(株)フィリップス・ジャパン(フィリップス)は2017年12月5日(火),東京アメリカンクラブ(東京都港区)にて2018年度事業戦略に関する記者発表会を開催した。発表会では,代表取締役社長の堤 浩幸氏が「2025年までに30億人の人々の生活を向上させる」というフィリップスのミッション達成のために,ナンバーワンのヘルステックカンパニーをめざすことを強調し,今後の事業戦略について説明した。
堤氏は,医療費の激増や生産年齢人口の減少といった社会的課題を,ヘルスケアにICTを活用した“ヘルステック”で解決するため,フィリップスがビジネスモデルの変革を進めていることを説明。従来の製品単体の提供から,ヘルスケアソリューションの提供(健康な生活から予防,診断,治療,ホームケアまで一人ひとりのニーズに合ったケアの提供,低コストで質の高いケアの提供,遠隔医療やIoTによるコネクテッドケアの提供)へとアプローチを変える戦略の下,ヘルスケアクラウド「HSDP(HealthSuite Digital Platform)」を中核としてソリューションの開発,深化,拡大を進めていくと述べた。HSDPは,病院での医療とパーソナルヘルスケアを融合し,デジタルによる医療・ケアの最適化を実現するためのオープンプラットフォーム。パートナー企業のアプリケーションも展開していく。すでに口腔ケアやライティングのアプリケーションをHSDP上に展開しており,2018年には,CPAP(睡眠時無呼吸症候群の治療)向けの提供も開始する予定である。
そして堤氏は,2018年度の事業戦略として,従来取り組んできた医療機関内の連携だけでなく,医療機関間・外部との連携や,生活の質やアウトカムの向上を推し進めていくため,異業種パートナー企業とのエコシステムの構築,また,日本発イノベーション開発の仕組み構築に注力するとの方針を示した。現在,ソフトバンク(株),NTTコミュニケーションズ(株),(株)アルム,SAPジャパン(株),(株)JSOL,札幌市,大成建設(株),大和ハウス工業(株),ヤマトロジスティクス(株)とのエコシステム構築を進めており,発表会では札幌市などと進める新さっぽろ駅周辺再開発事業などの事例が紹介された。
最後に,マーケティング&BCD兼戦略企画・事業開発統括本部長の相澤 仁氏とConnected Care & Health Informatics本部長の古濱淑子氏も登壇し,質疑応答が行われた。
また,フィリップスは同日,パートナー企業とのエコシステムとして,ソフトバンクやヤマトロジスティクスとの協業合意や,デジタル病理画像診断支援ソリューションの薬機法承認の取得を発表し,ヘルステックカンパニーへの変革を印象づけた。
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