日立製作所,小児がん,胆道がん,大腸がんを対象に尿検体を用いたがん検査に関する実証試験を開始
2018-4-18
実証試験用に開発されたITシステム
(株)日立製作所は2018年4月16日(月)に尿検体を用いたがん検査に関する実証試験を開始することを発表し,同日,本社(東京都千代田区)にて報道機関向け説明会を行った。説明会には,研究開発グループ基礎研究センタ長の山田真治氏と同チーフサイエンティストの坂入 実氏が出席した。
日立製作所では,同社のコア技術である計測技術を活用し,尿中代謝物を用いたがん検査の研究を2015年に開始。液体クロマトグラフ/質量分析計(LC/MS)により高精度に測定できる約2000種類の代謝物の中から,有効なバイオマーカー候補を数個に絞り込み,解析することで,乳がんや大腸がんなど複数のがん種の患者の尿と健常者の尿の識別に成功しており,がん種によるが2020年代の実用化をめざして研究が進められている。
今回の実証試験では,小児がん(神経芽腫),胆道がん,大腸がんを対象に,検査コストや検体の扱いやすさを評価し,実用化に向けた研究を加速させる。大学病院やバイオバンクの臨床情報付き尿検体を用いて,尿検体の搬送方法,バイオマーカーの定量分析の精度,臨床情報に基づくがん検査モデルによる判別結果の妥当性の検討などを行う。搬送方法の検証においては,検体の回収・搬送データを管理するため開発したITシステム(スマホ管理システム,GPS・温度情報送信機能付き搬送ボックスなど)でデータを収集・管理し,技術的課題の洗い出しを行う。LC/MSの定量解析についてはシミックファーマサイエンス(株),解析データの評価については名古屋大学医学部附属病院の協力を得て,2018年4月から約半年間をかけて試験を実施する。
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●問い合わせ先
(株)日立製作所 研究開発グループ 研究管理部
TEL 042-323-1111(代表)
http://www.hitachi.co.jp/
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