亀田京橋クリニックが遠隔デジタル画像診断センター内覧会を開催
2018-8-27
遠隔デジタル画像診断センター内覧会風景
亀田京橋クリニックは,2018年8月18日(土),東京スクエアガーデン(東京都中央区)内にて,フロア拡充に伴い新設された遠隔デジタル画像診断センターの内覧会を開催した。
亀田京橋クリニックは,「東京でも亀田クオリティー」をコンセプトに,亀田メディカルセンター(千葉県鴨川市)で治療を受ける患者の利便性を向上させるため,2013年8月に開院したクリニック。22の診療科で専門医の診断を受けることができる。また,「女性に優しいクリニック」を掲げており,男性の目が気にならない待合室など,女性が診察を受けやすい環境を整えている。
これまで亀田京橋クリニックでは,東京スクエアガーデン4階にて検診・一般外来が行われていたが,都内における患者のゲートキーパーおよびフォローアップ機能を充実させるため,同ビル6階に外来診察部門を移動・拡充し,それと併せ,6階に遠隔デジタル画像診断センターを新設した。
遠隔デジタル画像診断センターは,遠隔読影システムを用いて世界各国の病理科医や放射線科医と症例検討を行うことで,診断ワークフローの改善や総合的な画像診断を研究する拠点となることをめざす。新設にあたり,従来の臨床病理科と放射線科が一緒に診断を行い,合同カンファレンスを行うことができる「病理・放射線科」の取り組みが始まった。これは世界的にも例が少ない取り組みで,それぞれの専門性を生かしたより精確で,より質の高い診断に至ることができると期待されている。また,今後は「病理・放射線科医」という総合的な画像診断医の育成や,複合領域での人工知能(AI)の解析なども行っていく予定となっている。
内覧会では,鉄蕉会の亀田隆明理事長と亀田京橋クリニックの清水幸子院長が挨拶に立ち,診療科の垣根を超えた診断と,新たな分野を切り開く拠点としての亀田京橋クリニックの未来像を述べた。
次に,亀田総合病院臨床病理科特任包括部長の福岡順也氏が,「病理医が見た変わりゆく『診断』」と題し,遠隔デジタル画像診断センターのねらいと,病理科と放射線科がコラボレーションすることの利点を説明した。福岡氏は,近年さまざまな立場からの総合的な診断(集学的検討:MDD)が求められており,MDDセンター設立の第一歩として,画像をベースに診断に至ることから親和性が高い病理科と放射線科を組み合わせ,総合的な画像診断を行うことで,ワークフローの改善や診断率の向上,複合領域によるAI解析など研究開発の促進,また,両科に精通した画像診断医の育成を行っていきたいと抱負を述べた。
続いて,亀田京橋クリニック診療部部長(放射線科担当)/亀田総合病院診療部放射線科部長・画像診断センター長の町田洋一氏が,「変革が問われる放射線科の未来」と題し,これからの放射線科医がめざす方向性について講演した。町田氏は,自身の症例経験を基に,放射線科,病理科双方でお互いが求める知見を合わせることで,画像診断の質を向上できると語った。また,AIについて触れ,近年の画像情報の増大に対して画像診断医が足りないという問題の解決の糸口を,AIが握っているのではないかと期待を示した。
その後,JA北海道厚生連札幌厚生病院病理診断科の市原 真氏による「病理診断の過去・現在・未来と,迫り来るAI病理診断を前に『突然変異』するヒト病理診断者」と題した特別講演が行われた。市原氏は,病理医の役割の変遷を語った上で,これからの病理医は組織診断だけでなく,放射線画像を見ることはもちろん,AIを用いて得られる情報を統合するなど,総合的に病理を解析していく必要があると指摘した。また,最終的な目的は患者個人のテーラーメード医療であるとし,病理のプレパラートのデジタル化や臨床データとの紐付け,放射線画像データなどを蓄積していくことによるAIの統計学的な診断能力の向上と統計学的データの逐次更新の重要性を訴え,遠隔デジタル画像診断センターがこれらのデータ蓄積に重要な役割を持つのではないかと示唆した。
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最後に,遠隔デジタル画像診断センターで世界各国の病理医や放射線科医と中継をつなげ,症例を用いた合同カンファレンスのデモンストレーションが行われた。
●問い合わせ先
亀田京橋クリニック
TEL 03-3527-9100 FAX 03-3273-8107
http://www.kameda-kyobashi.com/
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