国立国際医療研究センターと日立製作所が,IoTやロボットを活用した次世代医療の実現に向けて連携

2018-11-6

富士フイルムメディカル(旧 富士フイルムヘルスケア)

AI(人工知能)


記者会見に出席した國土典宏理事長(左)と長我部信行CSO&CTO(右)

記者会見に出席した國土典宏理事長(左)と
長我部信行CSO&CTO(右)

国立研究開発法人国立国際医療研究センター(NCGM)と(株)日立製作所は,次世代医療の実現に向けた連携協定を締結し,2018年11月5日(月)に国立国際医療研究センターにて記者会見を開催した。会見には,国立国際医療研究センター理事長の國土典宏氏,日立製作所ヘルスケアビジネスユニットCSO&CTOの長我部信行氏が出席し,連携協定の概要について説明した。

今回の連携協定では,国立国際医療研究センター内に連携拠点を置いて臨床現場のニーズや課題を洗い出し,日立製作所のIoTやロボット,AIの技術を活用して課題解決を図っていく。取り組みとしては,まず次世代型外科手術室の開発や,医療従事者の働き方改革の推進などからスタートし,幅広い分野で連携して,国際的に模範となるような安心・安全な医療を支えるパッケージの開発が進められる。連携拠点は2019年4月に正式にオープンし,活動期間は3年間の予定。

会見でははじめに,國土氏が挨拶に立ち,国立国際医療研究センターの概要や連携協定のねらいについて説明した。國土氏は,国立国際医療研究センターは6つあるナショナルセンターの一つとして,国際医療協力や感染症分野に貢献するとともに,総合病院として医療を提供していると述べた上で,「総合病院ならではのさまざまな気付きに対して,日立製作所の幅広い分野の技術を活用した医工連携で何かできるのではないかと考え,半年ほど前から意見交換をしてきた」と,連携の経緯を説明した。そして,取り組みに対する期待として,次世代型外科手術室の開発については,多角的な医師のサポートや,機材やスタッフの合理的な配置・運用により,少人数でも安全で高度な手術を可能とする手術室を開発すること,働き方改革では,ペーパーワークやインフォームド・コンセントなどの業務の一部をロボットが代行することで,負担軽減や患者満足度向上を図ることなどを挙げた。國土氏は最後に,連携を通じて開発された技術をアジア諸国をはじめとした海外に展開する際には,国際医療協力に取り組む同センターの特徴を生かしてプレゼンテーションの拠点としての役割を担いたいと展望した。
次いで登壇した長我部氏は,「今回の連携を通じて,企業発ではなく臨床現場に根ざしたアイデアに基づくイノベーションの創生をめざす」という日立の意気込みを語った。そして,課題の見える化,現場視点のアイデア,先進技術を掛け合わせることで,臨床現場のニーズに対して,診療科横断的な高機能手術室や,ロボット・認証技術・AIなどを活用した業務効率化や安全性の向上で応えていくと説明した。最後に,ロボットが医療従事者の業務を代行するイメージとして,コミュニケーションロボット「EMIEW3」による患者応対のデモンストレーションが行われた。

國土典宏 氏(国立国際医療研究センター理事長)

國土典宏 氏
(国立国際医療研究センター理事長)

長我部信行 氏(日立製作所ヘルスケアビジネスユニットCSO&CTO)

長我部信行 氏
(日立製作所ヘルスケアビジネスユニットCSO&CTO)

 

 

EMIEW3による患者応対のデモンストレーション

EMIEW3による患者応対のデモンストレーション

 

●問い合わせ先
国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 企画研究部研究医療課
TEL 03-5273-6825(直通)

(株)日立製作所 ヘルスケアビジネスユニット 経営戦略室
TEL 03-6284-3724(直通)
http://www.hitachi.co.jp/healthcare

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