日本医療機器産業連合会(医機連)が2019年年頭記者会見を開催
2019-1-10
会見会場の様子
一般社団法人日本医療機器産業連合会(以下,医機連)は2019年1月8日(火),KKRホテル東京(東京都千代田区)にて2019年年頭記者会見を開催した。会見には,会長の渡部眞也氏をはじめ,専務理事の石井信芳氏,産業政策会議議長の和田賢治氏が出席した。
渡部会長はまず,2018年の主な活動として,医機連産業ビジョンの策定や,10月に就任した根本 匠厚生労働大臣らとの意見交換,薬機法の5年目改正に向けた政策提言,4月に施行された臨床研究法に関する講習会の開催などを挙げた。また,2018年には新たに10法人が入会し,賛助会員数が146に増加したことに加え,大学初となる信州大学の入会があったことを受け,日本の産業界の中で,医療機器に対する新たな動きが生じているのではないかと述べた。
続いて2019年の市場見通しとして,世界的には中国やインドなどの新興国が成長を牽引する中,国内市場では年平均成長率3.9%,3兆円の大台に乗ることが予測されるが,10月に予定される消費税増税による駆け込み需要と増税後の買い控えが生じる可能性があるとした。また,人材不足やオンライン診療の開始に伴い,医療現場でのデジタルヘルスへの期待の高まりがあるとした上で,医療分野のデジタル化の流れが進む1年になるのではとの見通しを述べた。
2019年の重点施策としては,医機連産業ビジョンの実現に向けた活動を挙げ,同ビジョンで掲げた(1)イノベーションの加速に向けた環境の整備,(2)医療機器の安全管理・安定供給・安定稼働・トレーサビリティの強化,(3)データ利活用とサイバーセキュリティ強化の推進,(4)日本発の医療機器・技術のグローバル化を通じた医療機器産業の発展,(5)診断・治療に加え,予防・介護分野へのニーズ拡大への対応,(6)医療機器産業を支える人材の育成・獲得の6つを重点テーマとして推進していきたいとした。
渡部会長は,2019年に設立35周年を迎える医機連は,求められる役割が大きく変わるなど転換点にあるとの考えを示した上で,社会の要請や課題に応える組織になるべく活動していきたいとの意気込みを語り,具体的な活動として,4月に予定する「医機連みらい戦略会議(仮称)」の立ち上げや,シンポジウムの開催などを挙げた。また,厚生労働省や医薬品医療機器総合機構(PMDA)との「新協働計画」を推進し,人工知能(AI)などの新技術導入が進む中,互いに協力し,新しい医療機器を早期に患者に届けるという視点を持って議論していきたいとした。さらに,信頼される産業団体としての役割の一環として,臨床研究法に関する講習会などを通じて,各企業を支援していきたいと展望を述べた。
会見後の質疑応答で,AIの薬機法審査について問われた渡部会長は,2018年にAI搭載の大腸内視鏡診断支援ソフトウエアが承認されたことを受け,2019年はさらに承認申請が見込まれ,その過程で審査プロセスが確立されていくのではないかと述べた。一方,診療報酬の評価を求める上では,AIの医療への貢献を示す必要があるとし,見逃し防止や現場の負担軽減など,AIの利点を提示し,次回診療報酬改定に向けて対応を検討していきたいとの考えを示した。
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●問い合わせ先
日本医療機器産業連合会
TEL 03-5225-6234
http://www.jfmda.gr.jp
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